「相馬野馬追5月開催」関心高く 升席予約、当初数ほぼ埋まる
2024年02月28日 09時45分
野馬追に向け関係書類送付の準備をする一般社団法人相馬野馬追の職員
今年から5月開催に変更される国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」の準備が着々と進んでいる。すでに始まった旅行会社向けの観覧席予約は好調で、関係者は手応えを感じている。一方で、7月下旬からの日程変更による人手不足が懸念されており、関係者は企業などへの協力要請やボランティア募集などに奔走する。
本番の5月25~27日まで3カ月を切った。記録が残る明治以降で5月開催は初めてだ。日程変更に伴う影響が心配された誘客は順調に推移。一般社団法人相馬野馬追によると、今月1日からスタートした旅行会社向けの先行予約では、1升5人分の升席約500の予約がほぼ埋まった。
担当者は「爽やかな時期の開催となり、関心が高い。旅行業界からの反応も良い。問い合わせが多かったため枠を100升席増やした」と声を弾ませる。その上で「今年は台湾からの予約も多い。こんなに早く売れるとは」と驚く。
ただ、運営側の人員不足への懸念もある。騎馬隊が祭場地に向けて繰り出す行列には、神輿(みこし)や旗などを持つ人が南相馬市内だけでも200人ほどが必要だ。例年は学校の夏休み中だったため、地元の子どもたちや首都圏の学生らの協力を得ながら実施してきただけに各神社など関係者の心配は尽きない。
一般社団法人相馬野馬追は人員不足に備え、交流サイト(SNS)やホームページで行列に参加するボランティア20人の募集を始めた。また、これまで参加していなかった企業や学校に職員が出向き、協力を求めている。
神旗争奪戦などの舞台となる南相馬市の雲雀(ひばり)ケ原祭場地では、馬場内の芝生の養生や、段差の解消作業が行われており、騎馬武者たちも準備を進めている。中ノ郷騎馬会の門馬光清会長(66)は例年より2カ月早い4月にも馬に乗り始め、万全の態勢を整えるという。昨年は猛暑の影響により出場を見送った高齢の会員もいたが、涼しい時期の開催により、復帰する人もいるとみられる。
門馬会長は「騎馬武者の士気は上り調子。これからだんだん上がってくる」と話し、出場騎馬の増加に期待している。
3月1日から一般発売
観覧席の一般販売は3月1日に始まる。今年は、甲冑(かっちゅう)競馬や神旗争奪戦を間近に見ることができる「野馬原観覧席」を新設する予定。価格は6000円。一般自由席は前売り券が800円。チケットぴあやコンビニのほか、一般社団法人相馬野馬追や区役所などでも購入できる。問い合わせは同社団法人(電話0244・22・3064)へ。
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2024/02/28 10:08:06