ナナフシの雄生殖機能消失 由来の遺伝子、子になし 福島大など発表
2025/02/06 12:40
福島大共生システム理工学類の兼子伸吾准教授と基礎生物学研究所、神戸大の研究者らのグループは、交配せずに子どもをつくる単為生殖種の昆虫「ナナフシモドキ(ナナフシ)」の雄が、雄としての生殖機能を完全に失っていることを発見した。単為生殖の歴史の過程で、有性生殖の要素がどのように退化していくのかを議論する上で重要な成果という。福島大などが5日、発表した。
ナナフシは枝のような姿の昆虫で、雌が雌を産んで子孫を残していくためほとんどが雌だが、発生過程のエラーによってごくまれに雄が産まれることがある。
研究グループが野外で採集された雄を調べたところ、雌との交尾は見られたが、産まれた子どもの遺伝子に、雄由来の遺伝子は全く検出されなかった。体内の生殖器官を観察すると、雄には正常な精子形成がなく、雌には精子を貯蔵する器官に退化的な特徴が見られた。
このため、雄としての生殖機能がなく、有性生殖に戻れない状態になっていることが分かった。研究成果は1月29日付で国際学術誌に発表された。
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2025/02/07 10:10:21