上皇さま退院 「無症候性心筋虚血」と診断で新たな薬物治療へ
2025年5月10日 17時31分
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心臓の精密検査を受けるため東京都内の病院に入院していた上皇さまは、10日午前退院されました。自覚症状はないものの一定程度以上の運動負荷がかかることで、心臓の筋肉への血流が不十分になっていると診断されたことから、血流を改善する薬を新たに服用し、過度な運動負荷を避けながら過ごされるということです。
91歳の上皇さまは、定期検診や再検査で心臓を取り巻く冠動脈から心臓の筋肉への血流が不十分になる心筋虚血の可能性が高いと診断され、詳しい検査を受けるため5月6日から東京 文京区の東京大学医学部附属病院に入院していましたが、10日午前退院し、連日見舞われていた上皇后さまとともに、車で港区の赤坂御用地にあるお住まいに戻られました。
宮内庁によりますと、冠動脈のCT検査などの結果、胸の痛みなどの自覚症状はないものの、一定程度以上の運動負荷がかかると冠動脈から心臓の筋肉への血流が不十分になる「無症候性心筋虚血」と診断されたということです。
上皇さまは、平成24年、78歳の時に狭心症と診断され、心臓の冠動脈のバイパス手術を受けたほか、3年前には右心の心不全と診断され、薬の服用や水分の摂取制限といった内科的治療を続けられています。
年齢を重ね動脈硬化が進んでいることもあって、これまで以上に医師による慎重な経過観察が必要とされるということで、今後は冠動脈の血流を改善する薬を新たに服用するほか、過度な運動負荷を避けながら生活されるということです。
一方で、転倒や歩行困難になるのを防ぐための筋力維持も大切なことから、朝夕の散策や階段の上り下りといった日常の運動のあり方を見直していくということです。
無症候性心筋虚血とは
「無症候性心筋虚血」は、心臓を取り巻く「冠動脈」と呼ばれる血管で血液の流れが悪くなり、心臓の筋肉に酸素を十分に供給できなくなる病気で、胸の痛みなどの症状がないことが特徴です。
動脈硬化が進んで「冠動脈」の内側が狭まるなどして起きますが、胸の痛みなどがないため病気が進行してから見つかる場合も少なくありません。
治療は、冠動脈の狭くなっている場所や箇所数などを確かめたうえで、血管がつまりにくくなる薬の投与で対応するか、カテーテルを使って血管を広げたり、血液の流れが悪くなった部分をう回するバイパス手術をしたりするかを選択することになります。
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2025/05/10 20:00:04