県内最低賃金 過去最大55円引き上げで時給955円に
08月27日 15時11分
福島県の最低賃金について、労使の代表で作る審議会は、現在の金額より55円引き上げ時給955円とすることを正式に決定しました。
引き上げ幅は過去最大で、ことし10月5日から適用されます。
福島県の最低賃金について労使の代表で作る審議会は、現在の時給900円から55円引き上げ955円とする答申をまとめ、一般から意見を募集していました。
27日、その結果が審議会に報告され、県労連=福島県労働組合総連合が、「今回の引き上げによっても金額の低さや地域間格差の問題は解決できない」として異議を申し立てました。
審議会では「労使協議を含めたどり着いた結果で、理解をいただきたい」とか、「審議は十分に尽くした」などと意見が出され、「答申通りとすることが適当だ」として、最低賃金を55円引き上げ、時給955円とすることを決めました。
厚生労働省の審議会は、先月、全国一律で50円を引き上げるとする目安を示し、県内の引き上げ幅は過去最大となりました。
新たな最低賃金は、ことし10月5日から適用され、県内で現在の賃金が、この最低賃金に満たず、賃上げが必要となる労働者は19.15パーセントにのぼると推計されています。
県内企業などの賃上げに向けて、福島労働局の井口真嘉局長は、「あらゆる機会を通して周知していきたい。中小零細企業にしっかりと寄り添って、機会を捉えて支援したい」と話しています。
【最低賃金引き上げに伴う「賃上げ」についての調査結果】
民間の信用調査会社が、県内の企業を対象に最低賃金の引き上げに伴う賃上げについて調査したところ、あわせて4割以上が給与を引き上げると回答したことがわかりました。
厚生労働省の審議会から、先月、全国一律で50円を引き上げるとする目安が示されたことを受けて、民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」郡山支店は、今月、県内の企業を対象にインターネットでアンケート調査を行い88社から回答を得ました。
それによりますと、最低賃金が「目安通りの引き上げとなった場合、給与設定を変更するか」を尋ねたところ、
▽「引き上げ後の最低賃金より低い時給での雇用はないが、給与を引き上げる」が20.5パーセント、
▽「最低賃金額と同額まで給与を引き上げる」が14.8パーセント、
▽「現在の時給は引き上げ後の最低賃金額を下回っており、最低賃金額を超える水準まで給与を引き上げる」が8パーセントと、あわせて4割以上の企業が最低賃金の引き上げに伴って給与を引き上げると回答しました。
一方、▽「引き上げ後の最低賃金額より低い時給での雇用はなく、給与は変更しない」が56.8パーセントでした。
また、給与設定の変更について回答があった31社のうち、来年度も「50円以上」の最低賃金を許容できると答えた企業の合計は、61.3パーセントでした。
Posted at 2024/08/27 19:09:57 | |
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