高校野球 センバツ 聖光学院が常葉大菊川に延長でサヨナラ勝ち
2025年3月22日 19時27分
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センバツ高校野球、大会5日目の第2試合は福島の聖光学院が、静岡の常葉大菊川高校に、延長12回、タイブレークの末、4対3でサヨナラ勝ちし、2回戦に進みました。
試合は聖光学院のエース、大嶋哲平投手と、常葉大菊川の大村昂輝投手が持ち味のコントロールのよさを発揮して互いに好投し、両チームの堅い守備もあって、無得点のまま延長タイブレークに入りました。
さらに、ノーアウト一塁・二塁から始まるタイブレークでも10回に2点、11回に1点を取り合ってともに譲らず、同点のまま12回まで進みました。
聖光学院は12回表、2人目の管野蓮投手が、相手の中軸を外野フライと、ダブルプレーで打ち取り、無得点に抑えました。
そのウラ、1アウト一塁三塁として、途中出場の鈴木来夢選手がセンターへ犠牲フライを打って、4対3でサヨナラ勝ちし、2回戦に進みました。
常葉菊川は、タイブレークで2度勝ち越しましたが、いずれも追いつかれ、最後は2人目の佐藤大介投手が粘りきれませんでした。
《聖光学院 選手・監督談話》
鈴木来夢選手「全員が集中力切らさずやりきれた」
延長タイブレークの12回にセンターに犠牲フライを打って、サヨナラ勝ちにつなげた途中出場の鈴木来夢選手は「9回まで得点の無い展開で難しい試合だと感じたが、全員で集中力を切らすことなくやりきることができてよかったです」とほっとした表情で話していました。
犠牲フライの場面については、「浅いフライだったので『伸びてほしい』という気持ちと、サードランナーに『頼むぞ』という気持ちだけでした」と振り返りました。
そのうえで、次の早稲田実業との対戦については、「後半からの出場になると思いますが、変わらずに守備とバッティングをやりきる気持ちで向かいます」と意気込みを話していました。
大嶋哲平投手「満点の投球 ほっとしている」
延長10回まで123球を投げた大嶋哲平投手は「満点の投球でした。負けずに試合を終えられて素直にほっとしています」とすがすがしい表情で試合を振り返りました。
6回にファインプレーでチームを救ったショートの石澤琉聖選手ら野手陣について、「きょうは助けられた場面が多かったので、防いでくれてうれしかったです」と感謝していました。
次の試合に向けては、「早稲田実業は力のあるチームだが、しっかりと立ち向かい、負けない投球をしたい」と意気込みを話しました。
斎藤監督「バッティングの課題多いと感じた」
斎藤智也監督は「相手投手のチェンジアップがとてもよくて、選手に狙わせたものの打てず、悩ましかった。バッティングの課題が多いと感じた試合だった」と、無得点で延長タイブレークまでもつれた試合を振り返りました。
そのうえで、次の試合に向けて、「次に対戦する早稲田実業は、中村心大投手が成長していて大変だが、やりがいのある相手なので、思い切り向かっていきたい」と意気込みを話していました。
《常葉大菊川 選手・監督談話》
大村昂輝投手「チームを勝たせるピッチャーになりたい」
先発、大村昂輝投手は「緩急を使って投げられたのはよかったですが、試合に負けたことがすごく悔しいです。相手打線には自分が決めにいった球を打たれてしまいました」と自身の投球を振り返りました。
そのうえで、今後に向けて「夏までにチームを勝たせるピッチャーになりたいです。まっすぐの質もまだまだですし、もっと磨いていきたいです」と成長を誓っていました。
橘木千空 主将「ピッチャーを助けられず悔しい」
キャプテン、橘木千空選手は「タイブレークに行くまでにチャンスはあったのに点を取りきれませんでした。投手戦になることは予想していたので、ピッチャーを助けられず、野手として悔しいです」と試合を振り返りました。
そのうえで、「バッティングが課題だと感じたので、ストライクゾーンの球を1発でしとめるということを、夏までにやってきたいです。レベルアップして、また戻ってきます」と今後の成長を誓っていました。
石岡監督「緊迫した状況でも攻める姿勢に頼もしく思った」
石岡諒哉監督は「守備がリズムを作ることは、チームとしてやってきたので出せてよかった。緊迫した状況でも、選手は攻める姿勢を見せてくれたので、頼もしく思った」と試合を振り返りました。
先発の大村昂輝投手については、「相手の間合いやタイミングを外して、粘り強く投げてくれた。最後までいいピッチングをしてくれたので、なんとか助けたかった」とたたえていました。
今後に向けて、「2年前に負けて、またこの舞台に連れてきてもらったが、勝てないということは、選手以上に自分が成長しないといけない」と話していました。
聖光学院 “こだわり”貫き 春夏通算30勝
延長タイブレーク、12回までもつれた試合を制した聖光学院。
斎藤智也監督が勝因に挙げたのは、甲子園で勝利を積み重ねてきた自分たちの野球を信じ、貫き通したことでした。
聖光学院は、伝統的に送りバントや盗塁など小技を駆使して得点を重ねるスタイルで、大柄な選手の少ない今のチームでも、去年秋の公式戦10試合で、29個のバントを決めるなど、その戦い方は受け継がれています。
22日の試合は、相手ピッチャーの緩急を巧みに使ったピッチングに苦しむ中、1アウトからでも出したランナーを、バントで送ることを試みるなど、培ってきた野球に徹底したこだわりを見せました。
そして、それはノーアウト一塁・二塁ではじまる、タイブレークに入ってからも変わりませんでした。
2点をリードされた10回ウラの攻撃では、先頭の仁平大智選手が、しっかり送りバントを決めて二塁三塁とし、相手のボークとタイムリーヒットで同点に追いつきました。
さらに同点の12回には、先頭バッターの管野蓮投手が、相手がバントと決めつけた極端なシフトを敷いてきたのに対し、その動きを見て、バスターで空いたスペースを抜けるヒットを打ってチャンスを広げ、サヨナラ勝ちにつなげました。
相手に対してバントを多用するスタイルを印象づけていたからこそ生まれたプレーでした。
一方の常葉大菊川は、タイブレークに入ってから、いずれも送りバントをせず、10回から12回まで、いずれも先頭バッターがランナーを進められず思うような攻撃ができませんでした。
試合後、斎藤監督は、勝敗を分けたポイントについて聞かれると、「相手が攻撃的に来たのに対して、うちはバントにこだわった。そこだけの差だったと思う。確実にランナーを送って2点を取れる形を作る。強行に出てヒットエンドランをかけるといった浮気をせず、バントにこだわるうちの野球を忠実にやってよかったと、つくづく思う」と振り返りました。
これで聖光学院は、2001年に夏の大会に初出場してから、春夏合わせて、甲子園通算30勝。
そのすべてで指揮をとってきた斎藤監督のこだわりが、チームに節目の1勝をもたらしました。
Posted at 2025/03/22 20:28:40 | |
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