
寝台特急「カシオペア」 26年の歴史に幕
2025年6月30日 19時31分
車両の老朽化で引退する寝台特急「カシオペア」の最後の列車が、30日夕方、上野駅に到着し、26年の歴史に幕を閉じました。
JR東日本の寝台特急「カシオペア」は、上野と札幌を結ぶ客車がオール2階建ての豪華列車として1999年にデビューしました。
その後、北海道新幹線の開業に伴って2016年に定期運行を終了しましたが、人気が高くツアー専用の臨時列車として不定期で運行されてきました。
銀色の車両が特徴の「カシオペア」は当初から1編成のみの運行でJR東日本は5月、車両の老朽化を理由に引退を発表していました。
乗客およそ120人を乗せた最後の列車は30日正午前に仙台駅を出発し、午後5時半すぎに東北方面の列車が発着する上野駅の13番ホームに到着しました。
到着後、乗客は記念の写真を撮ったり、車両に触れたりして名残惜しそうにしていました。
そして午後6時7分、「カシオペア」は乗客や鉄道ファンに見守られながら回送列車としてホームをたち、26年の歴史に幕を閉じました。
夫婦で乗車したという都内の40代の男性は、「結婚20年を記念して乗車しました。これまで10回以上乗っていますが、ひと言では言い表せない思い出があります。車両は古くなって塗装がはげているところもありますが、よくここまで頑張ってくれたと思います」と話していました。
JR仙台駅では鉄道ファンや駅職員が見送り
JR仙台駅では、多くの鉄道ファンがホームに集まり、駅の職員が「いってらっしゃい」と書かれた横断幕を掲げました。
そして、正午前に「カシオペア」が汽笛を鳴らしながら上野駅に向けて出発すると、集まった人たちは、撮影したり手を振ったりしながら見送りました。
親子で見送りに来た宮城県多賀城市の12歳の男の子は「さみしい気持ちですが、一度だけイベントで乗ったことがあり後悔はありません。26年間ありがとうございましたと伝えたいです」と話していました。
5歳の娘と一緒に乗車した茨城県の会社員、冨山壮史さん(48)は「カシオペアにはこれまで乗ったことがなく、今回のツアーが最後ということで乗りました。寝台特急が好きで、カシオペアは2階建てで眺めがすごくいいので、東北の田園地帯や都会に近づく中でのビル群といった景色を子どもに見せてあげたい」と話していました。
娘の明沙さんは窓からの風景を楽しみにしていたということで、父親がスマートフォンで撮影した映像には、客室の車窓を眺めながら食事をしたり、ベッドで寝そべったりして楽しんでいる様子が写っていました。
JR東日本によりますと、今後、「カシオペア」の車両は催しなどでの活用を検討していて、来月は上野駅に停車した車内で食事を楽しんだりできるイベントが開かれるということです。
Posted at 2025/06/30 19:57:09 | |
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