
今年の正月は仕事の呼び出しもなく久しぶりに静かに過ごせた。休み中はPCも触らず、ひたすらDVDやTVを見て、食べ、そして寝た。そんなぐうたらした生活をしてしまったので、週明けの仕事はかなり辛いものになりそうだ。
そんな訳で、今日はボケた頭を戻すためにmickeyd2005氏が作成した「Knock counter」というワークシートを翻訳してみた。翻訳はINFOシート上のものだが、版数管理やログ項目に関連する単語等は翻訳していない。また、なるべく多くの人に理解してもらいたいために平易な文章にしたので、原文と若干違う表現にしているところもある。ただし、作者が訴求しているところはなるべく原文に即した形で翻訳したつもりだ。
最後に言い訳になってしまうが、自分が自動車工学を専攻した訳ではないので、適切な単語に翻訳できなかった部分も多々ある(例えばチップイン)。もしこっちの方が適切な用語になるとか、間違っている記述があった等があれば、コメントしてもらえると有難いです。
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Knock Counter - revision 14
mickeyd2005 - May 29, 2008
【作成した背景】
このシートは、RomRaiderのWebサイトでmerchgod氏が説明している"Subaru Knock Control Strategy"に基づいたものです。またvarmint氏のリクエストによって作成しました。そのいくつかのやり取りはまだスレッドにあります。私はRomRaiderのWebが復活したらそのリンクを貼ろうと思ってます。
【このシートで出来ること】
1. 一部のスロットル領域で発生するノッキングの傾向が確認できます。
2. 一部のスロットル領域でAVCSを調整するためのVE(Volumetric Efficiency:充填効率)を計算することができます。
3. Fine Learning Knock Correctionを時系列に把握することができます。
【このシートで出来ないこと】
1. このファイルは、急激なスロットル変化によるノッキングを確認することはできません。故意に急速なスロットル変化にデータを入れないようにしています。これはチップインによるノッキングの読み込みを排除する試みです。 私はチップイン問題をベースタイミングに反映するべきだとは思っていません。
2. このファイルは、軽めのチューニングを目的にしているので、IAMの低下をもたらすようなノッキングは特定しません。もしIAMが低下するようなら、他の問題を特定して個々に修正する必要があります。
【使用方法】
1. 自分のROMデータから下記のデータをコピーして、Romシートのそれぞれ該当する場所に貼り付けてください。
Base Timing(基本点火時期) 6行目から35行目
AVCS(バルブタイミング・コントロール) 38行目から72行目
WGDC(ウェイストゲート・デューティ・サイクル) 75行目から109行目
FLKC(Fine Learning Knock Corection)のエンジン回転範囲 112行目
FLKC(Fine Learning Knock Corection)のエンジン負荷範囲 115行目
マクロの「Copy from Airboy's interpolation sheet」ボタンは、Airboy氏作成の「Interpolation Spreadsheet」からBase Timing、AVCS、WGDCを自動的にコピーすることもできます。ただしNAの車両は、WGDCマップを除外してください(すでにシートにあるデフォルト値を使用してください)。
2. ログを取る前にRomRaiderで紹介されている「Learnig View」を使用してFLKCデータのコピーを取り、そのデータをFine Learningシートに貼り付けてください。
3. ログを取る前にECUのリセットをしてください。次に取得するデータとして下記項目を選択してください。なお、下記項目を選択した後に名前を付けて保存しておくと便利です。次にロギングする時に、簡単に取得項目を読み込むことができますし、時間の節約にもなります。
Engine Load (Direct)* (g/rev)
Engine Speed (rpm)
Feedback Knock Correction* (degrees)
Fine Learning Knock Correction* (degrees)
Fine Learning Table Offset* (index position)
Ignition Total Timing (degrees)
Intake Air Temperature (F) (optional)
Manifold Relative Pressure (Corrected) (psi)
Throttle Opening Angle (%)
4. ログを取得したら、InputシートのCLEAR AND GET DATAボタンを押してログファイルを読み込んでください。
5. 他にもログファイルがあれば、ADD DATAボタンを押してすべて読み込んでください。
備考:すべてのログを読み込むことは、FLKCを時系列に追跡するためにも非常に重要なことです。また、ログは運転中であれば100%記録されますが、車が暖気している時のようなアイドリング時の1分のログも重要です。
6. データ項目を選択するためには、GRAB HEADERSボタンを押してください。この時にデータ項目と値の列が適切に選択されるようにしてください。
NAの車両はウェイストゲート・デューティ・サイクルの列を選択する必要があります。いづれにしても、集計テーブルは無視されるので、どの列が選択されるかは重要ではありません。
7. マクロボタンの下にある数値入力ボックスに適切な数値を入力してください。もしIAT(Intake Air Temperature:吸気温度)を記録していなければ、デフォルトの値が使用されます。
8. 最後にFILTER DATAボタンを押してください。もし異常なデータがあれば排除しますので、その時はコメントボックスのFilter Legendを参照してください。ここにはデータが排除された理由が記載されています。
9. 各シートでデータを確認してください: KNOCK, FINE LEARNING, VE Knockシートでは、ノッキングデータが集計されます。このシートでは、エンジン回転数と負荷毎のノッキング数とノッキングの大きさが確認できます。ECUはノッキングを修正するために2-3度の点火時期を遅角しますが、基本点火時期マップからそれだけの値を引く必要はありません。通常は1/2度程度の増分は問題ないからです。
基本点火時期を調整した後は、急激な落ち込みをなくした滑らかな点火時期カーブにしたいと思います。その時は「Interpolation Spreadsheet」を使用して再確認してください。
Fine Learningシートでは、最新のFLKCと現在のFLKCが集計されます。このシートは、点火時期の修正が必要かを確認する時に、Knockシートのデータと比較する時に役に立つかもしれません。
VE(Volumetric Efficiency)シートでは、充填効率が集計されます。ここではAVCSマップに従った充填効率が計算されます。