
知っている人が多いと思うが、RomRaider 0.5.3BetaのRC版がリリースされている。
ECU Editorに大きな変更等はないが、Loggerには「Road Dyno」というものが新しく追加された。「Road Dyno」は説明するまでもないが、実走式のパワー測定及びゼロヨン測定機能のことである。
今まで簡易パワーチェッカーが付いた電子機器やログデータからグラフを作成するものはあったが、これはECU情報からのデータを元に、さらに車両データや気象条件等を加味した状態でグラフ化してくれるのが特長だ。
今日この「Road Dyno」を少し試してみたので、使い方や設定方法をまとめてみた。
1. 準備
1-1 ダウンロード
RomRaiderのWebサイトから下記の3つのファイルをダウンロードします。
RomRaider0[1].5.3BetaRC6-setup.exe
【RomRaider Development】
cars_def.xml
【ECU and Logger Definitions ⇒ Logger Road Dyno Car Definitions】
Log file interpolation ver4p0z1 public.zip
【Tuning Utilities and Spreadsheets ⇒ SPREADSHEET: import and graph log files】
※【】は掲示板名
※Logger機能の1部なのでロガーの定義ファイルも必要です。
1-2. ファイルの変更
cars_def.xmlをメモ帳やテキストエディタ等で開き、自車データを追加、もしくは既存データを変更します。
変更する箇所は、<car>と</car>で区切られた間です。自分の場合、他のデータは不要だったので自車データのみにしました。
<car>
<type>09 IMPREZA Spec C 6MT</type>
<carmass>3175</carmass>
<finalratio>3.900</finalratio>
<rollcoeff>0.015</rollcoeff>
<dragcoeff>0.33</dragcoeff>
<frontalarea>22</frontalarea>
<transmission>Manual</transmission>
<gearratio1>3.636</gearratio1>
<gearratio2>2.375</gearratio2>
<gearratio3>1.761</gearratio3>
<gearratio4>1.346</gearratio4>
<gearratio5>1.062</gearratio5>
<gearratio6>0.842</gearratio6>
<tirewidth>245</tirewidth>
<tireaspect>40</tireaspect>
<wheelsize>18</wheelsize>
</car>
1)
carmass: 車両重量、単位はポンドなので単位換算が必要です。
2)
rollcoeff(rolling resistance coefficient): 転がり抵抗係数
3)
dragcoeff(drag coefficient): 形状抗力係数、つまりCD値のこと。
4)
frontalarea: 前面面積、単位はフィート。
※2~4は「Log file interpolation」のAccelというシートを参照して入力します。
2. セットアップ
RomRaider 0.5.3Beta RC6をインストールします。
すでにRomRaiderをインストールしている場合は、ウィザードに従ってセットアップするとインストール済みのRomRaiderが上書きされるので、インストールフォルダ先名を変更してインストールを実行します。あと、スタートメニューに登録されているショートカットも上書きされてしまうのでショートカット作成画面でチェックをすべて外しておいた方がいいです。
インストールが終了したら、作成した
「cars_def.xml」と
「logger.xml」をインストール先フォルダ内に置きます。
3. 操作方法
OpenPortケーブルを車両に接続したら、Loggerを起動して「Dyno」タブを開きます。自車データのみであれば自動的にデータが読み込まれます。表示されない場合は、プルダウンメニューから自分の車を選択してください。
起動直後は単位が「Imperial(ヤード・ポンド法)」になっているので「Metric」をクリックして表示を変更します。
3-1 パワー測定
エンジン回転数をX軸にしてパワー(青色)とトルク(黄色)をそれぞれグラフにします。
1) Modeで「Dyno」を選択します。
2) Dyno Settingsの項目にデータを入力します。
Select Gear: 測定するギアを選択します。
Delta Weight: ガソリンや運転手の体重等の重量を入力します。
Base Weight: 車両重量(自動的に定義ファイルから読み込まれます。)
Smoothing Factor: グラフをスムージングするための補間値です。11以下の値が良いようなので、基本的に変更する必要はないと思います。
RPM Range: 測定されるエンジン回転域です。測定時に自動的に計測されます。
Elevation: 海抜です。(国土地理院は東京湾の海面を海抜0メートルとしています。)
※ある程度正確な値を入力しないと、とんでもない測定値が表示されますので注意してください。
Air Temperature: 吸気温度です。測定時に自動的に計測されます。
Rel Humidity: 相対湿度、つまり一般的な湿度のことです。
※携帯のYahooの地域天気情報を参考にするといいと思います。
3) 「Record Data」ボタンをクリックしたら、あとはアクセルを全開にして走ります。
3-2 ゼロヨン測定
時間をX軸にして速度をグラフにします。
1) Modeで「ET」を選択します。
2) Dyno Settingsの項目にデータを入力します。
Select Gear: 測定するギアを選択します。
Delta Weight: ガソリンや運転手の体重等の重量を入力します。
3) 「Record ET」ボタンを押したら、あとはアクセルを全開にして400m走ります。
4. その他共通事項
・「Clear Data」ボタンをクリックすると、グラフ(データ)は消去されます。
・Reference Traceは、データを保存したり、過去のデータを読み込む時に使用します。
Posted at 2010/07/10 14:57:03 | |
トラックバック(0) |
ECU関連 | クルマ