EVは雪に弱いか？

今年の初雪は各地いきなり豪雪。関越道では丸2日の立ち往生も発生しました。

リーフを買ってから2シーズンは暖冬だったので雪道での不便ってほとんど感じなかったんですよね。こんな記事も書かれたりして，EVは弱いと叩かれたりします。

さて，実際EVは雪に弱いのか？雪国の１オーナーとして答えますと・・・

弱いです。

まあ，一長一短あるので，ちょっと整理しながら書きますと
・航続距離の減少が大きい
・雪道は走行抵抗が大きく，電費が低下する
・低温下ではQCが入らない
というのが弱いと感じる大きな原因。

航続距離の減少は何度も書きますが２次電池の宿命。別に急に電池が劣化するわけでもなく，単に低温で能力が下がることに起因します。また，雪の走行抵抗はかなり大きいです。轍に引っかかったりすると，すぐに減速してしまいますし，上り坂だとVDCの制御が入り，ロスも大きくなります。もともと航続距離の長いガソリン車では気づきにくいですが，雪道はガソリン車でもかなり燃費が下がっています。
ヒートポンプエアコン装着車でも低温下では能力が下がるので，PTCヒーターが働きます。うちのはもともとPTCヒーターなのでわからないのですが，XやGグレードのオーナーはSグレードの人以上に冬は走らないと思うんでしょうね。
あと，10万キロ走って低温下でのQCの入りが悪くなりました。これは特に44kW充電器で感じます。5分くらい充電すると入力が12kWとかになります。これが30kW充電器だと比較的フラットに入るんですが・・・。航続距離が短くなった上にQCに時間がかかるとなると，やはりEVは寒さに弱いと言わざるを得ません。
ちなみに普通充電は普通に入ります。

ちなみに関越道の渋滞のような場面に巻き込まれたらEVは致命的という書き込みもありましたが，これについて思うことは・・・
電池の残量や車種にもよりますが，走らなければなんとかなるかな？という感じ。比較的電池残量がある状態なら半日～1日程度は大丈夫なのではと。

以前も書きましたが，一番エネルギーが必要なのは「走行」。走行に比べてヒーターの負荷は僅かなものです。雪の舞う状況で，ヒーターを最弱の18℃にしていた場合，走行中のヒーター負荷は500W～750W(車内がそこそこ暖まった状態で)です。停車中は走行風が当たらないので，条件的には少しゆるくなると思われます。15kWhの電池残量があったとすると，750Wのヒーターが連続稼働した場合に約20時間。完全に使い切ってしまうわけにはいきませんが，シートヒーターなどを併用しつつ，暖房負荷を最小限にして過ごせばしばらくはしのげそうな気がします。ZE1なら15kWhは残量にして40%くらいと思われますので，半分以上あればなんとかなると思います。ただ，使い切っても携行缶で給油できるガソリン車のようにはいかないので，電欠にならないように気をつけないといけません。

ちなみに，雪道のクルマとしての走行性能は，EVだからといって取り立てて悪いわけではありません。車両重量があるおかげでしっかりトラクションがかかるので，普通車並みでしょうか。ただ，フロントヘビーでなくほぼ中央に重心があるので，FF車より少し劣ってFF≧リーフ≫FRくらいの走破性だと思います。