以前にも書いたことがあるのですが、ポルシェに乗っていた時に不覚にも一度だけ前車に追突しそうになりました。
空いた幹線道路を結構な速度で走っていて、登り坂を上り切って下った先に信号で前車が停止してたのに気付くのが、ちょっと考え事をしていたせいなのか、遅れたと…
前方で停止している車がぐんぐん迫ってくる中で、慌ててブレーキを踏んで…
気持ち的には間に合わないかなぁと…
んで、終わってみれば、余裕で止まれていました。
ブレーキを強く踏んだことは確かで、助手席に座っていた山の神が、シートベルトが食い込んだと騒いでいましたから。
いや、ベルトが食い込んだのではなく、自分がベルトに食い込んでいったのでしょう(笑)
と言うことで、一瞬でも注意散漫になってしまったことを反省機しつつも、時に「宇宙一」とも評されるポルシェのブレーキ、その時は戦闘機が空母に着艦するシーンを思い出したのでありました。
着艦フックがロープを引っ掛けると、後ろから髪の毛を引っ張られたような感じで停止させられると…
いや、実際に着艦したことなんて一度もないのですが、きっとこんな感じなのだろうなぁと(笑)
そして、ブレンボ製なのにキャリパーにもブレンボとは書かれておらず、踏んだら踏んだだけリニアに制動が立ち上がる信頼性の高さと、サーキットまで自走してサーキットを走って走り終えたら再び自走して帰宅できると言う優れた耐久性ゆえに、「宇宙一」などと呼ばれるようになったのだろうなぁと。
で、テスラM3のブレーキですよ。
気にしていなかったのですが、テスラの前輪ブレーキはブレンボ製の4ポッド対向キャリパーを搭載しているのですよね。
SR(スタンダードレンジ)ならまだしも、スーパーカー級のスペックを有するパフォーマンスがラインナップに含まれるわけですから、こういうブレーキも必要なんでしょうね。
でも、空冷911とテスラでは車重が違い過ぎますから、総合的な性能は…
確かに制動距離だけで見れば、特に高性能と言うよりは普通に近いのかもしれません。
ところが、テスラには強力な回生ブレーキがあります。
テスラならではのホールドモードにしておくと、アクセルペダルから足を離した瞬間に制動が立ち上がり始めて、最後は完全に停止してしまいます。
オートマのBレンジなどとは全然別モノです。
そして回生ブレーキの立ち上がり方が走行状況によって絶妙に制御されています。
生活道路を徐行している時は、アクセルペダルから足を離した瞬間にギュッ!と制動がかかり、高速道路でそれをやられたら追突事故になってしまうのでそこまではいかないものの、しっかり制動が立ち上がり、完全に停止するまで制御してくれます。
さすがに高速走行中にこんなことしたことないけど(笑)
以上はアクセルペダルから足を離しただけでこうなるのであって、さらにブレーキペダルを踏めば、ストッピングパワーはさらに高まります。
そして、アクセルからブレーキへと足を移動させるその瞬間にも回生ブレーキは機能しているので、アクセルペダルから足を離して、実際に制動が立ち上がるまでのタイムラグが実質的にゼロになると。
F-1パイロットだって、脳から出た命令が神経を伝って実際の動作に至るまでにはタイムラグがあるはずなので、全体としての制動性能はかなりハイレベルにあるのではないかと思われます。
これをダイレクト感に乏しいとかつまらないとか言う人もいるかもしれませんが、最近はフットブレーキだって油圧ではなく電動のものが多いと言いますから、ダイレクト感なんてそもそも怪しいものです。
そして、ホールドモードで走らせていると、フットブレーキはあくまで緊急用のサブとして、いかに交通の流れを予測しながらアクセルペダルを操作して回生ブレーキを無駄なく使い、なめらかに走らせることに磨きをかけようとするようになり、ポルシェを走らせているのとは次元の違う、やめられない面白さがあるのですよ。
ははは、皆さん、どうか試乗されないことをお勧めします(笑)
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Posted at
2023/09/18 13:48:01