電気自動車乗りから見る日本の充電環境について勝手に語ってみます。
相変わらず超絶長い文章なので、暇な方だけ見てください。
一応元ネタのリンクを貼りますので、さらに暇な方は一読いただくと面白いかと・・・
さてさて、日本のこれからの充電環境を見てみましょう。
充電インフラの課題解消と拡充に向けた取り組み
急速充電器網の最大手のe-mobility powerという会社の充電器の整備を進めていくという内容で、大出力の「CHAdeMO」を高速道路に設置するというお話なのですが、ココに出て来る大出力が魅力の200kW充電器
※「CHAdeMO」とは日本の急速充電器の方法です。
写真を見ると左側の機械が中々かっちょいいですが、200kWを分配する仕組みになっているためプラグが6ヶ所すべて利用された場合30kW程度しか確保できません。
30kW程度だと30分充電すると私の旧型リーフだったらざっと100kmチョット走れるでしょうか?
でも先日ブログで書いたアウディ『e-tronスポーツバック』なら68kmしか走れません、次のSAに行く分しか充電出来ませんね。
くそ重い電気自動車はず~っと充電しながら走れと言うのでしょうか?
この充電器ですが、200kWの出力があるのに利用者が1台だとしても90kWしか出力されません。
あれ~おかしいですね、今度発売される日産『アリア』の売りは130kWまで受電が可能です。
日産『アリア』発表!
なんと『アリア』の高性能な充電能力を活かせる充電器は今現在、日本には無いというのです。
新しく発表されたトヨタの『bZ4x』は150kWまで行けますが、同様です。
意外に知られていないのですが、現在販売されている電気自動車ですが「CHAdeMO」を使うと50kW程度の入力が限度の物が大半なんです。
50kW以上の受電能力があるのは日産『リーフe+』の70kW
日産リーフe+ で90kW急速充電と日帰り約750kmのロングドライブを試してみた。
とベンツ『EQA』が100kW
ベンツの電気自動車『EQA』長距離実走レポート【往路編】急速充電最大100kWの実力は?
ぐらいで残りの電気自動車はおおむね50kW程度の受電能力しかありません。
他の輸入車なんかも50kW程度しか受電能力はありません。
本国ではみんな充電器が50kWオーバーの物も沢山あります。
テスラ『モデル3』が最大250kWの充電に対応していますが、「CHAdeMO」の充電器で充電するとやはり50kW程度しか受電能力はありません。
「輸入電気自動車はなぜチャデモ最大50kW対応が多いのか?」ジャガーのご担当者に質問してみました
ココが日本の「CHAdeMO」規格の闇なんですよね、一応CHAdeMO規格は400kW超えの規格なんですけど、日本では90kW止まりです。
CHAdeMO:ウイキペディア
『アリヤ』や『bZ4x』は何で100kWオーバーまで対応しているかというと日本以外でも販売されるから海外用として対応してます。
電気自動車は充電に時間がかかるのが一般認識なんですけど、それは一般インフラの充電器の能力が低いのも一端があり、そこに目を付けて高出力の超超高速充電器を自前で整備したのが『テスラ』なんですよね。
テスラ『モデル3』なら最大250kWのスーパーチャージャーと言われる専用充電器で充電すると5分充電すると実測120km走るらしいです。
テスラ『スーパーチャージャーV3』日本初設置! 川口スーパーチャージャーで250kW超急速充電を試してきました!
みんな言いますよね「ガソリン車は5分の給油で400km走るのに同じ5分充電で同じだけ走れない電気自動車はダメだ」ってさすがにそこまで行かないですが、テスラなら5分充電で120kmなら悪くないのではないのでしょうか?
乱暴な計算ですが10分、トイレ行ってストレッチして缶コーヒー飲む時間で200〜240km走れば御の字では無いでしょうか?
テスラはもうそこまで出来てます。
しかも日本でもすでに数か所設置されていてどんどん整備されています。
ここまで高出力では無いですが、それでも120〜150kW級のスーパーチャージャーなどが全国で37カ所、今年だけで11カ所も増えました。
電気自動車に乗る人が皆「テスラは凄い」と話すのはココ迄先見の明を付けてやってるのを知ってるからなんです。
日本のしがない充電環境に業を煮やして単独メーカーで本国と同じように日本で超超高速充電器網を作ろうとしてるのは『テスラ』『ポルシェ』そして最近になって『アウディ=フォルクスワーゲングループ』が発表してきました。
10年前の『リーフ』だけの時はCHAdeMOの50kWでよかったんです。
だって24kWh程度の電池容量しかなかったんだから30分充電したら80%まで充電できましたからね。
距離は150km程度ですが80%という数字だけ見るなら悪い数字ではありません。
殆どの人は知らないでしょうが、世界で見ても日本は充電器網の整備は遅くなかったし、数も少なくありません。
まともな電気自動車が『リーフ』と「i-MiEV』しかないのによくこれだけ整備できたと思います。
言い方はアレですけどゴーン氏の置き土産みたいなもんです。
EV/PHV普及の現状について:国土交通省・経済産業省
でも50kWの基準で日本の充電網は整備されてきたんですけど、世界はもっと先に行ってるんです。
欧州ではIONITY(アイオニティ)と言われる最大350kWもある充電網がBMWやベンツなど有名メーカーが参画して立ち上がって来ました。
欧州電気自動車充電ネットワークの『IONITY』がkWhベースの新料金体系を発表
せめて前出のこれから設置する新しい充電施設は1台で使う場合は200kW占有する設計にすべきだと思います。
このままだと90kWがスタンダードになっちゃう。
乱暴な計算ですけど90kWなら5分なら43kmでしょうか、ほら全然テスラに追いつかない。
で、コレのうたい文句が”10年先を見据えた充電インフラ整備”
10年このまま行くんですか・・・
何でこんな考えになるのかと次の表を見てもらうとわかるんですが、e-mobility Powerという会社、資本のほとんどが電力会社なんです、主要自動車メーカー4社も参画してますが、資本としては1.9%(しかもたったの4億弱)しかなく車の事がわからん人が電気自動車の充電器網を作ろうとしてるんですね。
ココが日本の電気自動車を取り巻く環境の一番悪い所だと私は思ってて、車屋が車を使う事の利用状況を考えてないんじゃないでしょうか?
外国メーカは車屋が使う人の事を考えて充電網の整備をしています。
片や日本では「CHAdeMO」ですが自動車メーカーで44kW以上の高出力タイプをまともに整備しているのは日産だけ。
菅前総理が「2035年までにすべての新車を電動化する」といえばトヨタ社長がすかさず「すべて電気自動車になると大変になる」ってバラバラな事やってる時では無いんですよね。
行き当たりばったりの話だけ・・・
他にも先程の高出力タイプの充電器が増えない原因が今の課金体系が充電量では無く時間課金である事も問題で、同じ30分1500円頂けるのなら50kWhより20kWhの充電設備入れるほうが、機械代も安いし、電気代も安いのは誰だって考えること。
ちなみに欧州のIONITYは充電量課金だそうです。
賢い!
この辺りは日本でもやっと議論が進んで来てるので、期待しましょう。
電気自動車は自宅で普通充電が基本ですが、日本の住宅環境を考えたら自宅充電出来る人は多くないです。
電動化するなら電動化するでインフラ網の整備が必要ですし、今後の電気需要量の計算もきちんとしてほしい。
少なくとも日本の充電網が貧弱なんで外国メーカーが自前で充電網整備するなんてメチャクチャ日本舐められてるんですよ。
「偉い人にはそこがわからんのですよ」byジオン兵
色々言いたいことはあるんですが、今日はこの辺りで・・・
長文最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。
m(__)m