以前の投稿
「2020年あんなEV、こんなEV、日本でEVを売るには 」で書いた今後残るEVは自宅充電が基本のプレミアムEVか超近距離EVと書きましたが、なんでかと言うことを世間の外出自粛ムードで暇なので頭の中を整理しつつ書いてみました。
リーフ にせよ、コムスにせよ電気自動車は走る為に電池に蓄えた電気を使います。
特に坂を登ると電気を沢山使います
リーフなんて名阪国道の有名な最大勾配6%を誇るΩカーブを大阪側から登っていくとパチンコ台のように充電%が減っていきます。
冬場行った時は登り切った先にある道の駅の充電器に辿りついた時点で残り走行可能距離は25kmぐらいでした。
普通は登った分は大体下りの回生によって電気を回収するので、平地を走るのと余り電池の使用量は変わらないという事は良くある話なのですが、これが初めて行く道なら結構ドキドキ物です。
この先さらに登りなのか、下りなのなのか、登り切った先に充電器があればとりあえず安心しますが、先客がいれば30分の待ち、これが故障してた時は一気に詰んでしまうのが電気自動車のネガな部分として語られる所です。
これをガソリン車で考えてみましょう。
200kmしか走らないガソリン車だとタンク容量は大体15Lぐらいでしょうか、ハイブリッドなら10Lのガソリンタンクしかありません。
このガソリン車で名阪国道の勾配6%のΩカーブを登るかと言うとヤッパリ躊躇するもんです。
先程と同じ状況なら給油ランプが付いた状態で登るのと同じです。
登り切った先でガソリンスタンドが無ければ、また休みだったら同じように詰んでしまいます。
もし山深い所ならどうでしょう、このガソリン量では普通の人は多分行かないと思うのです。
言ってしまえば実質200km走る電気自動車はタンクが10〜15Lのガソリン車。
現行リーフや今度発売される「Honda e」もこのクラスです。
400kmなら20〜30Lのガソリン車
500kmなら25〜40Lのガソリン車
やっぱり普通は最低でも400km走る車を選ぶと思われます、でもこれだけ走ろうとすると最低500万近い価格の車になってしまいます。
ちなみに距離が沢山走れるメリットは急速充電器が塞がっている、故障しているが気にならなくなる点です。
リーフe+を1日借りて300kmほど走りましたが心の余裕が全然違います。
1日の走行距離がカバーできるのは勿論、旅行先で充電器が塞がっていても、空いてる所で、空いた時間で入れれば気になりません。
最近はSA、道の駅だけでは無く、観光地や宿泊施設にも充電設備が増えて来ました。
観光する時間を過ごすだけで充電できます。
チョット強引ですがアルト(27Lタンク)と同じガソリンタンク容量で500万というのは普通の感覚で考えたらありえない。
何かプレミアムな事が必要です。
電気自動車なら静かでスムーズ、トルクフルな乗り味でしょうか。
この高価格帯だとリーフe+、モデル3(スタンダードレンジ)、eゴルフなどです。
普通の庶民的な車扱いでもこの値段。
でもハッキリ言ってファーストカーで困らないのはこのクラスからです。
次の価格帯は走行距離も伸びますが1000万〜ここまで来るともう金に糸目付けないこだわりのある層しか見向きもしないので、もう「どうぞ」の世界です。
ジャガー•I-PACE、モデルS、モデルX、ベンツEQC、ポルシェ•タイカンがこのクラス
この購入者層は自宅に充電設備があり、外出先で充電コストが多少高くても気になりません。
一般的に言われる電気自動車のメリットはランニングコスト、リーフで3円/km(47km/L)、コムスなら2円/km(70km/L)
でも500万以上の電気自動車を買う人にランニングコストといっても余り響く事もなく、1000万オーバーを買う人なら言わずもがなです。
やっぱりプレミアムな何かが必要です。
それはブランドだったり、ガソリン車を超える圧倒的なパフォーマンスや自動運転だったりですね。
プラットフォームが2010年のリーフはここが弱い所です。
又、エコなイメージの電気自動車ですが全て効率が良いわけでは無いんです。
最近の大型EVは電費が物凄く悪く、実測で小型のリーフなら7km/kWhぐらいでも大型のモデルXやI-PACE何て4〜5km/kWhぐらいなので90kWhの電池でも400kmしか走れません。
距離を伸ばすには沢山電池を積む=重たくなる=電費が悪くなる&価格が高くなるの悪循環に陥ってる部分でもあります。
でも価格が高いからもっとプレミアムな所で勝負出来るんです。
このクラスではパフォーマンスを語っても経済性を語る事はありません。
ところでコムスはと言うと2Lしかガソリンの入らない原付です。
そう思うと一般の人は「えっそんだけしか入らないの?」と、
でもガソリン換算の燃費は65km/L以上、走行距離は50kmぐらいしか走りませんが、1日の走行距離が間に合えば毎日使用後に充電すれば気になりません。
コムスは小さく軽いためとても電費が良く、10〜11km/kWhぐらい行きます。
普通の電気自動車乗りの方から見ればこんなん見たことない数値です。
リーフなら延々坂を下って始めて見る数値でもコムスは普通に叩き出します。
それにコムスはかろうじて100万を切る価格で維持費も激安。
こう考えたらコムスはコスパ高いんです。
エコロジーでエコノミー
ここが超近距離、簡易型EVが生き残る部分です。
今後革新的な技術革新がない限り売れるならバッテリー大容量のプレムアムEV、近距離ならコスパ高い超近距離EV
こんな所かと思います。