今年は足回りを色々調整したけども、なんでこうしたんだっけ?を忘れないうちに書き出しておく。
というか、ツインスプリング化までの前段が長すぎる件^^;
専門のショップに任せればそういうノウハウがあって、さくっと一発で決まるかもしれないけども「素人が試行錯誤するのはこういうこと」という事で。
ついでにツインスプリング化の自分自身のなりの理解も軽く書いておこうと思います。
■経緯
大雑把な流れ
1. 蘇武さんのプライベートレッスンを受けた際のアライメントに関するアドバイス(フロントキャンバー増加)
当時、約3°ほどキャンバーがついていたが、更にフロントキャンバーを増して4°半~5°ほど欲しい。という意見を伺う。
それまで自車はフロントワイドフェンダー入ってるし、3°あればいいっしょ!と思っていたけども、TC2000で1分3秒台に入れる事を最優先に考え アライメントに関して素直に従う決意を決めた。
しかし、既にアッパーはギチギチ。めいっぱい倒してる状態。
どうしたらフロントキャンバーを増加出来るか?調べることに。
2. フロントキャンバーを今以上(3°)つける為に方法を調査
FD2はストラットなので、足回りでキャンバーを付けるとしたら2通り。
・アッパーで寝かす
→ENDLESS社では異なるアッパーなどのラインアップなし。
他車製品(アッパー)流用も出来そうではあったが現在の車高とアッパー変更でキャンバーが付く可能性が限りなく低い。という事がわかったのでアッパー変更案は辞めた。
アッパーで足回りを寝かす場合はサスペンションとタイヤホイールのクリアランスは変わらないので心配ない感じ。
・ロアブラケット(キャンバーボルト)で寝かす
→それまでキャンバーボルト側はほぼ手を付けてなかったのでココに着目。
ただし、キャンバーボルトで寝かす際にはロアブラケットとナックルの位置が変わる事で、足回りとタイヤホイールの干渉に気を付けなければいけない。
ロアブラケットには片側につき上下2本、左右合計で4本のボルトで締結とという事で、自分は上部に純正のキャンバー(サービスボルト)ボルトを入れ、下部に社外品の偏芯キャンバーボルトを取り付ける事に。
そこで組み直し+装着、そして着地させた際に毎回タイヤハウスにスマホを入れこみクリアランスチェック。いくつか異なるインセットのホイール、太さの若干異なるタイヤが手元にあるけども、ひとまず5mm以上の隙間を確保出来ていたので これで良し。とする事に。
自分の場合、社外ワイドフェンダー(片側20mm)を入れている事で元からオフセットが浅いホイールをチョイスしていた事が幸いし、今までは7インチスプリングでも困る事がほぼ無かった。でも以前に9J+50のホイールに255か265組んだ時かな?干渉した事がある。もう4年以上前の事なので詳細は忘れてしまった。
3. 一筋縄でいかない部分の改善(7→6インチ化)
スプリングの全長が長く、キャンバーボルトを用いてタイヤを寝かせた際に今のホイールだと足回りとタイヤが干渉する可能性が高いと考え、まずは現状の直巻スプリングの全長を1インチ縮めた6インチ化を狙った。
6インチ化自体は何ら問題なかった。しかし1つ問題が起きた。
4. 6インチ化したらスプリングの全長とショックの全長が合わない
おおよそ1インチ分(25mm)縮められると思っていたけども、よく見たら22mmほどしかロックシートをあげる事が出来ず、3mmほど全長分を稼げなかった。
その隙間を補完すべく、スプリングの上下に挟んで使うスラストベアリングを購入、サスペンション1本に対して上下2枚挟む事で約11mmほどの隙間を補完する事を想定していたが、ロックシートとスラストベアリングの相性が悪く、物理的な干渉により、スラストベアリングの取付は失敗、不採用に終わる。
仕方なくそれまで掛けていたプリを諦め ロアブラケット側で全長調整し、試走したしかし、初期の応答性がだるい?というか、それまでの足の動き(フィーリング)が変わり気に入らず。今後の事を考え、スプリングを変更する事に。
5. 更にスプリングをショート化(6→5インチ)、全長を補う為にツインスプリング化。
流石に6インチスプリングのままツインスプリング化すると全長が7インチ時と同じかそれ以上になってしまうという事もあり、メインスプリングのショート化(6→5インチ)して、ツインスプリング化することに。一時的にID60のSwiftスプリングを全長違いで3セット持ってたけども、不要なスプリングは順次処分済み。
ヘルパースプリングはID60のSwiftでレートは3kgをチョイス。
6. レートはどうやって選んだか?
Swift社の場合は選択できる6つほど。
ID60の汎用品の場合、1.5kg、3.0kg、0.8kgと4.0kg、5.0kg、6.0kg
ツインスプリング化した際の合成レートを計算式(合成ばね定数の早見表は
こちら)で求めた。自分の場合メインスプリングが16kgで1.5kgだと全体的にレートが低すぎるのではないだろうか?と心配に。
かと言って4.0-6.0kgの場合は密着長が30mmあり、0.8-3.0kgスプリングに比べて密着長が8mmほど厚い。せっかくメインスプリングをショート化してもまたロックシートが下がり過ぎないか?とか、全体的なバランスを考慮して密着長22mmの3.0kgを選んだ。
※ HKS社などの吊るし車高調でツインスプリングが組まれている製品のスプリングレートバランスが気になったけども、基本的にメインスプリングのレート(14kg)しか書いてない事が多く、ツインスプリングに関する情報やセットアップに関して ほぼほぼ参考にならなかった。ヘルパースプリングの見た目的には2kg以下のスプリングレートかな?という感じ。
メインスプリングと同じSwift社のラインアップの中から自由長60mm(=最大時の長さ)と密着長22mm(=潰れた時の長さ)とスペーサー分の長さ(=実測3mm)を考慮。
これは後から気が付いたのだけど、Swift社の場合は密着長+スペーサーが約25mmで、潰れた際の全長が1インチ分の長さだ。と。
■参考
メインスプリング6インチ(ヘルパースプリング無し):152mm
メインスプリング5インチ(127mm)+ヘルパースプリング3kg(密着長22mm)+スペーサー(3mm)=152mm
※ ただしこれはヘルパースプリングが完全に潰れている際の全長の話。自由長(=何もしてない時の長さ)は60mmで、60-22=38mm分の全作動長があり、何もせずに直列に置いた時には127+60+3=190mmの長さとなる。
あれ?7インチスプリングより長くない?と思ったそこの貴方、正解です。笑
メインスプリングは潰さず使うもの。
ヘルパースプリングは潰して使うもの。
ここがキモですね。
それを考慮してメインスプリングの長さやヘルパースプリングへのテンション(=プリロード)を含めて全長(=車高)を調整しないと!という訳です。頭の中で組み込んだ際の全長などをイメージしながら部材を選定したつもりでしたが「あれ、やっちまった?」(間違えた?)と思いましたが、全長は大丈夫でした。ただレートを考えると可動範囲が大きくなることは当然なので多少車高の前後バランス調整は必要になるということ。
7. ツインスプリング化に伴い、ショックアブソーバーはどうしたら?
ここは悩んだポイントの1つだったけども、今回は特に何も手を加えていません。
ショックを全バラしてストローク量を確認した際に 自分の車高調のロッドは約70mmほど全長が縮む事を事前に確認していたので、1G(=着地時)に足が35-40mmほど縮んでいる状態ならば、バンプ/リバンプストローク量としては相応の範囲内だな?と思っていたので、実走時に気になる事があれば改めて手を入れよう。と思ったくらいでしたが、2枠走らせて特段不満がないので現状は何も手を入れる予定はありません。
8. 組み直し、セッティング
という訳で色々な方向に脱線しましたが、行った事をまとめるとこんな感じ
・スプリング全長変更(7→5インチ化)
・ツインスプリング化(3kg)
・(車高調の)ロックシート&全長調整
・キャンバーボルトでキャンバー追加(ホイール/タイヤ寝かせ&クリアランスチェック)
・ショックはノータッチ(O/Hなし)
・実走チェック
キャンバー稼げた事と今までと同じレートや車高(=前後バランス)を維持出来たようで、試走して、走らせにくい?動かしにくい?と感じる事はありませんでした。
■ツインスプリング化ってどーなのよ?
そもそも、なんで異なるレートのスプリングを2つ付けるの?ただのお荷物じゃないの?という気持ちが強かったので、それぞれ自分なりの理解とメリット/デメリットはこんな感じかな?という所を書いてみる。
〇メリット
・メインスプリングをハイレート化した際もストローク量を確保できる
→足回り動く事大事。特に伸び側。浮いてたら早く走れない!
・乗り心地の向上感
→基本的には硬いけどもドカーンという痛さはなく、初期の動きに”しなやかさ”が出てくれてる感じ。
〇デメリット
・多少の重量増加
→ずっとこれを気にしてたけど自分の場合スプリングを2インチショート化したので、実質重量増無し。むしろ減ったかも?
・部材導入コスト(作業費含む)
→見た目の割に結構いいお値段する。でも入れてもいいと思う。
作業費はお店に任せたらそれなりにすると思うけど、自分でやればタダ!笑
当然セッティングにはトライ&エラーで時間がかかるけども、そこは自分自身調整して楽しんだ方がいいかな、と。
〇今まで理解してなかったコト
スプリングのスペックシートを眺めていてこんな事に気が付いた。
・スプリングって同じメーカーのレートでも長さやが異なると作動長や最大許容荷重が変わる
・当然、ID(=直径)が変わった際も最大作動長や最大許容荷重は変わる
・スプリング製造メーカーによってレートが同じでも作動長や許容荷重や特性は異なる
〇ツインスプリング化でバンプ/リバンプストロークを確保する
それってどういう事?って考えると、サーキットで縁石踏むような唐突な入力の際に車両が跳ね、足回りが地面から離れて着地する間に「どれだけ足が伸びるか」とか「着地時の反力がどのくらいあるか」っていう事だと思う。
メインのスプリングレートが高すぎると「作動長が短い」(=浮いた時に足の伸び幅が短い)、「許容荷重が小さい」(=通常時の荷重や加速減速横G含めた圧縮荷重に対するキャパが小さい)、車重が軽い車両の場合足回りを動かし切れない。という部分を補うのが名前の通り「ヘルパースプリング」かな?と。
車高低にして走ってる人で、段差で足が伸びずに亀ってるシーンがあると思うけども、あれが起きる原因は何?っていうのを自分の理解で箇条書きするとこんな感じ。
・車高下げたい。
・(足回り)スプリングショート化
・ストロークするとボディに干渉しちゃう
・(干渉しないようにするために)スプリングレートを上げる
・(でもレート上げたり短くすると)スプリングの作動長が短くなる
・結果、車自身は車高短になったとしても作動長が短くなりすぎてしまい、段差乗り越え時に足が伸びずに浮いてしまう。
→それを補いたい!という時に使えるのがヘルパースプリングだと思う。
もちろん厳密にいえば、スプリングだけじゃなくショックアブソーバーのストローク量(ポイント)も関わってくるので、スプリングだけで解決できる事ではないと思うけども、それぞれどこを最大/最小値として捉えて、セットアップするのか。で決まる気がする。
という訳で端的に言えば「ツインスプリングが偉い」とか「ツインスプリングにしないのは勿体ない」とか、そういう事は一切なくて、自分の車のセッティングをしていく上で「必要に応じて入れればいい」という事だと理解しています。今まで自分も全く入れてなかったし、必要とも思ってなかったくらいのレベルです。
※ ネットで色々な記事を見たりYouTubeを見たり、人から聞いたり、素人なりの理解なので間違ってる事もあるかと思います。間違ってる部分がありましたら、こそっと優しく教えてください。w