2023年04月17日
テストドライバー
あるメーカーのテストをしていた人が「トヨタがああなのは、テストドライバーが上手過ぎるから」と言っていました。
曰く、あまりに運転が上手いからどんな車でも数値内に収められれば合格になる。過度特性云々の前に、そうなるから、ああいう味になっている。とのこと。
さらにそれ以前に、操縦安定性やステアリングフィールなどの感覚検査以上に重要な優先事項があって、そっちが査定の上にあるから、ああなる、とも言っていました。まぁ、解らんですが、何となく解る部分もあります。
フェラーリの操舵力は軽めというのも、Mシューマッハが軽い方が良い、と直言したからだ、なんて話もあります。彼はレースにおいて、フィーリングよりも軽い方が良いと思っていたらしいのですが、これが嘘かホントかは別にして、メーカーが頼る人物の好みが反映されて個性の一部になっているケースもあります。
トヨタの場合、あまりにも全方位的にうまいテストドライバーが個性を無くしたのか解りませんが、確かにステアリングフィールをはじめとした過度特性を褒められることはメディア・個人ともにあまりなかった気もします。
フェラーリは、、、実際問題プロダクトに対する正当な、、、ある種の杓子定規的な評価ってあまり見た事が無いですね。たまに個人で、色々な車に乗り慣れた人が冷静な判断をしているケースがあるので、ああ、多分これがある種の正解かもしれない、と思う事は結構あります。まぁ、エキゾチッククラスなんで、何しても許される気がします、、、、福山雅治が下ネタ言って許されるのと、ボクが同じこと言ったら即座に逮捕される不条理さに近い。
いずれにせよ、テストドライバーの趣向は製品化された時に相当影響を与えているのは間違いないと思います。
ちなみに、自分はどれに乗ってもまぁこんなもんだろ、、、と操作を相手に合わせるのは割と特異な方だと自認していますが、これも良いんだか悪いんだか、、、だから特定の好きなメーカーが現れないのかもしれません。こういう人は絶対テストドライバー無理なんだそうです。言われても治せないらしいです。逆に、極端な好みとか、ここ許せない、とかはプラスになる可能性があるようです。これも多分メーカーによる判断がある気がします。
そうそう、、、但し書きを無しに、自分の判断基準だけで断罪しているのはメディア・個人ともに嫌いですね。
例えば、プリウスを主題に取るとします。
プリウスはどんな車でしょうか?年齢層も性別も車種キャリアも限りなく広い対象が広がる車です。それをトヨタのコスト基準と内規に照らし合わせて作られた車です。挙句、エコで、しかもTNGA採用以後は相応のハシリの絶対性能値も求められる非常に厳しい製品です。
それに対して、やれCVTの付きが悪いとか、ステアリングにダイレクト感がないとか、エンジン音がダサいとか、そんな事を書いてあるのを見ると、一体あんた何と比べてるんだ、、、と思ったりもします。それってフェラーリF40にうるさい、乗り心地悪い、燃費悪いっていうのと同じですよ、笑。
そもそも論、そんな大上段から判断を下せるほど、キャリアを積んできた人間なんて早々いないでしょうに、、、メーカーの人間が、メディアでも個人ても、見て反省しなきゃならない評価と、そうでないモノは分かれると言っている事が多いのですが、そこは同感です。個人的には個人のブログとはいえ、何となくですが不条理さというか、作った人がむやみにイラっとする文章は書きたくないのです。
不条理な判断の基準は人それぞれですが、ボクの場合は価格・ターゲット層・メーカーの主張を加味した上で身勝手なテストをしているつもりです。仮に、プリウスがはっきりとxxx社のxxxxを倒しに来ている、とでもいえば、それと比べてどうなの?とは思いますけどね。
ただ、例えば、、、基本的に運転が未熟な割合が多いとか、運転が不得意な人が割合として多いであろう車が、例えば一旦スピン挙動になるとコンピューターの制御が入っても難しいとか、さらにそのスピン挙動が割と低い次元で起こるとか、そういうモノに対しては、ボクははっきりとメーカーに嫌悪感丸出しですし、嫌いなクルマとはっきり言います。
まぁ、、、これはボクの考えであって、押しつけでも何でもないんですが、そういう嫌いなクルマを体感すると、テストドライバーっていたのかなぁ・・・とか思います。命に係わる部分などはシビアに考えたいです。
個人的には、車に携わるにしても、テストドライバーはしたくないなぁ、とか思います。メーカーにも寄りますけどね、笑。
蛇足1
それでも、いい塩梅が多い!と思うのはメルセデスです。
メーカーの序列的には上の方にあり、価格も高いとはいえ、世界から支持を多く集めているだけあって、ターゲット層や帰納顧客の種別も多々あるメーカーですから、言ってみればトヨタに近い判断基準とテスト評価をするであろうメーカーだと思っていますが、正直トヨタが今一歩頑張って欲しいと思うのは、メルセデスの存在は大きいです。
というのも、エキスパートドライバーからビギナーまで、だれが運転しても大丈夫な性能と、さらに凄いのは味付けまで基本として誰もが納得できるものが、ここから出るクルマには多いからです。
微妙にダルな部分と、そこからしばらくのさすがだな・・・と思える味わい深い奥行きある部分、最終的なシビアな部分はCPU依存度高めとして人間を信じないものとしながらもきちんと対処は出来るようにしてある部分、、、これが優れたレベルで実現されているのは凄いと思います。
まぁ、、、ここ最近ではBMWなどもそっちに来ていますし(台数勝負が如実になったあたりから、そうなった気がします。過去のBMWはBMWらしく今思えば少数販売でしのいでいたのかも)、この考え方はVW以上にメルセデスの王者らしいものを感じます。
蛇足2
ポルシェも凄いです。ただ、ここは年産台数がメルセデスと桁が違って少ないので、明らかにターゲットを絞っていて、ある部分を捨てています。
そのある部分は車種により違いますが、たまにGT3などは明らかに、そして相当シビアに素人の素質に嫌悪まるだしな時がある気がします。ただ、そういう人は持っていてたまに動かすだけで幸せだったりするので、何ともポルシェは凄いメーカーだなぁ、、、と思います。
そういう意味ではテストドライバーが世界で一番強かなのはポルシェな気もします。
蛇足3
そこ行くと、新興メーカーはまだまだ難しい。
誤解を恐れず言えば、テスラなどはそれらと比べては赤ちゃんレベルだと個人的には感じます。だって、過度特性とか全然、、、そもそもそういうモノを何とかする意思さえ感じません。ある種の確信犯。
ただ、アライメントなどの適正値などは、日本の販売店はどこも適当で、それこそポルシェにしてもミツワ時代に、三台911持ってきたらちゃんと納車整備しているはずなのにみんなアライメントばらばらって話を聞いたことがあります。それを問いただしたら「911は個体それぞれ個性があるのでそうなっている」とかセールスが言ったとか言わないとか。
新興メーカーの場合、単純に見識の積み重ねが無いから出来ないケースと、そうでもなくて「所詮ユーザーなんてそんなもんさ」と、それこそポルシェの確信犯的納車整備(今はそんな事ないでしょうけど)を横目にして見切っているケースと、二つある気がします。
見切らなければコストに跳ね返り販売価格が上がるかも知れないし、見切れば安く売れてユーザーは喜ぶかも知れない。何につけ、操縦や加速だけでない、室内の質感や触感匂い、全てにおいての「過度特性」はメーカーごとの判断でどこを取るか完璧に違いますね。
蛇足4
ではすべての過度特性を兼ね備えたメーカーは?というと、、、
個人的にはレクサスは頑張っていると思います。あまり玄人受けはしていませんでしたが、個人的には見た目いざ知らず先代LSの後期型は相当にちゃんとしている風に感じました。
ただ、あと5%なのか10%なのか、、、メルセデスと比べるわけでもない、個人的なメートル原器において、あと少し何かが足りない。。。ちなみに、他はダメかなぁ、、、まぁまぁ走れちゃうんだけど、、、
今はISにしても何にしても相当頑張っているので、とりあえずドアヒンジをキャスト製にしてもらいたいです、笑。そういう部分が細かい差で過度特性を演出するとボクは思っています。
で、他を上げるとすると、、、レンジローバーやジャガーXJ辺りはタタコントロールで相当いい感じに仕上げてきていたと思います。キャデラックにしてもCT6などはそうかと思います。ポルシェはずっと書いている通りです。BMWアルピナ入れたいとこですが、、、ここはまたちょっと別格というか、、、通常のBMWは正直苦しいモデル多い気がします。
フェラーリなどのエキゾチッククラスは、多分この概念は要らない気がしちゃいんすね。ここを無視する資格と素質を感じます、笑。
うーん、、、マンダム、、、って一言で処理できる手の届く範囲の車、いないかしら。
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Posted at
2023/04/18 00:05:48
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