
車載速度計の許容誤差については、いろいろな情報が錯綜しているようです。
以前、トヨタのお客様相談センターに質問したところ、「法規により“メーター指示値は実車速よりも大きいこと”と規定されており、実車速からプラスの誤差で補正し、計算した値を表示しております。なお、スピードメーターの車速のプラスの誤差は実車速÷10+4で、算出いたします。」との回答をいただきました。(->
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一方、速度計の表示が実車速を下回っていても車検に通る、という話しもあります。
頭が混乱したので、国土交通省のホームページを調べてみたところ、速度計の精度については2種類の基準があるようです。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2007.03.28】〈第二節〉第148 条(速度計等)
長いので、以下「保安基準」と呼びます。これによると、平成19年1月1日以降に製造された自動車では、車載速度計の表示(V1)が40km/hの時、実車速(V2)が次の範囲にある必要があります(正確にはV2は「試験機によって測定した速度」ですが、わかりやすく実車速とします)。
10 (V1 - 6)/11 ≦ V2 ≦(100/94) V1
車検時には、これ(保安基準)に適合しているかチェックしているのだと思います。
車載速度計の表示と実車速の関係を表にすると下のようになります。速度計の誤差は、-6%(実車速より低く表示)から+29%(実車速より高く表示)の間にあれば適合です。3割近い誤差があっても合格って、すごいですね。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2006.08.25】別添88(速度計の技術基準)
以下「技術基準」と呼びます。純正タイヤの空気圧を一定(規定圧+20kPa)に合わせ、一定温度範囲(18-28℃)、非搭載状態で測定を行います。試験速度40km/h、80km/h、120km/hにおいて、車載速度計の表示(V1)の実車速(V2)に対する誤差は次の範囲にある必要があります。
0 ≦ V1 - V2 ≦ V2/10 + 4
トヨタお客様相談センターのいう法規というのは技術基準のことだと思われます。
この式の関係を表にすると、下のようになります。速度計の誤差は、0%(実車速を正しく表示)から+13%~+20%(実車速より高く表示)の間にあれば適合です。
保安基準では速度計の表示が実車速を下回っても良く、技術基準では速度計の表示は常に実車速以上でなければなりません。全体に、技術基準の方が保安基準より厳しくなっています。
ここからはMUKEの推測ですが、
技術基準は自動車メーカーが製造する時の基準であり、
保安基準は整備工場が車検を行う時の基準ではないでしょうか。
そうだとすると、
速度計の表示は新車時には常に実車速より高めだが、車検時には(経年変化やタイヤ交換などにより)実車速より多少低くてもOK、ということになります。
何となくツジツマがあったような気がしますが、素人が考えることですので、間違っているかもしれません。詳しい方がおられたら、訂正していただけたらと思います。
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Posted at
2015/01/15 21:55:33