
自動車事故対策機構(NASVA)が、対歩行者自動ブレーキの性能評価を発表しましたね。
この他にも、対車両自動ブレーキ、車線はみ出し警報、バックビューモニターの評価をしていますが、ほとんどの車種が満点を取ってしまい、差はついていません。
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NASVAホームページ)
対象は、5メーカーの11車種で、スバルはアイサイトver. 3、トヨタはTOYOTA SAFETY SENSE P、マツダはi-ACTIVESENSE、ホンダはホンダセンシング、スズキはデュアルカメラブレーキサポートを搭載しています
対歩行者自動ブレーキの得点順に並べてみました。
マツダは自動ブレーキで出遅れているという印象が何となくあったので、アクセラがトップというのはちょっとビックリ(?)です。アイサイトver. 3はさすがの高得点といったところでしょうが、それより上とは。ホンダはちょっと水をあけられています。今回はニッサンの車種がなかったので、プロパイロットの実力も見てみたかったですね。
点数は、歩行者ダミーが5 km/hで進路の左側から出てきた時のブレーキの作動、警報の作動を項目別に評価し、それぞれの得点を合計したものです。どこで差がついたのか、項目ごとに表にしてみました。
CPNというのは遮蔽物がない場合、CPNOというのは道路の左側に駐車した車の陰から歩行者が出てくる場合です。
トヨタセーフティセンスについては、CPN(遮蔽物なし)はそこそこの得点ですが、CPNO(遮蔽物あり)が弱い感じがします。左側の遮蔽物によって、ミリ波レーダーが影響されてしまうのでしょうか。ホンダセンシングは、CPNO(遮蔽物あり)の試験を実施していませんが、遮蔽物がなくても得点が低いことがわかります。
さらに資料をダウンロードして、詳しく見てみました。(->
資料)
初速を変えて、停止したかどうかを比較した表です。当然ながら、初速が高いほど止まりにくくなります。
また、歩行者の速度が速い場合(8 km/h)や、歩行者の身長が低い場合(115 cm)についても試験しています。
今後は、止まるべきでない時にブレーキがかかってしまう可能性もテストした方が良いかもしれません(どんな方法が良いか、わかりませんが)。
個々の車種に対するMUKEの感想を書いておきます(あくまでも、個人的なものです)。
アクセラ:現段階では非常に高性能。
フォレスター:非常に高性能だが、遮蔽物があるとやや性能が落ちる
インプレッサ:遮蔽物の有無にかかわらず、高性能
レヴォーグ:高性能だが、遮蔽物がある場合の性能が今一つ
プリウス:遮蔽物の有無にかかわらず、かなり高性能
レガシィ:高性能だが、遮蔽物があるとやや性能が落ちる
RX:高性能だが、遮蔽物があるとやや性能が落ちる
GS:遮蔽物の有無にかかわらず高性能
クラウン:遮蔽物がない時は良いが、遮蔽物がある場合の性能は不満
イグニス:遮蔽物がなければまずまず(しかし10 km/hでなぜ止まらない?)
フリード:決まった速度域でしか止まらず、かなり不満
同じ条件下でも、停止したりしなかったりすることがあるのですね。
そう考えると、自動ブレーキは、まだまだ確実に動作するという段階にはないように思います。
今後の進化が見ものです。
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Posted at
2016/12/02 18:20:53