
前回からの続きで、シリンダーヘッドの分解&組み付けです。
まずはヘッドを下ろして、内部の状況を確認。
シリンダーの中から出てきたバルブは、ピストンに突き上げられて曲がった状態でした。
ピストンの頭には、バルブを突いたときに当たったであろう傷が残ってます。

しかし被害はピストンの上面だけで、シリンダーの内径には目立った傷は無し。
クランクを回してみると、動きも問題なさそう。
これは不幸中の幸いで、腰下は無事と判断しました。
他のシリンダーも含めて、クロスハッチもまだ残っており、走行距離のわりにエンジンは良い状態に見えます。
バルブには、カーボンがこってりと堆積してますね。
特にインテーク側のバルブが酷かった。
さて、どうするか。
ヘッドのほうは、バルブガイドが歪んでるからそのままでは使えません。
このガイドの打ち換えは、さすがに内燃機屋さんに依頼しないとできない。
限られた時間で復旧させねばならない状況で、ヘッドの面研や、バルブの洗浄、すり合わせなどの工数も考慮したうえで、今回はヘッドにバルブが組まれた状態のASSY品を購入することにしました。

社外品になりますが、意外と安くて4万円ほどで個人輸入で調達できました。
品質的に一抹の不安もあるけど、とりあえずこのヘッドを組んで路上復帰を目指します。
インジェクターは軽く固着してたぐらいで、プライヤーで掴んでグリグリやりながら引っ張ったら抜けました。
グロープラグも外します。
せっかくなので、先端のノズルをキャブクリーナーで洗浄しておきます。
残念だったのは、2番シリンダーのインジェクターノズルが変形していたこと。
直噴エンジンなのでインジェクターが燃焼室側に飛び出した形になっていて、バルブが当たってしまったようです。
右側が潰れたノズル。
仕方が無いので、BOSCH製のOEM品を手配しました。
最近のコモンレールなインジェクターに比べれば、まだ部品が安いが救いでしたね。
ブロックのほうは、残ったガスケットをきれいに剥がす。
オイルストーンでひたすら磨いて面研します。
ここが一番面倒で時間かかったけど、漏れの原因にもなるので念入りにやっときます。

位置決めのロールピンが2ヵ所あって面研するのに邪魔なので、一旦抜いてやりました。
ヘッドボルトはトルク管理がシビアやから、ブロック側のねじ穴をしっかり清掃しておく。
ピストンの頭にもカーボンが付いてたので磨いておいた。
傷跡が残った2番のピストンも、できるだけきれいに磨いて誤魔化しておくことに。
若干のボアアップにもなったかな(笑)
新しいヘッドに、スタッドボルト等を組み付け。
インジェクターとグロープラグを組む。
グローは買い置きのやつがあったから、新品に交換しました。
ヘッドガスケットは、REINZ製のOEM品で。
ちなみにガスケットは厚さが3種類あって、赤矢印のとこの穴の数で識別します。
自分のは2つ穴で中央ランクのガスケットがもともと付いてたので、同じものを購入しました。
ブロックにガスケットを合わせて。
ヘッドを載せて、ボルトを規定のトルクと角度で、順番に締めていく。
40Nm+60°+60°
中央寄りの長いボルトはさらに20°締め。
エアクリのステーが共締めになってるところがあるので、先に入れるのを忘れないように。
プッシュロッドやロッカーシャフトを組み戻して、バルブクリアランスを調整。
マニホールドなども元通りに組んでいきます。
エンジンオイルは、ヘッドを外した際にクーラントが少し入ってしまってるので、全抜きして交換しました。
各部にオイルが行き渡るように垂らしておきます。
全て完了して、いよいよエンジン始動で緊張の一瞬。
燃料配管にエア噛みしているせいでちょい長めのクランキングの後、無事に始動しました!
とゆうわけで、バルブスプリング折損からのバルブクラッシュでしたが、ヘッドASSYの交換で無事に復活できました。
いやー、良かった良かった♪
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ディフェンダー | 日記
Posted at
2020/12/18 02:41:12