先週末、ヤリスハイブリッドを借りて300kmほど走ってみました。
意外ですが、ヤリスHVはただの燃費スペシャルではない、かなり良く出来た車だと感じました。
走り
まず驚いたのは、その走り。
普通に走っている時は、信号待ちからのリスタートが静かで力強いなぁ、というハイブリッド車としてはよく有るイメージでした。
が、アクセルをグググッ!と踏み込むとスムーズに回転が上がり、その回転上昇に合わせてトルクとパワーが湧き出します。その際、3気筒エンジンの音や振動は最小限に抑えられており、嫌な印象は全くありません。
踏み込むのが気持ち良いと言っても過言ではありません(感じ方は人それぞれなので過信は禁物です(笑))。
エンジン(91ps、12.2kgm)とモーター(80ps、14.4kgm)の制御がこれまでのトヨタHVとは異なる様で、踏み込めば遅れなく反応して力強く速度を上げていきます。
凄く速いという訳ではありませんが、リニアな加速はスポーツカーの様でなかなか気持ち良いのです。
こんなにスポーティな車だとは思いませんでした。乗ってみれば、これまでのハイブリッド車のイメージが覆ると思います。
ただし、足は固めで筋肉質な割に、何となくエコな感じもあるので、タイヤを変えればその辺りはよりスッキリするかもしれません。
ボディ
その走りを支えるボディはガッチリ、しっかりしており、安心感がとても高いです。
そのため、高速道路でもお山でも、安心して踏み込むことが出来ます。GRヤリスじゃなくても、かなりスポーツ出来るんじゃないでしょうか(と書きましたが、山道のコーナーを攻めたりはしてません。あくまで想像てす)。
シート
高い安心感の背景には、シートの良さも貢献していると感じます。
シートのフィット感は人それぞれでしょう。が、ワタシには背もたれのカーブが絶妙で10時間以上乗り続けても、腰は全く痛みませんでした。
また、座面高を調整範囲の何処にセットしても、それなりにフィットします。
最も低い位置で1.5時間程経過した頃から尻に痛みを感じましたが、その後は座面をある程度上げる事で尻痛を解消できました。
(✤やっぱりシートはこうじゃなきゃいけません。どう調整しても我慢を強いられる様では、常用はできませんね。)
室内
レンタカーなので、グレードは1番下のXですが、質感を含めてこれで十分てす。1日乗って走ってもほとんど不満はありません。
上のグレードと直接比較すれば、何か感じるのかもしれませんが、比べなければノープロブレムてす。
逆に、Xグレードの場合、メーターがアナログて見易い等のメリットもあります。
室内について数少ない欠点をあげると、
①スマホやサングラスは置けましたが、ティッシュBOXを置くスペースがありません。常用する車としてはちょっとちょっとでしょう。
②10時間ドライブの終りの方で、アームレストが有るといいのにと思いました。まぁ無くても大丈夫ではありますが。
快適性
グレードにより差があるのか分かりませんが、もう少し遮音を効かせたいですね。煩いとは言いませんが、新型ノートe-power等に比べると、静粛性は劣ります。
古い舗装、荒れた舗装を通過すると、ロードノイズが車内に轟々と響き渡ります。
乗り心地は悪いとは言いませんが、決して良いとも言えません。不整路面では、結構ゴツゴツとした乗り心地になるので、ドライバーはよくても、高齢者を乗せるのは躊躇うかもしれません。
利便性
①USBの充電端子が1個しかありません。スマホをナビ用に繋ぐと、充電用が無くなります。
最近は、軽自動車でも3個くらい付いていたりするので、増やした方が良いですね(上位グレードには付いていますね)。
②ディスプレイオーディオがデフォルトで装備されています。
1日限りのレンタカーですし、使い方も分からないので、ナビはスマホで代用しました。
損した気分です(笑)。
積載性
後席
177cmのワタシがポジションを作ったあとでも、後席には十分座れます。
ただ、前席はハイバックシートで、眼前に高く聳え立っているので、長時間座っていると閉塞感を覚えるかもしれません。
また、Bピラーの位置が悪いのか、後席へ乗り込む時に足が引っかかりそうで気を遣います。まぁ、要するに狭いのです。
ラゲッジスペース
コンパクトカーとしてはこんなモノでしょうか。
セーフティデバイス
車が少ない一般道で試してみました。
①センターを維持する能力はそれほど高くは無いようです。本来、高速道路やバイパスでの運用を前提にしているので、仕方がないかもしれません。
②ACCは30km/h未満で解除されます。
これは非常に残念で面倒です。高速道路に限らず、渋滞時にも有用な機能なので、他メーカーの様に0km/hまで使えると良いと思います。30kmh未満からの再加速は無理でも、少なくともブレーキだけは効かせて欲しいものです(この5月のマイナーチェンジで、0km/hから対応するように変更されましたが、電動パーキングブレーキは採用されていない様です)。
燃費
常用している信州ルートを基本に、遠回りの山岳ルートを加えました。
燃費一辺倒のエコランではなく、キツい上り坂で何度かベタ踏みして登坂力を試したり、高速での加速感を試したりしています。
燃費計測にあたっては、常用しているガソリンスタンドで満タン給油し(ガチャ止めから2ショット)、燃費計をリセットしてからスタート。
最後も同じガソリンスタンドで同じ方法で給油しました。
今回計測区間282kmを走った結果は、
オンボード 37.3km/L
満タン法 35.8km/L
オンボードでは4%ほど高く表示される様です。
ガソリンスタンドを出て、信号がないバイパスを3kmも走れば、燃費計は30km/Lを超える値を示し、それを下回る事はありませんでした。
実は、今回のルートなら40km/Lを超えるのではないかと期待していたのですが、届きませんでしたね。燃費的には上り坂にかなり弱いという話なので、延々と上りが続く山岳ルートが響いたのでしょうね。
ルートの最後にいつものバイパスを走っていると、30kmくらいの区間で0.5km/Lほど向上していたので、このバイパスだけ走れば40km/Lを超える可能性はあると思います。
デザイン
デザインは個人の好みなのですが、一言。
フロントデザインは、1日接してみたら、結構お気に入りになっていました(笑)。押出しがあってなかなか良いと思います。
でも、リアは………、だったのですが、家人は、ひと目見るなり、カッコ良いね〜❢ と言ってました。
やっぱりデザインって、
個人の好みに尽きますね〜(笑)。
最後に
この車を買いたいか、と問われたら、ワタシはちょっと考えます。
アクセルを踏むのが楽しいので、毎日コレを運転したら、バイパスや高速道路で踏み過ぎてしまい、そのうち御用になりそうだからです(笑)
いつものバイパスでよく捕まっているのは、コンパクトカーなんですよ^_^;
余計なお世話ですが、このクルマの正しい使い方は、アクセルを踏みまくって楽しむか、ACC等を活用して運転をクルマに任せてしまうことだと思います。
この5月のマイナーチェンジで、ACCが全車速追従になった様なので、それが可能になるでしょう(電パではないので、停止保持機能はありませんが)。