新元号「令和」が発表され、いよいよ平成の時代もカウントダウンが始まりました。
そして、平成の時代に日本のモータースポーツを大いに盛り上げたスーパーGTも、新たな「令和」の時代に向けてその歴史を繋いでいくことでしょう。
令和20年くらいになると、スーパーGTも自動運転のGTカーがモーター音だけでサーキットを走り回るんでしょうかね~?
果たして、令和元年のスーパーGT王者はどのメーカーのどのマシンになり、どのドライバーがチャンピオンの称号を手にするのか……!
「令和」……、「レイワ」……、
……「018」?
No.18 UPGARAGE NSX GT3
小林 崇志/松浦 孝亮ペアの年になるのか……!
それとも……!!!!
TAKATA童夢NSXの年になるのか……!(笑)
2月の末のブログでスーパーGTやホンダNSX-GTについてケチョンケチョンに書いたにも関わらず、毎年1回はレーシングカーの爆音を聴かないと落ち着かないワタシは、3月16日の土曜日に岡山国際サーキットまで公式テストを観に行って来ました。
当日の天気もおかまいなしに2月の半ばに喜び勇んで買っておいた前売り券と駐車券をゲートに突き出し、朝8時前には岡山国際サーキットに到着。
この頃は天気予報で全国的に大荒れと伝えられていましたが、T(とっても)I(田舎)サーキットなんてバカにされてた山奥の岡山国際サーキットでは、前日夜に降った雪がトラックに残るガクブルなコンディションでした。
まず向かったのはチーム国光のピット裏。
まだ人の少ないうちからチーム国光のピット裏に張り込み、ジェンソン・バトン選手が出てくるのをずっと待ちます。
関係者が出入りしているこのトレーラーハウスのすき間からきっと、ジェンソン・バトン選手が登場するはず……。
足元には雪解け水がまだ残り、靴底を突き抜けてきた冷気のせいで足の指先が半分凍りつく中、朝8時過ぎからずっと待っていると、いつの間にか自分の後ろでは同じ事考えているファン達が大勢集まっていました。
そしたら目の前を日本レース界のレジェンドが突然通過(; ゚ ロ゚)
「国さ~~ん!」と声をかけると、ア……、ドモ…ドモ…、ってつぶやきながらバトン目当てで張り込み中の嫁さんと握手してくれました。
嫁さん「国さんの手、プニプニだったよー」
国さんも今年で79歳ですが、足どりも軽やかでいつも元気ハツラツでした。
それでもチーム監督というのは大変な仕事だと思います。
国さんに過大なストレスを与えないように、No.1 RAYBRIG NSX-GTには開幕から4連勝くらい重ねて安心させてあげて下さい(笑)
そうこうしてる間に時刻は午前10時を過ぎ、本日1回目のテスト走行の時間が迫ってきています。
かれこれ2時間くらいパドックでバトン待ちしていた我々の足は、地表からの冷気で熱を奪われキンキンに冷えてます……
とりあえず暇だからパドックに山積みされてたタイヤでも見てみると、
センターロック式のホイールをこんなに近くから見れるのも貴重な機会です。
ホイールの車体側の面には位置決めの突起があるんですね~
初めて知りました。
毎回、コンマ何秒のわずかな時間のロスも許されないタイヤ交換作業で、ピット作業を担当するメカニックは、重たいタイヤを持ち上げながらこの5つの突起を車体側に素早くはめこみ、センターロックのナットをギャーー!ってインパクトで締め込んでいるんですね~
このホイールを見てるだけでプロの技が十分伝わってきます。
なーんて感傷に浸っていると、自分の背丈ほどあるタイヤの山の奥からイングランドの香り漂う紳士がグラスを掛けたままひょっこりと登場!
あの大きな身長とスマートな体形は、間違いなくジェンソン・バトン選手とワタシは一発で確信し、反射的に大きな声で「ジェイビー!!」と呼び掛けます!
……そしてカメラのバッテリーの残量もお構い無しに約2時間電源入れっぱなしで待機してた甲斐もあり、サクッと構えてシャッターを切った渾身の一枚がコチラ!
ちょっと右手がオバケなのはご愛敬ww
そしてワタシの大声でまわりのファンも気づいたのか知りませんが、一気にジェンソン・バトン選手のまわりには人だかりが出来ました。
ジェンソン・バトン選手だって、事前にチーム関係者からトレーラーハウスとピットの間の移動は立ち止まらずに渡るように言われてたハズです。
それでも自分を取り囲んでくれるファンに対して無視をすることなく立ち止まって振り返ってくれたジェンソン・バトン選手。
午前のテスト走行が始まる直前ということもあり、ジェンソン・バトン選手はファンサービスをする時間も余裕もありませんでしたが、チーム関係者がファンとの間に割って入るまでのほんの数秒間、まるでファンからの熱いエールを吸いとるかのように取り囲んだファンを見つめるジェンソン・バトン選手の表情がとても印象的でした。
さて、それではコースの方に行ってみましょう。
4月13-14日の平成最後のスーパーGTラウンド、開幕戦 岡山を直前に控え、貴重なデータをたくさん集めて準備を整えたいチームは、朝の冷え込みがとれて晴れ間が徐々に差し込んでくる時間に精力的にガツガツと周回を重ねてました。
今シーズンのGT500クラスも昨年と同様に全15台中7台のマシンでドライバーの入れ替えが行われ、どのチームも勝ちに対してものすごく飢えている雰囲気がビシビシと伝わってきます。
もちろんGT500クラスの話題の中心は昨年のチャンピオンマシンでもあるホンダNSX-GTでしょう。
ドライ路面のコーナーリングでは時折リヤから先にコマのように回り込む不思議な曲がり方を見せてくれましたし、通り雨の後の濡れた路面でもミッドシップにマウントされたエンジンのおかげで、コーナーリングからの脱出の際に鋭い加速を見せてくれました。
ありゃー、インチキですわ(まだ言うww)
約700mのバックストレートの先にあるヘアピンの外では、ホンダさんがネズミ撮りをしていたのでちょっと脇から覗いてみました。
レクサスLC500勢や日産GT-R勢は安定して263km/h~265km/hくらいを叩き出します。
それに対してホンダNSX-GT勢は……
260km/h止まり(--)
しばらくじっと動かずに何周にも渡って定点観測してみましたが、ホンダNSX-GT勢は5台とも全て最高速が260km/hくらいでした。
この速度差に関しては様々な憶測が飛び交っていて、ホンダだけ昨年のくたびれたエンジンを使っていたとか、11000rpmまでキッチリ回す前の藤原拓海みたいな作戦をとっていたとか、今年からNSX-GTに対してハンデが増すことを想定した走りだったなど、いろんな噂話が出てきています。
果たしてホンダNSX-GTは三味線を弾いていたのか……!
その答えはあと1週間ちょっとに迫った開幕戦 岡山でハッキリするでしょう。
公式テスト1日目の最後は、10分間ずつGT300/GT500それぞれのクラスの専有枠が与えられ、予選を想定したタイムアタックが行われます。
我々は岡山国際サーキットで最もコースから近いとされる、ダブルヘアピン出口からマイクナイトコーナーの進入までのエリアに陣取り、各マシンの挙動や走行ラインの違いなどをじっくりと観察しました。
手を伸ばせば届きそうな距離をスーパーなGTマシンが全開で駆け抜けて行きます。
何かあったら客を巻き込んだ大惨事になりそうな激感エリアです(^-^;
こちらはGT300クラスのNSX GT3です。
コーナーではキッチリとロールして、乗用車らしいコーナーリングをしてくれます。
一方のGT500クラスのマシンは、ブレーキも踏まないしアクセルも緩めないコーナーリングで、私達が教習所で教わったカーブの曲がり方の常識を完全に無視した走りを見せてくれます。
ネッチャネチャに溶けてグリップするレース専用タイヤと、マシン全体に武装したエアロパーツがもたらす空気の力の凄まじさが、金網越しにビッシビシと伝わってきます。
カミソリのような鋭い切れ味でコーナーを斬るように曲がるレクサスLC500に対し、コーナーの入り口と出口を定規で結んでペンでビヤッ!っと太い線をひくようにコーナーを攻略する日産GT-R。
そしてキーホルダーのリングに人差し指を入れてキーホルダーをくるくる回すように力感なく易々とコーナーリングするホンダNSX-GT。
今年も三者三様のコーナーリングの特徴がよく現れていました。
なんか年々1ポイントの重みが増しているように感じるスーパーGT。
スープラのラストイヤーとSC430のラストイヤーをチャンピオンで締めたように、レクサスがLC500ラストイヤーもチャンピオンを獲得してLC500の花道を飾るのか…!
それとも!
ゴ○ンの呪縛が解けた日産/ニスモが、昨年とは一味も二味も違うGT-R NISMO GT500を作り上げてチャンピオンを奪い取るのか…!
そぉれとも!!
周りからインチキだのルール無用の悪党だのと言われ、ひょっとしたらミッドシップハンデが積み増しされて運営からもイジメを受けるかもしれませんが、それでもミッドシップの優位性を最大限に生かしてホンダNSX-GTがチャンピオンを防衛するのか……!!
来週、その勢力図が明らかになってきます。
ワタシも今年のスーパーGTのオープニングゲームをテレビの前で刮目して待ちます!
現地組の方はしっかり楽しんできて下さいね~