2015年シーズンも終わり、スーパーGTファンは来年春まで布団の中で開幕を待つ時期になりました。
今年、LEXUS TEAM SARDのドライバーとしてSUPER GTのGT500クラスに参戦した元F1パイロットのヘイキ•コバライネン選手は、シーズン終了後早々に来年もスーパーGTで走りたいと前向きなコメントを表明してくれました。
今シーズンで獲得したポイントは23点、ポイントランキングは下から数えて3番目の13位でしたが、F1で優勝経験のあるドライバーがこれだけ本気になってくれるのは、スーパーGTファンとしてもうれしい限りです(^-^)
その一方、某レース専門誌でも書かれてましたが、いちスーパーGTファンの私も心配しているのが…
スーパーGTの「マンネリ化」です(^_^;
スーパーGTのGT500クラスは2014年の開幕から、ドイツツーリングカー選手権(略称:DTM)の車輌規定と基本的に同一の物になりました。
それまでのガラパゴス化した日本独自のGTマシンから、日本・ドイツ・アメリカを巻き込んだツーリングカー世界一決定戦が出来る世界基準のマシンに変貌しました。
一方でホンダだけは世界基準の流れに乗らず、わざわざミッドシップ+ハイブリッドのNSX CONCEPT-GTを製作して我が道を突っ走ってますが…(^^;)
…ホンダのことは置いといてww
ここでDTMの車輌規定になってから2年間のGT500チャンピオンを振り返りますと…
◆2014年シーズン
No.23 MOTUL AUTECH GT-R
松田 次生/ロニー・クインタレッリ組
◆2015年シーズン
No.1 MOTUL AUTECH GT-R
松田 次生/ロニー・クインタレッリ組
(ゼッケンが違うだけで後は同じに見えるww)
もちろんレクサス陣営は黙っていません。
打倒ニスモ!打倒GT-Rに向けて必死に開発を進めて行くでしょう。
しかし…、この世界基準のGTマシンは、他の国のレーシングチームとの絡みもあって、もうイジる余地があまりないみたいですね(^_^;)
GT-RとRC Fの差…言い換えれば日産とレクサスとの差は、ビックリドッキリなメカを仕込まない限り縮まらないのかもしれません。
後はドライバーの技量やピット作業の時間短縮といったソフト側の努力で、レクサスは日産との差を縮めるしかないのでしょうか…
このことを「マンネリ化」と決めつけるにはまだ時期尚早ですが、新車輌規定2年目にして既に競技として成熟し、速くて強い集団が頂点に立つ当たり前の回答がこの先続くことを、
ハイレベルな競技と捉えるか、変わり映えしないコンテンツと捉えるか…
難しいですね~~(^^;)
私は十分楽しんでますけどね♪
競技している側だけが満足して、ファンが置いてけぼりにならないよう、
毎年毎年ワクワクするようなネタが欲しいところです。
ワクワクするようなネタ…
スーパーGTの歴史を全日本GT選手権の頃から振り返ってみますと~
◆2001年シーズン
脇阪寿一選手がホンダ•NSXからトヨタ•スープラに電撃移籍
◆2002年シーズン
飯田章選手もホンダ•NSXからトヨタ•スープラに電撃移籍。
脇阪寿一選手とコンビを組み、No.6 エッソウルトラフロー スープラでシリーズチャンピオン獲得。
一方、日産は伝統のRB26DETTがライバルのエンジンより大きくて重いと判断し、シーズン途中からなりふり構わずR34GT-RにVQ30DETTを載せる決断を下す。
◆2003年シーズン
スープラが5.2リッターV8に載せ替え、NSXがエンジンの向きを横から縦に変更。
山口県•MINEサーキットから大分県•オートポリスに開催地を変更。
◆2004年シーズン
日産がR34GT-RからZ33フェアレディZにベース車輌を変更。
スープラのV8エンジンの排気量が4.5リッターにサイズダウン。
NSXが縦置きエンジンの利点を活かしてターボ装着。
北海道•十勝インターナショナルスピードウェイで選手権レースを開催。
◆2005年シーズン
全日本の冠を捨て、『スーパーGT』という名前で世界に売り込む決断をする。
この頃からレース中継の字幕はアルファベットが多様される。
NSXがターボを取り去り再びNAに戻す。
富士スピードウェイが改修されて今のレイアウトになった。
◆2006年シーズン
トヨタがスープラからSC430に車輌変更。
Z33フェアレディZのシーズン終盤に22号車だけこっそりと4.5リッターV8を試す。
鈴鹿1000kmレースがスーパーGTの選手権レースになった。
◆2007年シーズン
Z33フェアレディZの戦闘力アップのために順次VK45DEを搭載。
NSXも試験的に4リッターV8を試す。
◆2008年シーズン
日産からVK45DEエンジンを積んだR35GT-Rがデビュー。
あとこの年からGT300に初音ミクがデビューしましたね。
◆2009年シーズン
3.4リッターV8+FRレイアウトといういわゆる「09規定」がこの年から始まる。
ただこの規定を守ったのはレクサス•SC430のみ。
日産は4.5リッターエンジンのまま、ホンダはミッドシップのNSXのまま参戦。
ただ、この頃からホンダもFRのレーシングカーの開発に本気を出す。
…ありましたね~(^^)
無理やりFRに魔改造したNSX(笑)
◆2010年シーズン
ホンダが09規定に合致したレーシングカー、HSV-010を実戦デビュー。
日産も3.4リッターエンジンに載せ替え、GT500クラスの3メーカーがやっと同じテーブルでレースをすることが実現した。
◆2011年シーズン
この年からポツポツとGT300クラスにFIA-GT3車輌がエントリーしてくる。
そして谷口信輝選手が初音ミクカラーのBMWに乗り、念願のチャンピオン獲得。
選手権終了後、JAFグランプリと題してドライバー交替なしのスプリントレースが行われたのもこの年。
◆2012年シーズン
GT300クラスにFIA-GT3車輌が増えてきたため(GT-RやアウディR8)、GT500は500馬力・GT300は300馬力という通説をなくし、GT500のパワーを上げることで両クラスのバランスをとることにした。
◆2013年シーズン
翌年からDTMの車輌規定になるのが分かっていたので、大きな改良はみられないが、慣れ親しんだ09規定のモンスターマシンで接触スレスレの(というか当たってるww)バトルを魅せてくれた。
…ねっ?読むだけでワクワクするでしょ?
(長文失礼^^;)
これから先もシーズン開幕が待ち遠しくなるようなネタをGTファンに提供してくれればいいのですが、世界的にルールを統一すると決めた以上、勝手にマシンを魔改造するわけにはいきません。
じゃあ、早くDTMとやらと合流して、ハコレース世界一決定戦をすればいいのに… と思いますが、
日本のGTアソシエイションと相手方との交渉は、進展はしつつもかなり苦労しているみたいですね(^_^;)
この話をしだすと激烈に長くなりそうなので(笑)、簡単にたとえ話でまとめますと…
幼なじみや会社の同僚などで野球好きが集まって草野球チームを作り、お揃いのユニフォームを買って練習や試合を繰り返しているうちにぶち当たる意識の違いに似ています。
『勝つために野球をする』のか、『ただみんなで野球を楽しむために野球をする』のか…
いま、スーパーGT側とDTM側でぶつかっている意識の違いも同じです。
もちろん『勝つために野球をする』方がスーパーGT側です(^^;)
せっかくの世界基準のレーシングカーを必死で作ったので、相手方との交渉は今後も見守っていきたいですね。
さて、最後に私なりに考えた、今のスーパーGTをさらに魅力的なコンテンツにして、末永くファンに愛してもらえる方法を勝手に提案したいと思います。
■提案①
「金曜日の練習走行の復活」
復活ということは…、昔はありました。
今は金曜日は搬入日になり、土曜日に練習走行と予選、日曜日に決勝という流れになってます。
元々はリーマンショックに世界が揺れた2009年に、参戦コストの低減を目的に練習走行の廃止が決まりましたが、
国内の景気は数字上ではリーマンショック以前の水準まで戻ったとも報道されてますので、もうそろそろ復活してもいいんじゃないかな~とも思います。
もし今シーズンに練習走行が設けられてたとしたら、ヘイキ•コバライネン選手ももっとスーパーGTに馴染んでいたかもしれません。
■提案②
「開催するサーキットの順番の変更」
偶然ですが、今のスーパーGTの開催サーキットの順番って、2009年からほぼ変更がないんですよね(^^;)
鈴鹿が減ったのとセパンがタイになったくらいで。
どのサーキットもいろいろと年間のスケジュールがギチギチに組まれてると思うので、マウスで掴んでドラッグするように変更することは難しいのでしょうけど、
例えば、今シーズンの開催順を逆にしてみますと……
もてぎ→オートポリス→SUGO→鈴鹿1000km→富士300km→タイ→富士500km→岡山国際
となります(ゝω・)
見てるだけでワクワクするでしょ?
特に最終戦ノーウエイトの岡山国際(爆)
■提案③
「試しにウエイトハンデ制を無くしてみる」
エントリーしている全てのチームに表彰台に上がってもらうために、獲得ポイント数に応じたウエイトを積んで、毎戦毎戦ワクワクするような展開を演出してますが、
当のドライバーやチームは全レース勝つ気満々で臨んでますし、実際に速いマシンはウエイト載せても速いです。
試験的でもいいので、一年間ウエイトハンデ無しでシーズンを戦ってみてほしいです。
案外、面白いかもしれませんよ~
■提案④
「もっとメディアに出て知名度をあげる」
最近では季節ごとにしか放送しませんが、ジャンクSPORTSとか知名度を上げるいいチャンスだったんですよね~
自動車メーカーを巻き込んで、なんとか地デジのマルチチャンネルの片隅にでも全国放送で決勝レースを流してもらえないかな~と、自称スーパーGT広報担当のワタシは夢見てます。
…そういえば過去に日曜朝の特撮ヒーローにゲスト出演したドライバーがいましたね。
このくらい大胆に子ども達に夢を与える活動をして、スーパーGTと国内モータースポーツを盛り上げていってほしいですね(^-^)