さて、すっかりご無沙汰のレースレポートです。
みんカラアプリの画像編集が、トリミングも出来ない文字も書けないクソなアップデートになったせいでしばらくグレてました(´゚З゚`)
さて、それはさておき……
2018年シーズンのスーパーGTも前半戦3レースが終わったので、ここで内容を振り返り、中盤→終盤戦にかけた展望をアーダコーダ述べたいと思います。
まずは5月の国内モータースポーツのスケジュールを振り返ってみます。
【5月3日-4日】スーパーGT第2戦 富士500km
【5月12日-13日】スーパーフォーミュラ第2戦 オートポリス
※ニュルブルクリンク24時間レース(ドイツ)
【5月19日-20日】スーパーGT第3戦 鈴鹿
【5月26日-27日】スーパーフォーミュラ第3戦 スポーツランドSUGO
【6月1日-3日】富士SUPER TEC 24時間レース
ゴールデンウィークの富士500kmレースからほぼ毎週ビッグレースが続き、トドメは富士スピードウェイで24時間レースです。
連戦の途中には、日本から遠く離れたかかるドイツでニュルブルクリンク24時間レースがあり、エントリーしたドライバーや関係者たちは、日本→ドイツ→日本と時差ボケを挟みながらイベントをこなしていきました。
スーパーGTとスーパーフォーミュラの両方をメンテナンスしているガレージのスタッフは、おそらく不眠不休の毎日が続き、闘いの準備を整えることも大変だったことでしょう。
それはサーキットに足を運ぶレースファンも同じで、富士500kmレースと富士24時間レースに挟まれたスーパーフォーミュラ第2戦 オートポリスとスーパーGT第3戦 鈴鹿は、ちょっぴり寂しい観客席になっちゃいました。
この過密スケジュールの問題については、もう既に国内モータースポーツのプロモーターの間でも協議されているみたいですし、スーパーGTの優勝記者会見でも優勝ドライバーがわざわざコメントを残すくらいの騒ぎに発展しています。
昔と違って世界に羽ばたく日本人や日本のレーシングチームが増え、また実績十分な外国人ドライバーも来日して日本で活躍する機会が増えました。
今から10年~15年くらい前は、国内モータースポーツの日程の作成にあたって、6月のル・マンと秋のF1日本グランプリだけに気を使っていれば良かったのですが、今ではFIA 世界耐久選手権の年間スケジュールにも気を使わなければならなくなり、また今年から鈴鹿1000kmが無くなったことで、新たに鈴鹿でスーパーGTを一戦設けなければならなくなったのが原因だと言われています。
いちファンの目線からすれば、シーズン始まる前から分かっていたことを何を今更って印象ですが、レース関係者がムキになって訴える理由のひとつに……
スーパーフォーミュラ開幕戦の決勝レースの前夜に突然急性心筋梗塞に見舞われ、鈴鹿近郊のホテルの部屋でお亡くなりになられたチームルマンのチーフエンジニア山田 健二さんの事が頭の片隅にあるからではないでしょうか。
未来を担う若手ドライバーを優しくも時に厳しく育て上げ、日本に来日してきた血気盛んな外国人ドライバーにも真っ向から向き合い勝利へと導いた熱血エンジニアの山田氏にとっては、自分のことで業界が右往左往することは本望ではないでしょうが、働き方改革が遅れて国内モータースポーツの未来がしぼんでいくのはおそらく天国からも見てられないでしょう。
山田健二エンジニアの突然の訃報で悲しみに暮れていたレクサス陣営は、故人を偲んで思い出を語り合う時間もそこそこに、5月3日-4日の第2戦 富士500kmレースに挑みました。
ところが、5月3日の予選はメイストームと呼ばれる発達した低気圧が日本列島を襲い、富士スピードウェイも前夜から濃い霧が立ちこめ、視界不良のため貴重な公式練習の時間がキャンセルされてしまいました。
これにより、チームが特に頭を悩ませたのが、予選で使用するタイヤの選定でした。
本来であれば、土曜日の午前中の公式練習を終えた後に、公式練習の結果を踏まえて予選で使用するタイヤを決めて運営側にマーキングしてもらうのですが、
この日は午前中の走行がキャンセルとなったため、各チームはやむを得ず午後に急遽設けられた30分間の公式練習の前に、全くのNO DATA状態で予選で使用するタイヤを選ばなければなりませんでした。
目の前のコースの路面温度や感触といった大事なデータが全く手元に無い中、予選で使うタイヤを選ぶことは、ほとんどバクチといっても過言ではありません。
かろうじて頼りになるのは、3月24日-25日に行われた公式テストのデータのみ。
ただ、午後になって急速に回復してきた富士スピードウェイのコンディションは、3月の公式テストの時の気温や路面温度と比べて10℃程開きがありあまり参考にはなりません。
しかも、バクチで選んだ予選タイヤは、そのまま持ち越して翌日の決勝レースのスタート用として使うことがルールで決まっています。
こういう追い詰められた時に頼りになるのは「経験」や「実績」、そして「チーム力」です。
天候のせいでスケジュールが押され、15時すぎから20分間だけの一本勝負となった予選では、富士の“近道”を知っているNo.38 ZENT CERUMO LC500の立川 祐路選手が通算23回目のポールポジションを獲得!
予選2番手にはNo.6 WAKO'S 4CR LC500 大嶋 和也選手がつけ、山田健二エンジニアが作ったレクサスLC500達が予選上位を固める結果になりました。
そして一夜明けて5月4日の決勝……。
2013年以来5年ぶりにホンダ車が岡山国際サーキットで勝利し、レクサス・日産・ホンダの3大勢力がガップリ四つに組むバトルロワイアルを期待した5万5000人ものGTファンが朝早くから富士スピードウェイに大勢詰めかけ、大迫力のローリングスタートの瞬間を今か今かと待ちわびています。
さぁ、いよいよスタートォォ!!!
……とここで、スタートの風景にちょっと違和感を覚えます。
この写真はグリッドに整列して停止している図ではありません。
スタートの瞬間の一番アツくなるシーンを撮ったものですが、まるでしつけの行き届いた運動会の行進のようにお行儀がよいので、いつものローリングスタートの興奮がさっぱりありませんでした。
ちなみに昨年のスタートシーンがこちら。
スタートラインを横切る手前から、1コーナーで相手を喰ってやろうとする闘志剥き出しの姿勢がビシビシ伝わってきます。
どうして今年のスタートはこんなに地味になってしまったのかというと、今年からスタート手順の厳格化が新たにルールで決まったせいだと思います。
スタートラインまで相手を追い抜かないことは昨年と同じですが、「相手を惑わす加減速の禁止、隊列は2列を維持」という新ルールに加え、開幕戦 岡山でポールポジションからスタートしたKEIHIN NSX-GTの小暮 卓史選手が、シグナルがブルーに変わった後にポールポジションの利を生かしてフッと一瞬アクセルを緩めたせいで後続が混乱したことに関して、ドライバーミーティングがかなり紛糾したことも影響しています。
そんなツメもキバも抜かれた地味なローリングスタートのせいで、ポールポジションのZENT CERUMO LC500 立川 祐路選手は後続を振り切ることもできず、ウォームアップのスピードに優れたミシュランタイヤを履く予選3番手スタートのMOTUL AUTECH GT-R ロニー・クインタレッリ選手に、オープニングラップで一気に追い越されてしまいます。
そしてわずか1周で、1台のGT-Rをレクサス5台で追いかける展開になってしまいました。
レースが試合中盤に差し掛かった頃には、最終コーナー出口のアウト側の人工芝が徐々に剥がれだすお粗末な光景が……
そして完全に剥がれてしまった人工芝は、GTマシンのフロントに貼り付いたまんまメインストレートを高速移動し、1コーナーの入り口付近でポイ捨てされてしまいます。
こういう敷き物は、1枚剥がれだすと次から次へとどんどん剥がれだすもの。
あ~あぁ~あぁ~……
FIAのグレード1を取得したサーキットなのに、お粗末な光景が広がっていますね~
なんか、5~6年前のF1韓国グランプリを思い出してしまいます。
富士スピードウェイのオーバーテイクポイントのひとつに1コーナーがありますが、1コーナーで相手を追い抜くためにはメインストレートを相手より速いスピードで走らなければなりません。
そのためには、最終コーナーを前を走る相手とは異なるラインでアプローチし、相手より早く加速して1km/hでも速くスピードを上げることが大事なのですが……、
最終コーナー外側にこんなトラップが仕掛けられているので実質走行ラインは1本になってしまい、1コーナーのオーバーテイクが封じ込められてしまいました。
メインストレートには剥ぎ取られた人工芝がアチコチに落下していて、それを避けることで精一杯な状態。
そんなコースコンディションの中行われたスーパーGT 第2戦 富士500kmレース。
私が考える勝敗を分けたポイントは…、
①メイストームのせいで予選のスケジュールがかき回され、決勝スタートタイヤをNO DATAのまま選ばざるを得なかったこと。
②ピシッと2列に隊列を整え、まるでアダプティブクルーズコントロールを使っているかのように車間距離も揃ったままローリングスタートが進み、トップの車両がスタートラインを越える直前でグリーンシグナルに変わったことでスタートの駆け引きもなくなり、後続のマシン達にもトップになれるチャンスが生まれたこと。
③最終コーナーアウト側の人工芝が剥がれたり、コース上のデブリをセーフティーカーを導入せずに放置したことでオーバーテイクのチャンスが減り、先行した車が逃げ切れる環境が出来上がってしまったこと。
この3つに集約されると思います。
全てのマシンに公平に降り注いだこの3つのポイントを、チームのブレーンの的確な判断と二人のドライバーによる確実な任務遂行能力によって乗り越えたマシンが第2戦 富士500kmを征する結果となりました。
メイストームに振り回された予選では(①)、気象情報会社をスポンサーに持つチームがNO DATAの情報戦ではとても有利に働き……。
ほぼセーフティーカースタートに近い地味なスタートでは(②)、ウォームアップ性能の高いタイヤを履くマシンが有利になり……。
オーバーテイクポイントが減ったコースコンディションでは(③)、チームのブレーンが組み立てた作戦通りのラップタイムを毎周毎周安定して刻む二人のドライバーの運転技術と……、
コンマ1秒のムダな時間さえもとことん切り詰めた完璧なピットワークをこなすメカニック達の職人芸で、追いすがるライバル達を絶望させるような速さをとことん魅せつけたこのチーム!
(※この2枚の写真を比べると、右フロントタイヤを交換するピットマンの姿勢の違いがよく分かりますね。)
No.23 MOTUL AUTECH GT-R
松田 次生選手/ロニー・クインタレッリ選手が見事、第2戦 富士500kmレースを征しました!
DTMと共通の技術規定になった2014年から今年で5年になりますが、MOTUL AUTECH GT-Rはゴールデンウィークの富士500kmを過去5年で3勝しています。
これは驚くべき勝率であるとともに、レクサス陣営やホンダ陣営にとっては同じ相手に何度もやられた屈辱の結果でもあります。
そして、第2戦 富士の反省会もそこそこに、わずか15日後の5月19日-20日には第3戦 鈴鹿ラウンドが始まってしまいます。
スーパーGTの鈴鹿戦と言えば、毎年8月下旬に開催される鈴鹿1000kmがお馴染みでしたが、今年から夏の鈴鹿の耐久レースは、日本のGT300クラスのマシン達と世界中から集まるGT3マシン達による賞金総額1億円を懸けた10時間デスマッチになったため、今年からスーパーGTの鈴鹿ラウンドは暑い暑い真夏から一転、一日の寒暖差が広い5月下旬になり距離も通常の300kmレースになりました。
ただ、開催時期が路面温度の高くなる真夏から前倒しになり、開幕から3戦目ということで各車のウェイトハンデも軽い状態であることから、久しぶりにGTマシンの超ハイスピードなパフォーマンスが楽しめました。
予選が行われた5月19日は晴れてはいたものの、時折風速15m以上の突風が吹き荒れる荒れたコンディション。
しかも風向きが鈴鹿サーキットのメインストレートを走る方向には追い風で、1コーナーを回って高速S字区間では向かい風となる風向きとなり、ラップタイムを出すのにはおあつらえ向きなコンディションとなりました。
富士スピードウェイは2014年以降日産GT-Rが9戦6勝(勝率.666)で独り占めしている中、鈴鹿サーキットは2014年からの4戦でレクサス3勝・NSX-GTが1勝しています。
開幕戦はNSX-GT・第2戦はGT-Rが勝ったとなれば、第3戦の鈴鹿は今年もレクサスが勝つ番のはずですが~…、
どうやら今年のNSX-GTは少々チート気味に速いみたいです。
予選でポールポジションを獲得したのはウェイトハンデがわずか6kgのNo.8 ARTA NSX-GTでした。
タイムはGT500クラスコースレコードの1分44秒319!
昨年からGT500クラスのスピード競争を抑制するために空力性能を規制してきたハズですが、GTアソシエイションの思いとは裏腹に、今年のGT500クラスのスピードはとうとう10年前のフォーミュラニッポンのタイムと並んでしまいました。
ここまでGT500マシンがハイレベルになってくると、ライバルより前に出る為には、とにかくコーナーリングの限界値を上げるしかありません。
鈴鹿サーキットでタイムを稼ぐためには、メインストレートから高速S字区間を抜けてダンロップ・デグナー1つ目2つ目を過ぎるまでのセクター1をいかに速く走るかが攻略のカギとなります。
そこで有利になるのは、フォーミュラカーと同じミッドシップのレイアウトを持つNSX-GTです。
2014年~2015年のシーズンはミッドシップ+ハイブリッドシステムの組み合わせに最後まで苦労し、2016年のシーズンはハイブリッドシステムを外して挑んだにも関わらずシーズン未勝利。
2017年はダウンフォース削減の流れでNSX-GTにチャンスが来るかと思いきや、レクサスや日産との差が開く一方なのでとうとう最低重量15kg軽減というお情けを頂いてしまいました。
そして迎えた2018年シーズン……。
FRのモノコックをわざわざミッドシップにねじ込んだせいで、過去4シーズン全32戦でわずか4勝に終わった結果を受け止め、強いNSX-GT実現の為に何度も何度もトライ&エラーを繰り返してきたホンダGTプロジェクトの努力がようやく実を結びました。
一夜明けて5月20日の決勝日。
国内モータースポーツのビッグレースの開催ラッシュが続いたせいなのか分かりませんが、決勝レーススタート直前になって鈴鹿サーキットの計時システムがダウンするお粗末なハプニングが発生(-o-;)
オフィシャル側は最悪の場合、紙とペンとストップウォッチでレースをコントロールするつもりだったらしいですが、なんとかシステムが復旧し、周回数を減らすこともなく予定より40分遅れでレースがスタートしました!
今回のスタートも前戦の富士同様に、とてもお行儀の良いローリングスタートでした。
ちなみに昨年の鈴鹿戦のローリングスタートがコチラ。
同じローリングスタートでもドキドキワクワク度が全然違いますね~
レースは序盤からNo.8 ARTA NSX-GT 伊沢拓也選手が逃げ、2番手のNo.100 RAYBRIG NSX-GT ジェンソン・バトン選手が追う展開に。
あ、話逸れるけど、ジェンソン・バトン選手!婚約おめでとうございます💒
もうこれでRAYBRIGレースクイーンにチョッカイ出せないね(爆)
ブリトニーさん、強そう~・・・((( ;゚Д゚)))
婚約者の前でトップのARTA NSX-GTをブチ抜いてイイトコ見せたいバトン選手でしたが、スタート進行がちょっとしたハプニングでたった40分出遅れだけでタイヤの作動温度領域を外したらしく、思うようにペースが上がらなかったみたいです。
52周の決勝レースでまだ12周ほどしかラップを重ねていない段階で、すでにARTA NSX-GTは後続に対しおよそ10秒のギャップを築き、ARTAお得意の完勝ムードが徐々に出来上がっていきそうな頃、デグナー2コ目の立ち上がりでNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500のヘイキ・コバライネン選手がミスって単独スピン!
足回りを壊してしまい立ち往生!
そして、今シーズン初めてのセーフティーカーが導入されます。
一旦広がった各車のギャップはこれでチャラになり、5周に渡るセーフティーカーの先導走行でアタマを冷やした後、19周目からバトル再開となりました。
セーフティーカー走行でギャップが無くなり、バトル相手のオシリが眼前に迫っている状態でのレース再開!
グリーンシグナル直後の1コーナーで、3位走行中のNo.1 KeePer TOM'S LC500のニック・キャシディ選手が、目の前を走るNo.100 RAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトン選手をオーバーテイク!
ライバルに対してパフォーマンスが少し劣るレクサス勢が相次いで苦戦する中、昨年度シリーズチャンピオンのNo.1 KeePer TOM'S LC500が王者の意地を魅せてくれました。
2009年F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトン選手も、ちゃんと相手のスペースを開けたとてもフェアなバトルで対応しています。
一方、その後方ではNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリ選手が、直前を走るNo.36 au TOM'S LC500 中嶋 一貴選手に追突(したらしい)!
追突した瞬間の映像はなく、au TOM'S LC500がグラベルをジャンプしながらコースに復帰しようとする映像しかないので犯行現場は目撃できませんでしたが、au TOM'S LC500はセーフティーカー走行明け直後だったので後続のマシン達に一気に追い抜かれ、一気に順位は最後尾近くまでダウンしてしまいました。
レースコントロール側もよそ見してたのかどうか分かりませんが、au TOM'S LC500に追突したMOTUL AUTECH GT-Rに対して何もペナルティが下らず、au TOM'S LC500側は大激怒🌋
スタートドライバーの中嶋 一貴選手の帰りを待つ、“田舎のチ◯ピラ大工”こと関口 雄飛選手の怒りも頂点に達していました。
中嶋 一貴選手からステアリングをうけついだ関口 雄飛選手は、「ヤられたらヤり返す」◯沢直樹みたいな勢いで後方から7台抜きの怒涛の追い上げを見せます!
そしてついに、MOTUL AUTECH GT-Rの真後ろまで接近!
スプーンカーブの進入でタイミングを合わせて~……
スプーン立ち上がりで相手のラインを殺し、バックストレートで有利なポジションを奪い、そのまま一気に130Rでオーバーテイク!!
au TOM'S LC500のピットは一気に盛り上がります!
後ろからロニー・ミサイルを喰らった中嶋 一貴選手もこのパフォーマンス!
「目んたま~、くりぬくぞ~~ オラァ!」
…意味は分かりません(笑)
日産陣営相手に“倍返し”をキメたい関口選手は、4位走行中のNo.12 カルソニック IMPUL GT-Rに照準を合わせ、鉄砲玉のように追い上げていきます。
130Rを抜けた先のシケインで一気にカルソニック IMPUL GT-Rの背後まで迫ります。
ただ、カルソニック IMPUL GT-Rをドライブする佐々木 大樹選手も、後ろから迫ってくるマリオカートのキラーみたいな存在に気づいたのか、咄嗟にマシンをアウト側にかわして関口選手を一旦やり過ごし~…
キラーがコースの外にすっ飛んでいくのを確認してから冷静にシケインを通過し、カルソニック IMPUL GT-Rを4位に導きました。
GT500クラスが左ハンドル+2リッターターボ+カーボンブレーキになって5年目。
過熱するスピード競争を抑えるために昨年からはダウンフォースを25%削減させられてるにも関わらず、今年もハコ車未体験のゾーンに突入したGT500クラスは、世界でも屈指のドライバーズサーキットと呼ばれる鈴鹿で限界ギリギリの操縦をドライバーに要求してきます。
もうNSX-GTなんかは、速すぎて安全マージンなんか残ってないのでしょうね~(笑)
チャレンジングなデグナーカーブでコースアウトしたり、テールを流して暴れまわるマシンが続出してました。
そんなピーキーな操縦性のNSX-GTを、最後まで集中力を切らさずに操り、スタートからゴールまでトップを譲ることなく逃げきったNo.8 ARTA NSX-GTが今シーズン初勝利!
鈴鹿サーキットでは昨年の1000kmで勝利したNo.64 Epson Modulo NSX-GTに続いて2連勝~!!
2018年シーズンのスーパーGTは序盤の3レースが終わり、NSX-GTが2勝・GT-Rが1勝という結果になりました。
現時点でのGT500クラスのドライバーランキングがコチラ。
トップは岡山国際と鈴鹿で2位に入ったNo.100 RAYBRIG NSX-GT 山本 尚貴/ジェンソン・バトン組。
ランキング2位は富士戦で勝ちを収めたNo.23 MOTUL AUTECH GT-R 松田 次生/ロニー・クインタレッリ組。
ランキング3位には岡山国際と鈴鹿で3位に入ったNo.1 KeePer TOM'S LC500 平川 亮/ニック・キャシディ組です。
ホンダ・日産・レクサスとキレイに1台ずつ並んでいることが今年のGT500クラスの激闘ぶりを物語っていますね~
昨年までの4年間は空気だったNSX-GTが今年やっと目覚めたので、前半戦終了時でのトップ3の獲得ポイントも心なしか低い気がします。
これだと優勝ラインも低くなってきそうですね。
ちなみに今後のスケジュールを確認してみますと……、
海外ラウンドのタイに始まり、ボーナスポイントの富士500マイル→スポーツランドSUGO。
そして、ウェイトハンデが半減されるオートポリス→全車ノーウェイトの最終戦ツインリンクもてぎと続きます。
実はコレ、冷静に見ると次戦タイと富士500マイルはどのマシンにもチャンスがありそうですが、その後のSUGO・オートポリス・ツインリンクもてぎに関してはクルクルクネクネ回るサーキットが続くので、NSX-GTにとってとても有利な展開に持ち込めそうです。
逆に、レクサス勢や日産勢からすると、6月30日-7月1日の第4戦 タイや8月4日-5日の第5戦 富士500マイルで確実にポイントを稼いでリードしておかないと、終盤戦の3レースを全てNSX-GTに持っていかれてしまい、チャンピオンまであっさり持っていかれてしまいそうです。
昨年まではSUGO→富士→鈴鹿1000kmと真夏の3連戦なんて呼ばれていましたが、この後のスケジュールは月に1戦ずつ均等にレースが開催されます。
エンジンのアップデートという切り札をどのラウンドで投入するかも注目されますが、まずはあと10日後に迫った海外ラウンド、スーパーGT 第4戦 チャン・インターナショナル・サーキットの戦いでGT500クラスの勢力図がどう変わるのか(変わらないのか)、今からとても楽しみですね~♪