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2022年12月08日

Ryuichi Sakamoto:Playing the Piano 2022

Ryuichi Sakamoto:Playing the Piano 2022  2022年12月11日、坂本龍一のピアノ・ソロ・コンサートが、世界に向けて配信される。
 日付が1日ちがうだけの2年前、すなわち2020年の12月12日、コロナ禍の、視界不良のトンネルをさまよっていた世界に向けて、坂本は、東京のスタジオで、無観客のピアノ・ソロ・コンサートをおこなった。ライヴストリーミングされたその映像は、しかし、アーカイヴ化されることはなかった。
 ことしの12月11日の配信は、それゆえ、2年ぶりに僕たちのまえに帰還した「演奏する坂本龍一」の姿を、私たちに見せることになる。

 その日に私たちが視聴するのは、前もって、1日に数曲ずつ、ていねいに収録された演奏とその映像を、十分な時間をかけて編集したものになるという。
「ライヴでコンサートをやりきる体力がない――。この形式での演奏を見ていただくのは、これが最後になるかもしれない」と、坂本は語る。前にはできたことがいまはできなくなっているという「現実」を、そのようなものとしてそのまま受け容れ、呑み込んだうえで、坂本はその「あたらしい現実」に立脚して、みずからのあらたな能動性と積極性を、引き出そうとしているのではないか。
 じっさい、今回の「コンサート」は、それを可能とする条件をそなえている。
 ひとつには、今回の演奏スタジオが、NHK の、伝説の509スタジオである、という事実。坂本が臆せず、「日本でいちばんいいスタジオ」と折り紙をつける東京・渋谷の、NHK放送センターの509スタジオで、十分な時間をかけて演奏が収録されている。
 そしてもうひとつには、これを機会に、主要メンバーをニューヨークから招集した映画制作チームが結成され、かれらは、たんに配信映像をつくるためだけでなく、のちに別に編集する予定の「コンサート映画」のためにも、「演奏する坂本龍一」を丹念に撮影している。
 いずれも、「ライヴでコンサートをやりきる体力」が坂本にあったとすれば、現実化しなかったことにちがいない。
 配信は、約60分の509スタジオでのパフォーマンス本編からはじまり、つづく60分は来年1月17日の、坂本龍一の71歳の誕生日に発売される予定の、『12 』と題されるオリジナル・アルバムの先行フル試聴にあてられる。このオリジナル・アルバムは、過去2年間のうち、もっとも厳しい闘病期間中だったときに生まれたものをふくむ12曲から成る。そして、あえていうなら、坂本龍一にとっての「もっとも厳しい闘病期間中」は、私たちの多くにとっては、コロナ禍の脅威がもっとも厳しかった時期でもあったはずだ。私たちは、そのことを思い出しながら、一連の楽曲を聴くことになる。

文:鈴木正文





ひとつのメッセージ
“A Message” from Ryuichi Sakamoto

 2022年12月11日、坂本龍一さんのピアノ・ソロ・コンサートが、世界に向けて配信される。
 日付が1日ちがうだけの2年前、すなわち2020年の12月12日、コロナ禍の、視界不良のトンネルをさまよっていた世界に向けて、坂本さんは、東京のスタジオで、無観客のピアノ・ソロ・コンサートをおこなった。ライヴストリーミングされたその映像は、しかし、アーカイヴ化されることはなかった。
 ことしの12月11日の配信は、それゆえ、2年ぶりに僕たちのまえに帰還した「演奏する坂本龍一」の姿を、僕たちに見せることになる。

 それにしても、とおもう。この2年という特別な歳月のことを。坂本さんにとって、そして僕たちひとりひとりにとっても、忘れがたく特別であったにちがいない時の時を。
 不意に、中原中也の詩の一節が浮かぶ。

僕はなんでも思ひ出します
僕はなんでも思ひ出します
でも、わけて思ひ出すことは
わけても思ひ出すことは……
――いいえ、もうもう云へません
決して、それは、云はないでせう
(「別離」から一部を引用)

 2年という時の長さは、その長さそれじたいによって、だれかれの区別なく、僕たちになにかをうしなわせて、なにかを与えるのだとおもう。とはいえ、この2年がうしなわせ、与えたものは、ほかのどの2年ともちがう、ともおもう。それに、僕(たち)は、僕(たち)がおもっている以上に、ふかく、傷ついたかもしれない、とおもわぬでもない。なにに?どうして?と問われれば、中也をまねて、「云へません」というほかないにしても。

 話を坂本龍一さんに戻す。

 2年前……。2020年12月11日、ということは、あの無観客配信コンサートの前日、かれは、ある専門医から、余命半年の宣告を受けた。あらたに発見されたガンが、かれの肉体の少なからぬ場所に、その陣地をひろげていた。かれの肉体は、想像をこえてふかく傷ついていたのだった。そして、その傷のふかみから、かれの精神が自由でありえたとはおもえない。
 けれど、その一部始終を周囲に知らせぬまま、アーカイヴされることのなかった一夜かぎりの配信コンサートに、かれは臨んだのであった。

 このときの演奏を音源化したアルバムが、『Ryuichi Sakamoto Playing the Piano 12122020』というタイトルのもとに、配信日からちょうど1年後の2021年12月12日に、リリースされている。ライヴストリーミングされたMR(複合現実)画像の便宜のために使用されたスタジオが、かならずしも理想的な音響環境を提供しなかったこと、そして、前日の医師による宣告が尋常ならざる心的条件を坂本さんに課したにちがいないと想像されること、などをおもえば、信じがたいことではあるけれど、このCDは、奇跡の1枚というべき傑作であった、と僕は信じる。

 そのアルバムが僕たちの手もとに届けられたころ、坂本さんは、両肺にも転移していたガン腫瘍の摘出手術を受けていた。この2年のあいだに、大小あわせて6回にもおよぶ手術を経験して、そうして、かれの闘病はいまもつづいている。傷は、それほどにふかかった。

 来たるべき12月11日には、坂本さんのピアノ・ソロ演奏が、コンサート形式で配信される。その日に僕たちが視聴するのは、けれど、前もって、1日に数曲ずつ、ていねいに収録された演奏とその映像を、十分な時間をかけて編集したものになるという。
「ライヴでコンサートをやりきる体力がない――。この形式での演奏を見ていただくのは、これが最後になるかもしれない」と、坂本さんは、事情を語った。僕は、その率直さに圧倒され、返すことばを探しあぐねた。
 けれど、と、あとになってかんがえた。前にはできたことがいまはできなくなっているという「現実」を、そのようなものとしてそのまま受け容れ、呑み込んだうえで、坂本さんは、その「あたらしい現実」に立脚して、みずからのあらたな能動性と積極性を、引き出そうとしているのではないか、と……。
 じっさい、今回の「コンサート」は、それを可能とする条件をそなえている、といえなくもない。
 というのも、ひとつには、今回の演奏スタジオが、2年前とはうってかわって、NHK の、伝説の509スタジオである、という事実がある。坂本さんが臆せず、「日本でいちばんいいスタジオ」と折り紙をつける東京・渋谷の、NHK放送センターの509スタジオで、十分な時間をかけて演奏が収録されている。
 そしてもうひとつには、これを機会に、主要メンバーをニューヨークから招集した映画制作チームが結成され、かれらは、たんに配信映像をつくるためだけでなく、のちに別に編集する予定の「コンサート映画」のためにも、「演奏する坂本龍一」を丹念に撮影している、ということがある。
 いずれも、「ライヴでコンサートをやりきる体力」が坂本さんにあったとすれば、現実化しなかったことであったにちがいない。
 配信は、まず、およそ60分の509スタジオでのパフォーマンス本編からはじまり、さらにつづく60分は来年1月17日の、坂本さんの71歳の誕生日に発売される予定の、『12 』と題されるオリジナル・アルバムの先行フル試聴に、あてられるという。つけくわえていえば、そのオリジナル・アルバムは、過去2年間のうち、もっとも厳しい闘病期間中だったときに生まれたものをふくむ12曲から成る。そして、あえていうなら、坂本さんにとっての「もっとも厳しい闘病期間中」は、僕たちの多くにとっては、コロナ禍の脅威がもっとも厳しかった時期でもあったはずだ。僕たちは、そのことを「思ひだし」ながら、一連の楽曲を聴くだろう。「わけても思ひ出すことは……/――いいえ、もうもう云へません/決して、それは、云はないでせう」と、中也が書いた「云」わなかったことを、坂本さんの音楽はどのように「云」うだろうか。

 そうして、もうひとつ。いずれ発表される「コンサート映画」が、僕たちの記憶をよみがえらせることになる。すばらしい贈り物が待っているではないか。

 だれもがコロナ禍の襲来におびえた2020年の春、僕は、僕が編集していた雑誌の特集のために、坂本さんに読者への励ましのメッセージを寄せてほしい、とお願いした。届いたメッセージはいっている。

「文化に携わる人間としては、ホモ・サピエンスの20万年の歴史のあいだ、アートも音楽も詩も、一度も途切れなかったことが唯一の希望だ」(「GQ JAPAN」 2020 年7、8&9月合併号)と。

 坂本さんの音楽もまた、途切れなかったことを、僕たちは2022年12月11日に知るだろう。そして、僕たちは、かれから僕たちへの、「希望のメッセージ」を受け取ることになるだろう。そうして、それは、かれの、かれじしんに向けた「希望のメッセージ」でもあるかもしれない、とも、僕はおもうのだ。

文:鈴木正文







配信チケット、伝説のS氏からいただきました

超超メガメガ感謝!!!!!


開催日時
2022年
12月11日(日)12:00(日本時間)※初回配信

配信時間:
A.2022年12月11日(日)12:00(日本時間)
B.2022年12月11日(日)18:00(日本時間)
C.2022年12月11日(日)24:00(日本時間)
D.2022年12月12日(月)06:00(日本時間)

*全4回、同内容です。1枚の配信チケットで、A-Dの各配信時間ご視聴いただけます(最大4回)。

■配信方式:収録配信(事前収録した映像を配信)





という事で

北の爆音酒場にて 常識的な範囲内での、

文字どおりの爆音・高音質高画質Live Viewing予定です



エナジーフロードリンク(謎)持参でお願いします

関係各位 また ご興味ある方のお問い合わせお待ちしております(笑)



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Posted at 2022/12/08 20:16:16

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