柴又に行こうと思った理由は3つあります。一つ目は柴又帝釈天に参拝することです。二つ目はバイト先のお医者さんを見つけることです。三つ目が矢切の渡しに行くことでした。
家庭教師のアルバイトは夕方からです。終わる時間には外が暗くなってしまい江戸川まで行くことはありませんでした。土手を歩くこともなかったのですから矢切の渡しは見たことがなかったのです。当時矢切の渡しの存在を知っていたかどうかは不明です。知らなかった可能性の方が高いです。
「矢切の渡し」(作詞:石本美由起 作曲:船村徹)は、1976(昭和51)年に発売されたちあきなおみの24枚目のシングル「酒場川」のB面でした。1976年ですからこの曲を知っていてもおかしくないのですが、B面ですから知らなかった可能性が高いです。1982年にあらためてA面として発売されました。この時には知っていたはずです。
B面がA面となって再発売されることはままあることですが、「矢切の渡し」には梅沢富美男が関わっていました。当時はほとんど無名でしたが踊りの演目に「矢切の渡し」を用いたのです。そしてそれは梅沢富美男の女形としての初めての踊りでした。下町の玉三郎の誕生です。それが評判となり1982年にA面として発売されたのでした。私もテレビで梅沢富美男の踊りを見た記憶があります。
「矢切の渡し」の魅力も再認識されて多くの歌手にカバーされています。大御所美空ひばりさんや島倉千代子さん、演歌の実力者坂本冬美さん、歌姫中森明菜ちゃんもカバーしています。一番売れたのは細川たかしのシングルでした。
矢切の渡しの近くには歌碑がありました。渡し船にも乗ろうと思ったのですが、乗りませんでした。ちょっと後悔しています。
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流行歌研究会 | 音楽/映画/テレビ
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2022/10/18 06:27:29