#この記事は2007年夏の話ですので、既に情報源としての利用価値は無いものとご承知おきください
#「東北の旅報告 その11 9日目 湯殿山と蔵王お釜」(2008年1月公開→その後経年により公開中止)を、一部修正のうえ新規記事としてアップし直したものです
#今とは記事のスタイルや文体が全く違ったり、写真もネガ特有の柔らかさのある描写だったりと雰囲気がかなり違っていますが・・・(当時は今とは逆で、文章がメインで写真はオマケだったので)
● バイパスから外れて旧道へ
前夜は道の駅「月山」で車中泊。この日の天気は快晴とは行かないまでも晴れ。今回の旅では豪雨の後遺症に悩まされはしたものの、天候そのものには結構恵まれていると言えるだろう。
まず道の駅「月山」構内を散策。少し期待していた蕎麦屋は11時からの営業とのこと。まあ今日は蕎麦処である山形近辺を通るのでどこかでお蕎麦も食べられるだろう。

(写真:道の駅「月山」)
そして駐車場と国道を挟んだ、道の駅駅舎へ向かうと…何と道の駅のメインはワイナリー。
早朝だったこともあり、製造ラインはストップしていましたが、売店はフライングでオープンしていたので、晩酌用に小ボトルを購入しておきます。

(写真:道の駅駅舎)
さてここ道の駅のある国道112号は、前後を高速道路と繋ぐかたちでバイパスが整備されており、山形-鶴岡は快適な走行が楽しめるのですが、今回は敢えて旧道へ入って行きます。
先ずは道の駅のある朝日村まで移動し、少し寄り道がてら散歩してみます。ここ朝日村は出羽三山の宿坊街としの役割を果たした寺院が点在し、周囲の農村風景とマッチして良い味を出しています。

(写真:農村風景)

(写真:寺院)
そして少し山形方面へ進んだ田麦俣には茅葺き民家が2軒残っており、一軒は民宿、もう一軒は一般公開されているということなので立ち寄ってみたいと思います。
ここの茅葺き民家は「かぶと造り」と呼ばれる屋根に特徴があり、何でも屋根裏で養蚕を行うために改造されたものだとか。
そういえば利用できなかった道の駅「月山」横の蕎麦屋もこの建物をモチーフとした造りになっており、なかなか良い雰囲気を出していた。

(写真:かぶと造りの茅葺き民家)
駐車場に車を止め、先ずは民宿へ。一般公開のほうの茅葺き民家も民宿が管理を受託しているようで、民宿で入館料だけ払ってあとは無人の茅葺き民家を自由に見学するシステムになっています。
民宿の玄関で声を掛けると、つやつやした肌の元気なおばあさんが温かく出迎えでくれて、田舎っていいな~って気分にしてくれます。
そしていよいよ茅葺き民家の内部へと入っていきます。

(写真:玄関付近)

(写真:内部)
内部には昔のくらしの道具などが展示されており、その質素な暮らしぶりを見ていると、現代の豊かさについていろいろと感じさせられるものがあります。また床の間の掛け軸などからこの地域の出羽三山信仰がよく伝わってきます。
そしていろいろ感じさせられるといえば…

(写真:壁面)※画像にぼかし加工をしています。
実質無人状態で公開しているのだから仕方がない…となるのかもしれませんが、こういう事が目立つともう見学させて貰えなくなってしまうかも知れません。それに暖かく出迎えてくれた民宿のおばあさんにも申し訳ないとは思わないのでしょうか。非常に残念に思います。
再び民宿に顔を出して、おばあさんにお礼を言ってから次へ向かいます。おばあさんから丁重な旅への労いのお言葉を受けて、暖かい気持ちで旅を続けます。
● 温泉の山 湯殿山
次は出羽三山の残り一つ(月山神社は既に冬眠に入っているので、今回は前日に訪問した弥陀ケ原で月山はクリアという事にします。)である湯殿山へ参拝します。
一旦バイパスを走行し、湯殿山近くから再び旧道で湯殿山ホテル横にある湯殿山有料道路入り口へと向かいます。ここの有料道路は少し道幅の狭い山道といった感じです。

(写真:湯殿山有料道路)
有料道路は途中の大駐車場で終わり。ここから湯殿山神社までは徒歩またはバス利用になるのですが、時間の制約とバス道路を歩かざるを得ないということを勘案しバス利用としました。
ちなみにバス道路以外にも参道はあるのですが、行者道であり一般人は通行禁止になっています。

(写真:大鳥居と参篭所)
バスを降りて湯殿山神社へ向かう途中に、月山への登山口もあり、昨日の弥陀が原まで縦走することも可能なようです。

(写真:月山登山口付近)
登山口のすぐ脇に御祓所があり、そこで参拝料を支払って御祓いを受け、紙の人形を流してから参拝です。しかも参拝は素足で行います。
更にここの神社は写真撮影は禁止されています。なかなか厳格な神社だなと思いながらいよいよ参拝開始です。
#写真撮影は禁止なので、当然ながら写真はありません。今回撮影した写真は写真撮影禁止のエリア外を撮影したものであり、撮影禁止エリアは写っていないはずです。また写真の掲載にあたっては再度確認を行い、観光案内のパンフレットを基準にし同様な写真が掲載されていることを確認したうえで掲載しています。
「何故、素足?」…と思っていたのですが、その理由は湯殿山神社の御神体(ここの神社は御本殿や御本尊の類はありません)に答えがあり、お湯を踏んでその御神体に昇って参拝すことになるからなのですが…
この御神体については、昔は参拝後にそれを語ることすら禁止されており、松尾芭蕉もただ「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」とだけ詠んでいる神秘の山です。今回はそういった趣旨を踏まえて敢えて詳細な記録は避けることとします。
ただ感想を述べると、日本古来の自然信仰を感じることの出来る場所であると感じます。それに湯殿山という名の通り温泉と関わりのある場所ということでも親近感を沸く場所でした。
参拝を終えると足湯があり、神聖なお湯で足を清めて参拝終了となります。神聖な気持ちでバスに乗り込み、大駐車場へと戻ります。
さて再びエクスに乗り込み…といいたいところですが、ここ湯殿山にはもう一つ気になる施設があります。
大駐車場に隣接して参篭所お寺でいうところの宿坊にあたる宿泊施設です/上の鳥居の写真の左手の建物)があり、その中でこの神聖な温泉に日帰り入浴できるとの事なので、朝風呂に立ち寄ってみたいと思います。
受付で入浴料を支払い、階下の御神湯へ向かいます。途中に綺麗で明るい近代的浴室がありましたが、こちらは宿泊者用の普通のお風呂。目的の御神湯は地下の物置のような業務用スペースの奥にありました。
しかし朝風呂などと軽い台詞で考えていましたが、ここでの入浴は参拝の一つの形であり、独特の厳かな雰囲気の中での入浴となりました。
「御神徳に預かるための湯」なので洗い場の類は無し。石鹸類やカミソリの使用禁止、窓もなにも無く、神棚のみがある浴室で温い茶色の湯にひたすら浸かるといういかにも御神徳がありそうな雰囲気でした。
なお飲泉所もあり、こちらは浴用とは別の源泉が引かれているとの事。さらに男湯と女湯でも源泉が違うとか。東北の温泉だけあって、源泉も豊富なようです。

(写真:御神湯の説明)

(写真:浴室の神棚)

(写真:浴槽)

(写真:張り紙)
そして入浴を終えロビーへと向かう途中、階段の横の業務用スペースが見えたのですが、山菜がつるしてあったり、山菜用洗濯機があったり、胡麻豆腐を作るために胡麻摺機が作動していたり…


(写真:胡麻擂り機と山菜洗濯機)※業務用スペースなので一部のみアップにしています。
そしてこの山菜や胡麻豆腐はここの食堂で出している食事に…相当なスローフードですね…これは食べないわけにはいかないでしょう。本当は山形まで行ってからどこかで名物のお蕎麦を食べようと思っていたのですが。
と、いうわけで急遽ここで食事をとっていくことに決定。まあ朝食を食べ損ねていたので丁度良かったです。
ロビー横の食堂へ入ると、昔の国民宿舎の食堂のような設備で、係のおばさんたちが寛いでおり、食事をしたいと申し出ると、注文を聞かれた上で隣の座敷(宴会場?)へ通された。
食事が運ばれてくるまでのあいだ、湯上がりということもあり、広々とした座敷で食事が運ばれてくるまで休憩となった。
そしていよいよ食事が運ばれてきました。

(写真:食事)
見た目は地味ですが、しかしこれは「究極のスローフード」。
美味しくないはずがありません。小鉢まで含めて味付けも中々のモノです。そして山菜や胡麻豆腐は期待を裏切ることのない絶品です。
あと天ぷらに謎の具があり、後で係のおばさんに尋ねるとアケビとの事。アケビを食べたのは初めての体験でした。
当初この蕎麦定食で¥1575という価格に躊躇したのですが(これでも一番安い)、充分に納得の出来るモノでした。
最後に受付でお会計をし「斎食料」という有り難い言葉で書かれた領収書を頂いて、湯殿山を後にします。
● 庭園を眺めて板蕎麦を
再び湯殿山有料道路を経由して、国道112号まで戻り、バイパスを快適に山形方面へ走って行きます。途中の月山ICからは高速道路扱いになるので、一般道を山形方面へ走ることにします。地域的にそこまで酷い渋滞に巻きもまれることもないだろうという判断です。
高速道路と分岐してしばらく走ると、ナビに道の駅「にしかわ」の文字が見えたので、そこで休憩。月山湖のダムを眺めながら暫し休息をします。ただここの道の駅、ナビの表示では道の駅となっていますが、そういった看板も無く、ただのドライブインのような雰囲気も漂っています。

(写真:ダム)
しばしの休息の後、再び山形方面へ走り出します。そしてしばらく走ると…「道の駅にしかわ」の看板。どうやらこちらが本当の道の駅のようだ。
別に道の駅巡りをしている訳ではないが、折角なのでこちらへも立ち寄ってみます。
この道の駅には「月山銘水館」のサブネームが付いており、その名の予想させるとおり…やはりお酒の工場が併設されていました。ただ地ビール工場とのことで、これから持ち歩きを考えると購入は断念。その代わりといってはなんだが、売店で地酒がカップ酒も含めて豊富に取りそろえられていたので晩酌用に数点購入しておきます。
…そんなこんなで少しゆっくりしすぎている感があります。
いや湯殿山で予定にない食事をとったために次のお蕎麦のためにわざとゆっくりしていた節もあるのですが…。
予定では今日は蔵王のお釜くらいまで進みたかったのですが、このペースではその手前の山形近辺でのお蕎麦の計画すら怪しくなってきます。思い切って今日の行程を山形までに縮小する手もあるのですが、旅の日数も残り3日と少なくなってきているので思い切って先へ進みたいと思います。
先ずコンビニへ立ち寄ってお蕎麦屋さんの情報を収集。ここから一気に高速で山形蔵王ICまで走り、そこからお釜へと向かう途中で食べられる店をサーチします。少し営業時間ギリギリになりそうですが、三百坊というお店をチェック。とりあえず行ってみてダメなら、蔵王近辺は結構蕎麦屋激戦区のようなので、他を探してみることにします。
で、出発。これから蔵王方面へ昇っていくことを勘案し、ガソリンだけ満タンにして走り出します。ちなみに蔵王のお釜から先の行程はあまり考えておらず、宮城方面へ抜けるのか、はたまた山形方面へ戻ってくるのか、あるいはお釜近くで車中泊となるのかはまだ決めていません。とりあえずお釜だけ見て、近くの温泉を探して…それから考えようということです。
山形蔵王ICから西蔵王高原ライン方面へと走っていくと、至る所に蕎麦屋の看板が出ており、かなりの蕎麦激戦区の模様。
そんな中で、今回のめあての三百坊は脇道に入り、農道のような道を通って…少し不安になって来た頃に、ビニールハウスなどがある農家の庭先のような駐車場に到着。車を止めて、お店の方に歩いていくと…

(写真:外観)
立派な庭園に囲まれた古民家が佇んでいました。
先ずはLO時間まで5分程度となっているので、お伺いを立ててみます。声を掛けると…「一人?…う~ん、普通の板蕎麦で良ければどうぞ!」との有り難いお言葉。暖かい親戚のウチに遊びに来たような雰囲気の座敷へと通されます。

(写真:内部)
メニューを見てみると…

(写真:メニュー)
一人の場合、どちらにせよ板蕎麦しか選択肢がなかったわけで、全く問題は無かったということになるだろう。
そして庭園を眺めつつ、蕎麦茶を頂きながら、お蕎麦が運ばれてくるのを待ちます。

(写真:庭園を眺めながら)
しかし庭園も古民家も立派で素晴らしいです。静かなひとときを究極の癒しの空間で過ごすことができました。
そしていよいよ板蕎麦とのご対面。大きさがわかるようにお箸を置いてみましたが、並なのに通常のもりそばの2~3倍くらいありそうなボリュームです。ちなみに運んできてくださったご主人(?)の言によると普通の蕎麦の二人前弱との事。

(写真:板蕎麦)
そして店の方も色々と親切で、良い感じのお店だと思います。LOギリギリに駆け込んだにも関わらず…。
正直なところ湯殿山の蕎麦定食からあまり時間が経っていないこともあり、お腹は少し悲鳴を上げています。もしも残すようなことになれば…と、少し辛い気持ちになります。
しかし食べ始めると…そんな事は吹っ飛んでしまいました。いやむしろ大盛りでも良かったかと思えるくらいで…。
決して奇をてらった訳でもなく、オーソドックスな二八蕎麦なのですが、自己主張しすぎない素直な味わいでスルスルお腹へと入っていきます。
お腹は確かに悲鳴を上げているのかもしれませんが、そんな事は些細なことで…結局そば湯まで綺麗に平らげてしまいました。
味・ボリューム・接客・建物・雰囲気・周辺環境…どれもがほぼ満点なのではないでしょうか。非常に満足のいく食事ができました。
● 霧との戦い…蔵王お釜
さて腹ごしらえも十二分にして、次はいよいよお釜へと向かいます。
ただこの段階で2つほど心配事があり、1つはお釜へと繋がる蔵王ハイライン有料道路の営業時間、もう1つは日があるうちにお釜までたどり着けるのかということ。ナビの到着予定時刻はまあ問題無さそうな時間が表示されているのですが、途中の蔵王エコーラインこと県道12号が結構曲がりくねった道のようなので、予想時刻に到達できるかは全く不明です。(ナビは単純に距離÷平均時速で計算しており、道の良し悪しは計算に入っていない)
とりあえず蕎麦屋を出てすぐの西蔵王高原ラインの料金所のおじさんに聞いてみると、蔵王ハイラインは特に営業時間は存在しないとのことなので一安心。もう1つの心配事の所要時間については料金所で観光地図を配布しており、それを見る限りナビの到着予定時刻と大差なく到着できるようなので、とりあえず行くだけ行ってみることにする。
まあダメならお釜の駐車場で車中泊するくらいの覚悟はあるので…。
先の2つの心配事は解消され、軽い気分で蔵王エコーラインを走っていきます。快適な2車線道路で、交通量も少なく対向車すらあまり走ってきません。気持ちよく快走し続けられます。(エクスは飛ばす車でもありませんが…)

(写真:蔵王エコーラインを走る)
しかし標高を上げるにつれ、次なる心配事が浮かんできた。…天気は大丈夫なのか!?

(写真:雲行きが…)
最後の蔵王ハイライン有料道路に入る頃には、辺り一面の霧。完全に雲の中に突入してしまったみたいです。
肌寒い山頂の駐車場に車を止め、お手洗いを借りにレストハウスに入ると…直後に閉店の案内。ただ観光バスも多く停車していたので、観光の時間としてはギリギリ許容範囲だったようだ。
そしてお釜の見える展望所へ歩いていく途中、観光バスで来たと思われるバッヂを付けたオバサンたちが駐車場へと戻っていきます。
その中の一人が「あ~ら、あなた残念ねぇ~。今ちょっとだけ見れたのよ。ま~あタイミング良かったわ。ホント残念ねぇ、あなた。」と声を掛けてきた。そしてこの発言に大人気なく少しムッと来てしまい、意地でもお釜を見てやるぞ!という闘志がメラメラと沸き上がってしまったのだった。まあ後でこれが吉と出るのだが…。
そしてお釜が見えると思われる方向を見てみるも…(霧の中だとどの方向に見えるかわかりにくい)

(写真:お釜を見る1)
「チーン」…と言いたいところですが、オバサンも「ちょっとだけ見れた」と言っているのである。雲の動きのタイミング次第ではもう一度くらいお釜を見れるチャンスがあるだろう。あのオバサンを見返してやろう!という闘志が気長に待つというチョイスを後押しする結果となったのだった。
そして霧の中、吹き付ける風の寒さに震えながら待つこと10分(…この10分は長かった)

(写真:お釜を見る2)
少し見えてきました。…しかしあっという間に再び雲が迫ってきて、再び霧の中。
折角ここまで来たのだからと、ベストショット目指して、もう少し粘ってみることにします。いや…あのオバサンに対する闘志がこの選択をさせたのかも知れない…。
日暮れを気にしながら、しばし待ってようやく今回のベストショットとなりました。

(写真:やっと見えたお釜)
しかしこの直後に再び厚い雲に包まれてしまい…おそらくこれが今日最後のお釜展望だったのではないかと思います。
折角なので日暮れまでの間、厚い雲の中、刈田岳山頂まで散策してみます。

(写真:刈田岳山頂)

(写真:刈田岳山頂付近)
なんとも不気味な光景で、他に人もおらず…一種の肝試しのような雰囲気でした。
● 遠刈田温泉へ
お釜を見れたことに満足し、薄暗い道を宮城県の遠刈田温泉へ向かって下りていきます。日暮れの早さと風の冷たさに季節の移り変わりを感じながら…
この近辺には遠刈田温泉の他にも多くの温泉がありますが、営業時間の関係などで今回は遠刈田温泉に照準を合わせます。
遠刈田温泉に到着したときには既に真っ暗。手持ちのガイドブックをもとに公衆浴場へ向かうのですが…見あたらない!?
よく探してみると、本来なら公衆浴場があるはずの場所に「神の湯」という真新しい温泉施設が建っているではないか。駐車場も有料でしかも自動管理タイプである。更に既に閉まってはいるが観光案内所まで併設されている立派な観光温泉の雰囲気である。

(写真:神の湯)
しかしこの神の湯は綺麗すぎて、少々躊躇してしまう。何せ東北を旅し続けているので秘湯や湯治場、古典的な公衆浴場に慣れてしまっているうえ、温泉も塩素臭かったりすると今ひとつサッパリしないのである。
そうは言っても、新しい施設というだけで、何となく躊躇してしまうのも良くないと思い、思い切って突入。
すると施設こそ新築されているものの、内部はシンプルな公衆浴場そのものである。番台のおばさんに聞いたところ、昔の公衆浴場が老朽化したので建て替えたとの事。
結構賑わっていたので、内部の写真はありませんが、浴槽はガイドブックに載っていた昔の公衆浴場の浴槽を真似て作られているシンプルなもので、あつい湯とぬるい湯の2つの浴槽があり、交互にのんびり浸かります。
他のお客さんも地元の人が多く、雰囲気も公衆浴場そのもの(あと石けん類の備え付けも無いです)。新築の清潔感と公衆浴場の雰囲気を兼ね備えた素敵な温泉でした。
さて温泉でサッパリしたところで、車中泊地探しと遅い夕食にしたいと思います。
明日以降は磐梯方面へ向かう予定なので、車中泊は遠刈田温泉から少し南下した道の駅「七ヶ宿」に決定。
そして夕食なのですが、時間が時間なのでこの近辺では飲み屋しか選択肢が無さそうです。コンビニも覗いてみたのですが、ローカルコンビニということもありあまり魅力ある弁当類は無し。ただ元が酒屋のようで色々と面白い地酒があったので、特に気になった1本を買い求めます。これが今晩の晩酌となったのでした。
結局夕飯は白石の市街地まで出て食べることにして出発。しかし白石も大きな街ではあるが、この時間では郊外型の店しか無く、夕食は吉野家、その後ブックオフで立ち読みという何とも旅とかけ離れた行動をとることに…。
やはり旅も長くなってくると無意識にいつもの都会生活を求めるようになるのかも知れません。
そして道の駅「七ヶ宿」まで走って車中泊準備を完了させ、晩酌。ここ道の駅「七ヶ宿」は携帯の電波があるか少し心配だったのですが、バッチリ3本アンテナが立っています。やはり夜間の非常事態に備えて、携帯が使えない場所では晩酌は避けるべきでしょう。飲んでしまうと非常時に運転して移動することができませんから。
で、先ほど見つけた面白い地酒とはスパークリング日本酒。一昨日の旅ブログで、あるお友達の方から頂いたコメントでスパークリング日本酒が話題になっていたこともあって、地酒のスパークリング日本酒に手が伸びた次第であります。

(写真:蔵王酒造「風の乙女」)
銘柄は蔵王酒造「風の乙女」。純米でしかも低いアルコールと旅先での晩酌にもってこいです。味のほうは日本酒独特のとっつき難さは無く、日本酒というよりスパークリングライスワインとでも言うのでしょうか、ただ酒粕の存在が日本酒の濁り酒であることを主張します。「あまり日本酒は…」というひとでも気楽に飲めるお酒ですね。
さて前日に続いて、今日も湯殿山・板蕎麦・お釜と充実した旅となりました。
#オリジナルの記事に頂いていたコメントを紹介します
妙延寺さん 2008年1月28日 19:00
見覚えのある個所が沢山ですねえ。
しかし、落書きは世界に行っても悪い癖ですね日本人は。ノートでも置いておく方がいいかな。
湯殿山でのお風呂は意外でしたねえ。料理はおいしそうで、機会があれば食べてみましょう^^。
三百坊なる蕎麦屋もそうですが、一軒家みたいな座敷から景色を見ながら蕎麦をいただくのが新発見でもあります。町中の店では経験できません。
しかし、国道4号の吉野家からまた七ヶ宿に戻るのは御苦労様でした。
内容の濃い旅でまとめるのもちょっと苦労ですね^^
湯殿山は5月の連休前に除雪するので、雪の壁を体験できます。
風の乙女ですか、自分は一回で飲んだら死んでしまいます。
コメントへの返答 2008年1月31日 0:18
落書き…確かにノートとか置いておくのが良いかも知れません。個人的にこういう落書きは恥をさらしてるだけのような気がします。
湯殿山…ここは色々な意味で興味深い場所でしたね。雪壁も体験したいです。
蕎麦屋…確かに。都会ではなかなか経験できませんよね。味やサービスも重要ですが、こういう環境的な要因も店の評価に影響しそうです。
吉野家…折角遠回りしたので、もう少し凝ったものでも食べたかったのですが…。でも偶には街の空気を吸ってみるもの良いものだと感じます。
確かにまとめるのも苦労ですが、折角の旅の記録ですから、こういう形でまとめて置くのも良いかと思います。また旅先でのブログも生の声の記録ですから、みんカラをやっていたことで、旅の記録を残すには良い影響を受けていると思います。
風の乙女…日本酒らしからぬ低アルコールなので一度お試しあれ^^