
本日は待ち時間が多いので、思い付くままに時間潰しで何か書いてみようと思ったところ、ふと「B級グルメ」なるコトバを思い出し、それ系で攻めてみようかなと。ここ数年来「B級グルメ」に関するTV番組も多く、Webサイトやブログ、ガイドブックが相当数出回っているが、自分のように金が無い人間にとっては、昔からB級グルメしか食ったことがないと言っても過言ではない。むしろ、たまの記念日なんかで高級なモノを食べると、お腹が超驚いて腸の調子が超調子悪くなったりする。つか、味オンチなので何を食べても美味しいんだけどね。そこで、家内の実家への帰省途中やツーリング、サイクリングでよく行く、房総半島のB級グルメをまとめてみよう。って、誰がこれを見て店に行くんだか(笑)
※タイトル写真は竹岡ラーメン「梅乃家」
【竹岡式ラーメン・梅乃家】
房総ご当地ラーメン代表。スープはとらず、豚バラを煮込んだ醤油を、麺を煮たお湯で割るだけ。しかもその麺は乾麺で薬味はタマネギという、聞いているだけではまったく美味そうではない。しかも真っ黒いスープとヨレヨレの乾麺と大量のチャーシュー(煮豚)という強烈なビジュアル。しかし、妙に中毒性のある美味さ!店は田舎の国道沿いに建つ、ぶっちゃけボロボロの掘建て小屋で、海風がビュービュー吹き抜ける立地。店員は全員がオバちゃんで、言葉遣いも荒い(房総弁は荒く聞こえる)。しかし、房総出身者にとっては、このコミュニケーションがまるで自宅にいるようで、心落ち着くらしい。好き嫌いが完全に別れるが、僕は昔から中毒患者。問題は年々ひどくなる行列か。昔から通っている人間にとっては、昨今のもの凄い行列はちょっと驚き。
衝撃の竹岡式ラーメン・梅乃家
【宮醤油】
R127の佐貫町から鹿野山に向かう交差点にある作り醤油屋。そもそも千葉県は銚子や野田をはじめとして醤油の生産量が日本一なのだが、もうハッキリ言うと、ここの醤油を使うと、他の量産メーカーの醤油に戻れない。上記の梅乃家も、ここの醤油を使うからこその美味しさなので、醤油の風味がこれほど美味い(大豆の風味がきいていてしょっぱくない)のかと再認識できる。しかも、現地で買えば決して高くない。いや、この味ならむしろ安いのでは。建屋も創業当時の面影を残した由緒ある旧い木造で素晴らしい。ラムネがキンキンに冷えているので、暑い夏に鹿野山まで自転車でツーリングに行った時はぜひ立ち寄って腰に手をあててラムネを飲み干そう。ここはB級というよりは知られざるA級かも。
真剣に美味い醤油・宮醤油
【焼きそば・志保沢】
今をときめく富士宮焼きそばがナンボのものかと。房総のとんでもない田舎にポッツーンとある焼きそば屋「志保沢」。“専門”ってのが凄い。だってメニューは焼きそばと焼きうどんしか無いんだもの。JR久留里線というローカル線の、さらに無人駅「平山」の駅前に建つ掘建て小屋(またかい)、そこに入ると350円から書かれたアナログな手書きメニューがお出迎え。駅前つったって、小さな駅舎とイチョウの木だけがある、思わず人を詩人にさせてしまう佇まい。昔はお婆ちゃんが一生懸命焼きそばを作っていたのだが、いつしかお婆ちゃんは亡くなり、おばちゃん(娘さんか?)が切り盛り。たまに犬が店に入って来る。小学生の時分に、どっかの犬が校庭に迷い込んできてしまったような、そんな意外性のある出遭い。
詩人になれる焼きそば屋・志保沢
【ホルモン・玉屋】
ここはまた凄い。何がって、その建屋はマジもんの掘建て小屋だ(また!?)。極端に低い屋根とボロボロの木造。しかも立地は、房総屈指のローカル線でもある小湊鐵道の踏切のそば、信号の無い交差点に建つ掘建て小屋から、もうもうと立ち上る煙の中に人がズラッと並ぶ異様な光景。「ここのホルモンを食べたことが無い人は、人生の半分を損している(c)松本幸四郎」らしい。こんな田舎にあるのに、全く予約がとれないことでも有名。でもそこまでしても食べる価値アリの、恐るべし掘建て玉屋。しかし、ここと上記の焼きそば屋は内房と呼べる場所ではないかもしれない。まあそこは適当なので許してほしい。
真性掘建て小屋・玉屋
【ザ・フィッシュ】
久里浜と金谷を結ぶ東京湾フェリー。三浦半島側の久里浜の方が都会なはずなのに、なぜか房総側の金谷の方が全然賑わっている。みんなが旅の途中ぽいワクワク感と、南房らしい明るさがあるからか?フェリー乗り場にある「ザ・フィッシュ」は、海に面した明るいレストラン。料理自体は、正直フツーの業務用のファミレス系の味で、そこはかとないB級感覚。しかし、そのモロ東京湾沿いの佇まいが何だかいいのだ。お土産屋さんやレストラン、パン屋やバウムクーヘン屋がぎっしり詰め込まれ、中でもバウムクーヘンと黒糖まんじゅうは美味い。土産センターは試食が多く、無意味に盛り上がる。用も無いのに旅人風情を味わいたくてつい寄ってしまう。
ここらでは一番オシャレなザ・フィッシュ
【隠れ家イタリアン・ロッシーニ】
ここはB級ではなく、明らかにA級の美味しい店。木更津と巌根のちょうど中間あたり、自衛隊近くの住宅街の中にひっそりと建つシチリア料理「ロッシーニ」。以前は木更津港のそばにあり、寂れたシャッター街を通って木更津駅から歩いていったものだが、今では郊外の南欧風の一軒家となった。南イタリアとシチリアの料理を房総の素材で再現した料理はどれも華やかで絶品。雰囲気、接客ともにオススメ!
うら寂しい場所にあるが華やかなイタリアン・ロッシーニ
【夢のカレー】
内房沿いの国道127号を走ったことのある人なら必ず目にしたであろう「夢のカレー」の巨大看板。「忘れられない味です!」「日本一うまいカレー!」などと、全く根拠の無い自信にあふれた怪しい看板を見れば、B級グルメ好きなら条件反射で吸い込まれるようについ入店してしまう。棺桶に片足を突っ込んでいるようなヨボヨボの翁がたったひとりでカチャカチャとカレーを作っている。テーブルの上には「水です」と張り紙がされたポットとテンコ盛りのタマネギのスライス、そしてテーブルの下には白内障気味の瞳でじっとこちらを見つめる小型犬。B級を通り越してC級感満載だ。老店主によると、夢のように美味しいカレーという意味ではなく、夢に出てきたレシピで作ったカレーであるらしく、そこだけ妙にメルヘンチック。しかしカレーはフツーに美味い。
店主がお亡くなりになってしまう前に急げ浜金谷へ!
【カフェ・岬】
とにかく立地が凄い。R127の鋸山トンネルの脇道を入り、ガタガタ道を少し進むと、海っぺりの崖に張り付く掘建て小屋つーかプレハブ小屋。一見頑固そうだが、実は優しくて話し好きのおばちゃんが迎えてくれる店内には、アナログアンプで鳴らすジャズやブルース、オールドロックが流れ(リクエストにも応えてくれる)、湧き水で入れた美味しいコーヒーを飲み、売り切れ御免の手作りバナナアイスを食べながら海に落ちる夕陽を眺めていると、ここでも危うく詩人になってしまいそうになる。実は一昨年に火事に遭い、元の店舗だった掘建て小屋が全焼してしまったのだが、常連客や有志が寄付を募り、プレハブ小屋を再建した。今後もずーっと残ってほしい。
おばちゃんと語ろう!カフェ岬
【ニコニコドライブイン】
そのふざけた店の名前と同様に、外観もかなりふざけている。国道127号の竹岡付近、海っぺたのトタン作りの掘建て小屋には、異様に横長の看板にやけに稚拙な字でデカデカと「ニコニコドライブイン」と書かれている。少なくとも、全然ニコニコできない雰囲気であるが、ここの地魚料理はとにかくCPが高い。内房の地魚は種類が多く、その日に揚がった魚によってメニューが変わる。聞いたこともない魚があったら迷わず注文すべし。すぐ近所に「ばんや」「漁師料理かなや」といった、大規模な有名店があるのだが、そこらには負けない美味さなのである。いや、CPと新鮮さではむしろ勝ってるかも。
ある意味見た目でニコニコ
おっと、書いてる時間が無くなってしまった。内房系は他に、他では食えないフワッフワのアジフライと新鮮なアジのたたきが絶品の「さすけ食堂」、地物のアナゴ天丼が美味しい木更津の「やまよ」や、東京湾の貝を使った貝丼の、富津岬「たかはし」、ぷりぷりエビが死ぬほど沢山入ったエビそばで有名な安房勝山の中華「住吉飯店」、黄金アジが絶品の「磯料理・マルゴ」等々B級グルメ店は色々あるので、気になる方は是非お調べくださいまし。もちろんA級な店もたくさんありますよ。
南房系やよく行く外房系・山奥系は、また後日にレポートするので、乞うご期待!って、誰もこんなもん待ってないと思いますが(爆)。もしリクエストがあって、気が向いたらまた書きますんで。
■お断り
上記で紹介した店は、あくまで個人の味覚と「ちとオモシロい」感覚に基づいてますんで悪しからず。それと、どの店も間違いなくドライブデートや家族旅行には不向きです。だって、ほとんどの店が掘建て小屋だもんね…。
※追記
・【外房篇】は
こちら
・【内陸編】は
こちら
・【南房篇】は
こちら
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Posted at
2013/04/05 17:41:53