
首都圏のJRの架線やケーブルが相次いで放火され、都心の交通網を震撼させた事件で「自称ミュージシャン」の男が容疑者として逮捕されましたが、自分も「自称ミュージシャン」「自称クリエイター」という思い切り胡散臭い商売なだけに、こうした資格の要らない職種で「自称」を語ることで世間からの視線が痛い今日この頃です。
さて、その自称クリエイターもここ2ヶ月以上休みが無かったことは前回のブログに記しましたが、取材や出張も多いので、まあ半ば遊んでいるようなものです(いや決して違う^^;;;)。取材で
美女とツーリングしたり、同じく取材で
美女と真夏のナイトパーティに遊びに行ったりしておりまして、そうした取材の下見とロケハンを兼ねて、以前から気になっていた房総・浜金谷にある合掌造りの古民家カフェを9月5日に訪ねてみました。
春先に仕事で重傷を負ってからバイクでの長距離ライドは控えていたのですが、後遺症にも慣れてきて少しずつ乗れるようになってきたので、軽量で小回りの効くYAMAHA WR-Xで向かいます。
久々の出番だレッドウィ〜ング!!
・・・と思ったけど、今回は10年使い込んでいるアルパインスターズのモトクロスブーツで。
運動量が多いモタード(スーパーモト)は、やっぱモトクロブーツの方が安心感があるし操作もしやすいっす。ハーレーに乗る時はエンジニアブーツがバッチリなんですが。
途中立ち寄った道の駅にはたくさんのツーリングライダーが。手前のDucatiとBMWは君津の
シルヴァバードのステッカーが貼ってあります。自分も20年以上お世話になっているショップで、ショップオーナーの牧野功氏は自分の師匠的存在。
おっと、左のBMW R800のチェーンは右出しなんですね。以前に所有していたKTM 640LC4と同じです。
こちらはそのSilverBird牧野師匠が創ったオリジナルマシン「
ISM-07R」です。高剛性で軽量なオリジナルフレームに、やはり軽量でトルクフルなDucatiの空冷Lツインエンジンを搭載し、オリジナルデザインの外装を驕られたスポルティーヴァ風のマシンに仕上がっています(動画制作とBGM作曲は不肖私です)。
浜金谷の国道127号線沿いにある古民家カフェ「
カフェ エドモンズ」に到着!
内房のR127はそれこそしょっちゅう通る道ですが、2,3年前からここに佇むガチな合掌造りが気になっていました。お店のマスターに聞いたところによると、飛騨高山から築230年の合掌造りをこの場所に移築(!)したそうです。
店内に足を踏み入れた瞬間、土間に積まれたコーヒー豆の木樽がお出迎え。店内はめっちゃいい香りです。
土間の奥には小上がりと囲炉裏が。磨かれて黒光りする木材と年代物の柱時計が、忘れ去っていた日本住宅の現風景を思い起こさせてくれます。
まるで時間が止まったような落ち着いた雰囲気の中、にこやかなマスターの「どこでもお好きな場所にどうぞ」とのお言葉に、ブーツを脱いで店内全体が見渡せる席に座りました。なんだか亡くなった婆ちゃんちに来たみたい。
この写真の奥が厨房とカウンターになっています。
ふと上を見ると、梁には葛飾北斎の富岳三十六景が飾られています。しかしこの梁、すごい木材ですよね。漆喰もキレイに手入れされています。
店内を観察してみると、色々と興味深いコーヒー用のマシンが置かれています。これは恐らくイタリア製の旧いマシンで、銅板とブラス材を叩き出して造られています。パーツのひとつひとつに繊細な装飾が施されていますね。
こちらは豆を挽くマシンでしょうか。鋳物のガワがレトロな造形美です。
これだけ色々と拘っているようなので、コーヒーの味にも期待が持てます。多彩なメニューの中から、まずは基本の「本日のおすすめコーヒー」と「ブルーマウンテン」をオーダーしてみました。
しばらくして運ばれてきたのは、何と意外にもシンプルなコーヒープレス。これで淹れる方がコーヒーそのものの味と香りが楽しめるんでしょうかね…こっこれは!うう美味いっ!!口に残るような酸味や苦みや雑味がまったく無く、スッと入っていきます!主観なので詳しく書きませんが、鼻から抜ける香ばしくて柔らかいアロマ、自然な甘みとコクなのにスッキリとしたキレ、大げさではなく、こんな美味いコーヒーは初めて飲みました。
個人的に大好きな街・
ナポリで飲むコーヒーと
沖縄のコーヒー農園で飲んだコーヒーが一番美味いと思ってましたが、それらとはまた違う味わいの美味しさです。これがコーヒー豆本来の優しい味なのか。まるで日頃の緊張から解き放たれ、ふと癒されるような味わいと香りです。
※ブログに掲載する許可を頂いて撮影しています
店内を見ると、ひとりで来店されている方も多く、ゆったりとした時の流れとコーヒーを楽しんでいるようです。
東京湾フェリーの発着場でもある浜金谷はもともと大好きな街で何度も訪れているんですが、将来は自分も都会の喧噪と昼夜土日ナシで分刻みという長年の慌ただしい仕事から逃避(?)して、人に喜んでいただけるような仕事をしたく、南房総への移住とショップ開店を真剣に考えているので、こうしたコンセプトは非常に勉強になります。最近ではパブリシティにも上手く露出されていて、集客やバイラル効果にも貢献しているようです。
せっかくなので、合掌造りの階上も見せていただきました。階段を上がってみると、そこは合掌造り独特の小屋束が無い扠首構造の広々とした空間。マスターの趣味なのか、興味深い絵画が何枚も保管されています。
まるで230年前の空気がそこにあるような空間に座り、深呼吸してみます。木材と畳の匂いにコーヒーの香りが鼻をくすぐり、ここでアコースティックギターでも奏でてみたくなるような空間。
マスターとひとしきり話した後、再度取材と撮影に訪れる承諾を頂きました。プライベートでもまた行くと思います。
駐車場からは合掌造りの屋根の切れ目から鋸山が顔を覗かせていました。
ひいてみよう、鋸山。
帰路には同じくR127沿いにある作り醤油蔵の「
宮醤油」に立ち寄って醤油を購入。ここの醤油はメーカー量産品とはまったく違う、大豆の風味と旨味がきいた逸品です。
宮醤油の建屋も築180年以上のリアル古民家です。古いものを大事に使うことこそエコですよね。
古い車にペナルティとして税金をかけようなんてもってのほかっす(-_-#
帰宅してタイヤを見てみたら…既に終わってました…しかもサイドが7mmほど使い切れてない…このタイヤでサーキット一度も走ってないしな(汗
リアタイヤは交換してから3,000kmで終了です。このDUNLOP α-13は純正のブリヂストンBT090に負けず劣らずいいタイヤですが、どちらもライフが短か過ぎかと。まあ、ハイパフォーマンスラジアルタイヤの宿命っすね。
タイヤは命に関わるので、すかさず交換しときました。脊椎の後遺症と相談しながら、久々に箱根に行ってみようかな。
「カフェ エドモンズ」は先日NHKの『
ハルさんの休日』で放送されたようです。ご興味のある方は、房総ツーリングやドライブの際に訪れてみてはいかがでしょう。
ちなみに自分は名前が夏輝なので『ナツさん』です。どーでもいいことですが。
…つか、俺は仕事で行ったので休日じゃねっす。