
ウン十年前に中型免許をとって初めて買ったバイクはYAMAHA RZ250でした。それからオフやエンデューロ/モトクロスにハマり、限定解除してからはDucatiやKTMといった外車の乗り味、サーキット走行にもハマり、10数台のバイクを乗り継いで、昨年になって再び250ccに帰還。ブッちゃけのところ、車検が面倒になったことと、マンションの駐輪場が狭く大型バイクを押し引きしての出し入れが億劫になってきたことが原因です(トシですな…)。去年まで所有していたKTM640もオイル漏れや再三のバッテリーあがり等のマイナートラブルがあったため、信頼性の高い国産メーカーのライトウェイトで俊敏な250にスケールダウンすることにしました。
候補モデルはYAMAHA WR250Xの一択で競合モデルはナシ。2007年にデビューした頃からその本気の高性能ぶりはネットや誌面で知っていたし、どうせ250になってパワーダウンするのであれば、モタードやオフ車が好きな自分にはコレしか選択肢がない状況でした。しかし、購入前に念を入れて近所のYSP店でホワイトの試乗車を調達。確かに250なりのパワー/トルクだが、気になるほどパワー不足ではない。いや、むしろ町中ではかなり速い!ってなワケで、KTM640を下取りに出して昨秋に新車を購入。

YSP店で乗った試乗車
無事納車され、早速ナラシのツーリングに茨城・房総へと向かいます。今までのオフ車とは一線を画する高い質感と手応えは、さすがに少々お高いだけありますね。アイドリングは、今までの4スト250ccシングルの「トントントントン…」という牧歌的なものではなく、「ドルルルル…」という異次元のもので、否が応でも高回転・高出力の高性能さを感じさせます。しかし、やたらに回りたがるエンジンはナラシ走行にはキツい(汗)。
ナラシ中に気付いたことは、フルアジャスタブルの前後サスとシャシーの素晴らしさ。従来のオフ車のように捻れたり腰砕けになったりすることが全くありません。問題なのはケツの痛み。ほっそーくてかったーいシートは三角木馬そのもの。ちなみに乗る時はモトパンやレザーパンツの下にサイクルジャージ履いてます。7Lチョイしか入らないガソリンと併せて、これじゃ長距離は難しそう。ちなみによく言われる足付きの悪さは、身長175cmの自分では両足ベッタリですが、170cm以下だとちょっとツンツンするかも。車体が軽いので万一グラッときても余裕で支えられますが。

ナラシツーで早くもケツ痛が…
1000km走ってオイルとエレメントを交換し、同時に最初のモディファイ。リヤ周りをフェンダーレス加工し、ナンバー灯をLED化。さらにホイールにイエローのリムテープを貼りました。このリムテープは二輪車用ですが、各色あるのでクルマにもお手軽なモディファイとしてオススメです。19インチ用は無いかもしれませんが。また、着座位置を上げてコーナリング時の体重移動をしやすくする為、輸出仕様車用のハイシートに交換。これでシート高が更に高くなって足付きが劣悪になりましたが、軽いので片足でも楽勝です。

フェンダーレスのプチモディとリムテープ
昨年は秋から冬のいい季節にかけ、毎週のように乗り回し、ワインディングを攻めまくりました。250とは思えない速さとハンドリングと高剛性で、タイトな峠ならリッターバイクを楽勝でカモれます。中速ワインディングでポルシェ996C4とバトルして勝った(これこれ)こともありました。今まで乗っていたどのバイクよりも、タイトワインディングが速く走れます。これホント。ただし中〜高速ワインディングでは、大排気量車の加速には足元にも及びません。そりゃ250だしね。

秋〜冬はサイコーっす
マシンの性格上、のんびりトコトコと走ることや長距離ツーリングには向きませんね。ケツ痛を誘発する細くて固いシート、立ったポジションは高速巡航がキツく、軽さ最優先のためタンク容量が少なく航続距離は200kmしかありません。それでも、シングルながらパワフルで振動が殆ど無いので、風圧さえガマンすれば1ぬぅあkm/hぐらいまでなら高速巡航もなんとかイケます。これは既存の250オフではできなかったことですね。
タンデムはハイシートにすれば想定外に楽です。いや、決してツアラーほどには楽ではないけど、往復300kmのタンデムツーリングにも行きました。基本設計がオフ車なので、フラットなダートや林道にもガンガン入っていけます。前後フルアジャスタブルのサスをセッティングすれば、サーキットもかなりのペースで走れてしまいます。故障は今のところありません。

ガレてなければ林道ツーも楽勝
スタイリングは非常に満足。もともとYAMAHA車のデザインはGKダイナミクスが手掛けているので、国産車の中でも群を抜いている(あくまでデザイナーとしての個人的感想)と思っていますが、現代的なシャープさとオフ車ならではのスリムなシンプルさを纏ったWRは文句無くカッコいい。ケニー・ロバーツを彷彿とさせるイエローのUSインターカラーも好みです。
1年間で8,500kmと、長距離に不向きなバイクながら結構乗ったと思います。確かに価格は250にしてはお高いですが、エンジン・シャシ、サスの全てに金がかかってます。この価値と高性能さが分からないと、ただ単に割高の250バイクでしかありません。こうした設計思想はポルシェにも通じますね。ですので、バイク歴の長いベテランにはオススメできます。もちろん、バイク初心者がこうした高性能車からバイクライフに入ることは素晴らしいと思います。
弱点と気になる点も記しておきます。
・少ないガソリン容量に於ける航続距離の短さ
・ボルトナット類はユニクロメッキで質は高くない
・提灯のように暗いヘッドライト
・100kmも走るとケツが割れる細くて硬いシート
・荷物積載能力はほぼゼロでやんす
総評として、個人的には250のベストバイです。このバイクが気になっている方や欲しいと思っている方には、自分の価値観に於いて楽しさは全面的に保証します。とはいえ、よく言われている「リッターもカモれる」は明らかに言い過ぎ^^;
ウン十年前に乗り回していた2スト250ccバイクに跨がる時のワクワク感、それを思い出させてくれるバイクです。中身がガキなオッサンがさらにガキに戻ってしまいます。来年はDIYで少しカスタムしてみますか。
【追記】
2014年秋の15,000km時点でエキパイをPower Boxに交換してエアクリーナーボックスを加工し、ワインディングでコケて貴重なインターカラー外装のナラシも終了した(泣)ので、外装をホワイトに交換しました。Power Boxはイイです!ノーマルマフラーは重いけど静かだし出来は良いので換えてません。
国産車はパーツも安く入手も容易でメンテは全て自身で行っているので非常に安上がりです。しかしタイヤは既に5セット目…。(現在はDUNLOP α-13を装着)
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モーターサイクル | クルマ
Posted at
2013/11/15 18:35:58