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Nackyのブログ一覧

2013年04月05日 イイね!

房総ドライブ・B級グルメ列伝【内房篇】

房総ドライブ・B級グルメ列伝【内房篇】本日は待ち時間が多いので、思い付くままに時間潰しで何か書いてみようと思ったところ、ふと「B級グルメ」なるコトバを思い出し、それ系で攻めてみようかなと。ここ数年来「B級グルメ」に関するTV番組も多く、Webサイトやブログ、ガイドブックが相当数出回っているが、自分のように金が無い人間にとっては、昔からB級グルメしか食ったことがないと言っても過言ではない。むしろ、たまの記念日なんかで高級なモノを食べると、お腹が超驚いて腸の調子が超調子悪くなったりする。つか、味オンチなので何を食べても美味しいんだけどね。そこで、家内の実家への帰省途中やツーリング、サイクリングでよく行く、房総半島のB級グルメをまとめてみよう。って、誰がこれを見て店に行くんだか(笑)
※タイトル写真は竹岡ラーメン「梅乃家」

【竹岡式ラーメン・梅乃家】
房総ご当地ラーメン代表。スープはとらず、豚バラを煮込んだ醤油を、麺を煮たお湯で割るだけ。しかもその麺は乾麺で薬味はタマネギという、聞いているだけではまったく美味そうではない。しかも真っ黒いスープとヨレヨレの乾麺と大量のチャーシュー(煮豚)という強烈なビジュアル。しかし、妙に中毒性のある美味さ!店は田舎の国道沿いに建つ、ぶっちゃけボロボロの掘建て小屋で、海風がビュービュー吹き抜ける立地。店員は全員がオバちゃんで、言葉遣いも荒い(房総弁は荒く聞こえる)。しかし、房総出身者にとっては、このコミュニケーションがまるで自宅にいるようで、心落ち着くらしい。好き嫌いが完全に別れるが、僕は昔から中毒患者。問題は年々ひどくなる行列か。昔から通っている人間にとっては、昨今のもの凄い行列はちょっと驚き。
衝撃の竹岡式ラーメン・梅乃家


【宮醤油】
R127の佐貫町から鹿野山に向かう交差点にある作り醤油屋。そもそも千葉県は銚子や野田をはじめとして醤油の生産量が日本一なのだが、もうハッキリ言うと、ここの醤油を使うと、他の量産メーカーの醤油に戻れない。上記の梅乃家も、ここの醤油を使うからこその美味しさなので、醤油の風味がこれほど美味い(大豆の風味がきいていてしょっぱくない)のかと再認識できる。しかも、現地で買えば決して高くない。いや、この味ならむしろ安いのでは。建屋も創業当時の面影を残した由緒ある旧い木造で素晴らしい。ラムネがキンキンに冷えているので、暑い夏に鹿野山まで自転車でツーリングに行った時はぜひ立ち寄って腰に手をあててラムネを飲み干そう。ここはB級というよりは知られざるA級かも。
真剣に美味い醤油・宮醤油

【焼きそば・志保沢】
今をときめく富士宮焼きそばがナンボのものかと。房総のとんでもない田舎にポッツーンとある焼きそば屋「志保沢」。“専門”ってのが凄い。だってメニューは焼きそばと焼きうどんしか無いんだもの。JR久留里線というローカル線の、さらに無人駅「平山」の駅前に建つ掘建て小屋(またかい)、そこに入ると350円から書かれたアナログな手書きメニューがお出迎え。駅前つったって、小さな駅舎とイチョウの木だけがある、思わず人を詩人にさせてしまう佇まい。昔はお婆ちゃんが一生懸命焼きそばを作っていたのだが、いつしかお婆ちゃんは亡くなり、おばちゃん(娘さんか?)が切り盛り。たまに犬が店に入って来る。小学生の時分に、どっかの犬が校庭に迷い込んできてしまったような、そんな意外性のある出遭い。
詩人になれる焼きそば屋・志保沢

【ホルモン・玉屋】
ここはまた凄い。何がって、その建屋はマジもんの掘建て小屋だ(また!?)。極端に低い屋根とボロボロの木造。しかも立地は、房総屈指のローカル線でもある小湊鐵道の踏切のそば、信号の無い交差点に建つ掘建て小屋から、もうもうと立ち上る煙の中に人がズラッと並ぶ異様な光景。「ここのホルモンを食べたことが無い人は、人生の半分を損している(c)松本幸四郎」らしい。こんな田舎にあるのに、全く予約がとれないことでも有名。でもそこまでしても食べる価値アリの、恐るべし掘建て玉屋。しかし、ここと上記の焼きそば屋は内房と呼べる場所ではないかもしれない。まあそこは適当なので許してほしい。
真性掘建て小屋・玉屋

【ザ・フィッシュ】
久里浜と金谷を結ぶ東京湾フェリー。三浦半島側の久里浜の方が都会なはずなのに、なぜか房総側の金谷の方が全然賑わっている。みんなが旅の途中ぽいワクワク感と、南房らしい明るさがあるからか?フェリー乗り場にある「ザ・フィッシュ」は、海に面した明るいレストラン。料理自体は、正直フツーの業務用のファミレス系の味で、そこはかとないB級感覚。しかし、そのモロ東京湾沿いの佇まいが何だかいいのだ。お土産屋さんやレストラン、パン屋やバウムクーヘン屋がぎっしり詰め込まれ、中でもバウムクーヘンと黒糖まんじゅうは美味い。土産センターは試食が多く、無意味に盛り上がる。用も無いのに旅人風情を味わいたくてつい寄ってしまう。
ここらでは一番オシャレなザ・フィッシュ

【隠れ家イタリアン・ロッシーニ】
ここはB級ではなく、明らかにA級の美味しい店。木更津と巌根のちょうど中間あたり、自衛隊近くの住宅街の中にひっそりと建つシチリア料理「ロッシーニ」。以前は木更津港のそばにあり、寂れたシャッター街を通って木更津駅から歩いていったものだが、今では郊外の南欧風の一軒家となった。南イタリアとシチリアの料理を房総の素材で再現した料理はどれも華やかで絶品。雰囲気、接客ともにオススメ!
うら寂しい場所にあるが華やかなイタリアン・ロッシーニ

【夢のカレー】
内房沿いの国道127号を走ったことのある人なら必ず目にしたであろう「夢のカレー」の巨大看板。「忘れられない味です!」「日本一うまいカレー!」などと、全く根拠の無い自信にあふれた怪しい看板を見れば、B級グルメ好きなら条件反射で吸い込まれるようについ入店してしまう。棺桶に片足を突っ込んでいるようなヨボヨボの翁がたったひとりでカチャカチャとカレーを作っている。テーブルの上には「水です」と張り紙がされたポットとテンコ盛りのタマネギのスライス、そしてテーブルの下には白内障気味の瞳でじっとこちらを見つめる小型犬。B級を通り越してC級感満載だ。老店主によると、夢のように美味しいカレーという意味ではなく、夢に出てきたレシピで作ったカレーであるらしく、そこだけ妙にメルヘンチック。しかしカレーはフツーに美味い。
店主がお亡くなりになってしまう前に急げ浜金谷へ!

【カフェ・岬】
とにかく立地が凄い。R127の鋸山トンネルの脇道を入り、ガタガタ道を少し進むと、海っぺりの崖に張り付く掘建て小屋つーかプレハブ小屋。一見頑固そうだが、実は優しくて話し好きのおばちゃんが迎えてくれる店内には、アナログアンプで鳴らすジャズやブルース、オールドロックが流れ(リクエストにも応えてくれる)、湧き水で入れた美味しいコーヒーを飲み、売り切れ御免の手作りバナナアイスを食べながら海に落ちる夕陽を眺めていると、ここでも危うく詩人になってしまいそうになる。実は一昨年に火事に遭い、元の店舗だった掘建て小屋が全焼してしまったのだが、常連客や有志が寄付を募り、プレハブ小屋を再建した。今後もずーっと残ってほしい。
おばちゃんと語ろう!カフェ岬

【ニコニコドライブイン】
そのふざけた店の名前と同様に、外観もかなりふざけている。国道127号の竹岡付近、海っぺたのトタン作りの掘建て小屋には、異様に横長の看板にやけに稚拙な字でデカデカと「ニコニコドライブイン」と書かれている。少なくとも、全然ニコニコできない雰囲気であるが、ここの地魚料理はとにかくCPが高い。内房の地魚は種類が多く、その日に揚がった魚によってメニューが変わる。聞いたこともない魚があったら迷わず注文すべし。すぐ近所に「ばんや」「漁師料理かなや」といった、大規模な有名店があるのだが、そこらには負けない美味さなのである。いや、CPと新鮮さではむしろ勝ってるかも。
ある意味見た目でニコニコ

おっと、書いてる時間が無くなってしまった。内房系は他に、他では食えないフワッフワのアジフライと新鮮なアジのたたきが絶品の「さすけ食堂」、地物のアナゴ天丼が美味しい木更津の「やまよ」や、東京湾の貝を使った貝丼の、富津岬「たかはし」、ぷりぷりエビが死ぬほど沢山入ったエビそばで有名な安房勝山の中華「住吉飯店」、黄金アジが絶品の「磯料理・マルゴ」等々B級グルメ店は色々あるので、気になる方は是非お調べくださいまし。もちろんA級な店もたくさんありますよ。

南房系やよく行く外房系・山奥系は、また後日にレポートするので、乞うご期待!って、誰もこんなもん待ってないと思いますが(爆)。もしリクエストがあって、気が向いたらまた書きますんで。

■お断り
上記で紹介した店は、あくまで個人の味覚と「ちとオモシロい」感覚に基づいてますんで悪しからず。それと、どの店も間違いなくドライブデートや家族旅行には不向きです。だって、ほとんどの店が掘建て小屋だもんね…。

※追記
・【外房篇】はこちら
・【内陸編】はこちら
・【南房篇】はこちら
Posted at 2013/04/05 17:41:53 | コメント(3) | トラックバック(0) | グルメ/料理
2013年04月02日 イイね!

Dreamland(最終章)【真冬の日本海】

Dreamland(最終章)【真冬の日本海】【書きなぐるままの短編小説】Dreamland(3)~真冬の日本海


25才の真冬、僕は弟が住んでいる街を訪ねて金沢にいた。上野駅から夜行寝台特急「北陸」号で、まだ暗い早朝の金沢駅に放り出された。ホームに降り立った瞬間、頬を切るような寒風と冷たい空気に、たまらず反対側のホームに停まっていた七尾線の3両編成の電車に飛び乗った。弟との待ち合わせは昼過ぎだったし、電車の中は暖かいしで、この電車で何処かに行ってみようと、眠い頭で考えていた。やがてけたたましい発車ベルが鳴ると、小学生的な色彩センスで悪趣味なカラーリングを施された電車は、モーターのうなりをあげてゆっくり走り出した。車内は部活の朝練に向かう高校生達に占拠されており、やたらに真っ赤なほっぺたをした丸刈りの野球部員や、制服のスカートの下にエンジ色のジャージを履いたバレーボール部員を乗せ、ギャーギャーと賑やかに話し声が飛び交うまま、能登半島に向けてガタゴトと走り続けた。


30分ほど走っただろうか、途中の駅で高校生が一斉に下車してしまい、その車両には生きてるのか死んでるのかわからない爺さん婆さん達が何人かと自分だけになった。この時間に一人で乗っているヤング(?)が珍しいのか、ジジババとやたらに目が合う。時おり停車してドアが開くと冷気が流れ込んでくるが、シート下のヒーターに暖められ、途中に海をチラチラと見ながら、真冬の朝の光の中を電車はゴトゴトと走り続けた。眩しいはずなのに、朝日が頬に当るとまぶたがくっ付く。


しばらく走ると「次は羽咋、羽咋、終点でございます」というアナウンスにハッとして飛び起きた。既に車内には自分一人となっており、やがて電車は枯れ野の中のポイントを斜めに渡り、終点の羽咋駅へと滑り込んだ。そしてそこは、絶望的なほど何も無い街だった。急行も停車するほど大きい駅のはずなのだが、真冬の朝のキラキラとした光の中、その街は朝っぱらから死んでいた。駅前には何処とも分からない行き先が書かれた無人の路線バスが1台、ガラガラとアイドリングしている。タクシー乗り場には見るからにヒマそうな客待ちタクシーが2台、朝のラッシュの時間帯だというのに、行き交う人はまばらで、駅前にある小さな店は全てシャッターが閉まったままだ。暖をとろうにも、朝食を摂ろうにも、とにかく店が開いていないのだ。そんな中「ようこそ海と寺のまち・羽咋へ」という大きなモニュメントが寂しげだった。

ふと駅前に、「レンタルバイク・レンタサイクル」という看板を見つけ、サビが浮き出たシャッターをガシャガシャと叩いてみた。朝食途中だったのか、口をモグモグさせながら不機嫌に対応に出て来たババァは、僕が客だとわかると突然にこやかに変身し、開店前ながら快くスクーターをレンタルしてくれた。それは、普段自分が好きで乗っている2ストスポーツバイクとは違い、パワーも無くタイヤの空気も抜けかけた原チャリだったが、乾いた排気音をまき散らしながら、僕を乗せて朝の海岸線に向かって走り出した。能登の真冬の朝の空気はイヤというほど冷たく、あまりの寒さで指先の感覚は無くなり、目には涙を浮かべ、耳と鼻はちぎれて後ろに飛んでいった。それでも、井上靖の小説「北の海」の主人公・耕作のように、日本海沿いの小道を走り続けた。 生まれて初めて見る冬の日本海は、見慣れた東京湾や湘南の海とは、趣をまったく異にしていた。想像していたよりも波は静かで荒々しさこそ無いものの、こってりとした緑がかった海面の色や、見たこともない雲の形は、どことなく不安な気持ちにさせるには充分だった。車が1台しか通れないような軽便鉄道の廃線跡の小道は、左手に海を見ながらどこまでも続いていた。


ひと気の無い漁村を超え、軽便鉄道の踏切跡をまたぎ、夏には海の家として使われているような、この場所に似つかわしくないオシャレな、しかし寂れた白い洋館の庭先をかすめ、僕はどこまでも走り続けた。すると突然視界が開け、そこには黄土色の美しく広い砂浜と、相変わらず不安な色をたたえた海原が広がっていた。穏やかな波が細かい砂に打ち寄せては引き、昇り始めた太陽が海面に反射する中、僕は二匹の子犬が自分に向かって駆け寄ってくるのを見た。転がるように走り寄ってきた、耳と鼻先が黒ずんだその子犬たちは、僕が何も食べられる物をもっていないと知ると、僕の顔をかわるがわるペロペロと舐めて、再び転がるようにじゃれ合いながら走り去っていった。そしてその後を、まるで子犬の兄弟のように追いかける幼い少女。そこには腐ったオトナ達の邪念など微塵も無く、陰謀が渦巻く都会の慌ただしさのカケラも無い、少女の純粋な心と小動物が触れ合う、平和で穏やかな夢の国だった。


自分がたどり着けたDreamlandは、この3回を含めてほんの数回だけだ。だからこそ、こうしたまだ見ぬ世界を目指し、いつまでも走り続けるのだろう。そしてジジィになっても、そうした冒険心は決して忘れたくはない。金では買えないものは、きっとある。

〜 ネタ切れのため連載(?)強制終了^^;
※その(1)はこちら
※その(2)はこちら
Posted at 2013/04/02 17:01:48 | コメント(3) | トラックバック(0) | モーターサイクル | 日記
2013年03月31日 イイね!

Dreamland(2)【ゴールデンウィーク最終日】

Dreamland(2)【ゴールデンウィーク最終日】【書きなぐるままの短編小説】Dreamland(その2)~ゴールデンウィーク最終日


21才のゴールデンウィークの最終日、僕はその年のGWも特にどこにも行かなかった脅迫観念から、とにかくどこかに行きたかった。いや、心の中でGWは何となくどこかに行かねばならないと、ガキの頃から心に決めているといったほうがいいのかもしれない。思い立ったら大急ぎで昼飯をかき込み、ガレージのYAMAHA RZ250に跨がると、都心から関越道に乗り、五月晴れの空の下を北東の方向に向け走っていった。とにかく知らない場所を走れるなら、行き先などどこでもよかった僕は、途中の名も知らぬインターチェンジで関越道から下りると、田舎道を気ままに走り続けた。起伏の少ない東京と千葉で生まれ育った自分にとって、関越道周辺のアップダウンの続く道や、遠くに山々を抱く風景は新鮮だった。当てもなくワケもなく走り回っているうちに、陽が西に傾きはじめ、辺りは少しずつ暗くなってきた。と同時に、気温も急激に下がり始め、昼間の汗ばむ陽気につられてポロシャツ1枚という軽装でここまで来てしまったことを悔やみ始めた。暗いし寒いし空腹だしで、妙に心細くなり始めた僕は、とりあえず帰ろうと思い、さらにスロットルを開け走り続けた。


気が付くと、僕は群馬のはずれの見渡す限りの田園風景の田舎道で、完全に道に迷ってしまっていた。陽はとっぷりと暮れて、あたりは真っ暗闇。民家はほとんど無く、街灯は数百メートルおきにポツリポツリと灯る切れかけの水銀灯だけだ。まるで提灯のように心細げなバイクのヘッドライトに照らし出される道はやけに狭く、フロントフォークが激しく上下するほど路面が良くない。恐らく、あぜ道にアスファルトを流しただけの簡易舗装なのだろう。もし、この暗がりの中、路面に大きな段差やヒビ割れがあれば、RZ250では転倒してしまうだろう。僕は肩に力を入れたまま、イヤな緊張感とともに何処ともつかない田舎道を、姿の見えない幹線道路を目指して走り続けた。ようやく農家と思える民家を見つけ、最寄りの高速道路インターチェンジへの道のりを尋ねてみると、かなり離れてしまっているのか、説明にも困っている様子で、道のりを聞いていてもサッパリ分からない。とりあえずの礼を言い、言われた方向へと再び走り出した。心細さと辺りの暗さ、そして空気の冷たさの中、家で心配して待っているであろう家族の顔や、明日の朝には大学の1時限目の教室にいなければならない焦りなどが一気にこみ上げ、半ベソ状態だった。田んぼでやかましいほど大合唱しているカエルとオケラの声だけが、自分を励ましてくれているようだった。

次の瞬間、遠くの低い位置に一筋の明るい星が見えた。走るにつれその星は次第に近く大きくなり、やがてそれは、この土地を走る路線バスだと分かった。こんな時間にもう最終バスなのだろうか、赤く照らされた行き先表示灯には「沼田駅」の文字がボンヤリと見えた。良かった、このバスについて行けば、少なくとも沼田の街に出ることができる。そしてそこから関越道までの道を探せばいいのだ、と少し安堵した。前をガタガタと走るバスに、古びたディーゼルエンジンの排気煙を浴びせられながらも、僕は明朝寝坊する言い訳をボンヤリと考えていた。と、次の瞬間、バスの薄暗い車内に、鋭い赤紫色の光線が走った。その「次停まります」と書かれた小さな赤紫色のランプは、座席に座っていた小さな子供が懸命に手を伸ばしてボタンを押したのだった。

しばらく走ると、今にも崩れそうな木造の小屋があるバス停に停車した。小屋には、由美かおるが太ももとパンツをエロく見せている「アース渦巻」のブリキの看板と、浪花千栄子が思いっきり笑いながら小瓶を差し出す「オロナイン」のブリキの看板が、点滅している蛍光灯に暗く照らし出されている。


炭酸飲料の栓を抜くような音とともにバスの扉が開き、親子連れと思われる三人が降り立った。父親を中心に小さい子供が二人、遠くに見える民家の灯りの方角に向け、ゆっくりと歩き出した。父親の吸うタバコの火が、暗闇の中で大きくなったり小さくなったりしている。その瞬間、ここは少しも暗くて寒い場所なのではないと悟った。ここは彼等にとっての温かい地、自分達のふるさとなのだ。ちっとも寂しい土地などではない、温かい家族が住む、温かい土地なのだ。ふと見上げると、夜空には満点の星空と天の川、そして遠くには美しい山々の稜線が、蒼い月の光に照らされてクッキリと浮かび上がって見える。そう、そこは偶然にたどり着いた夢の国だった。さあ、先に走り去ってしまったバスを追いかけ、またひとっ走りだ。僕だって、自分の街に帰らなければならないんだ。


〜 その(3)に続く(…かもしれない…^^;)
※その(1)はこちら
Posted at 2013/03/31 08:27:24 | コメント(1) | トラックバック(0) | モーターサイクル | 日記
2013年03月28日 イイね!

Dreamland(1)【夏の終わり】

Dreamland(1)【夏の終わり】【書きなぐるままの短編小説】Dreamland(1)~夏の終わり


夏の終わりは、いつだって秋の終わりよりずっと寂しい。
17才の夏の終わり、その夏の最後の熱帯夜になる日だった。当時、自転車に夢中になっていた僕は、バイト代をつぎ込んで買った、大切なツーリング用のランドナーを盗まれたばかりで、失意のドン底にいた。その失意の中、悪友が買ったばかりのYAMAHAミニトレ50をなかば奪うように借りると、強烈な午後の日差しが降り注ぐ中、自宅から房総半島に向け走り出した。それまでスクーターにしか乗ったことがなかった自分は、その「ギア付」モーターサイクルにすぐに夢中になった。当時の原チャリはノーヘルでもOKで、延々と続く京葉工業地帯を右に見ながら、スレスレを追い抜いていくダンプやトラックの風にヨロけ、舞い上がるホコリが目に入って涙を流しながらも、夏の終わりの陽光の中を南に向かって走り続けた。


しばらくすると、あれほど同じような煙突と工場の続いた風景も終わり、道路も片側1車線となって田舎じみてきた。右手には東京湾がきらめき、最後の海水浴を楽しむ若者や家族連れの姿も見える。僕は海沿いの国道から、何の気なしに左に曲がってみた。そこは、今までに一度も通ったことのない田舎道だった。周囲はほとんど田畑か雑木林で、辻に集落がポツポツとあるぐらいで、すれ違う車もほとんどない。集落を通り過ぎる時、庭に枯れかかったヒマワリのある大きな農家から、虫取り網を持ったガキんちょが俺に向かって手を降っている。僕は妙にいい気分になって走り続けていると、急にエンジンの調子がおかしくなって咳き込み始め、とうとう止まってしまった。汗だくになりながら、足が折れると思うほど何回もキックしても、エンジンは一向に息を吹き返す気配もない。「ヤバい、壊しちまった。奴にどうやって言い訳しよう…」と適当な言い訳を考えながらも、周囲には民家もほとんどない。汗をかきながらバイクを押してトボトボと歩いているうち、天の助けか小さいガソリンスタンドを発見した。大声で叫ぶと、サビだらけの店の奥から、麦わら帽子をかぶった初老のオッサンがメンド臭そうに出てきた。「バイクが壊れちゃったんだけど」と話すと、オッサンはタンクキャップを開けて中を覗きこみ、「ニイちゃん、ガソリンが入ってねーぞ」と、真っ黒に日焼けした顔でニヤッと笑った。その皮肉っぽい笑顔から覗く前歯は1本抜けていて、その顔に僕はなんだか妙に房総のイナカを感じてしまった。


ガソリン代の500円を払ってあっけなく息を吹き返したミニトレ50は、再び僕を乗せて房総半島を走り続けた。小さい交差点に差し掛かる度に、気ままに右に左にと曲がっているうち、すっかり道に迷ってしまっていた。道はどんどん細く暗くなり、とうとうジャリ道になってしまった。引き返すのもしゃくだったのでそのまま進み続けると、ジャリにハンドルをとられ転倒した。擦りむいたヒジをさすりながらも、薄暗い林の中の道をさらに進むと、突然視界が開け、そこには小さな湖があった。おそらく、訪れる人もほとんどいないであろうその小さな湖は、まるで社会の忘れ物のように、ポツンと存在していた。その湖水はどこまでも澄んでいて、水草が水面下にゆらめいている。それまで着ていた白いTシャツは、国道でダンプやトラックのディーゼルの排気ガスをたっぷりと浴び、汗をかきまくった上にホコリの中を歩いたことによって、すっかりドブネズミ色に変色していた。むき出しの腕は赤銅色に日焼けしてヒリヒリと痛む。僕はトランクス一丁になると、その湖面に身体をすべり込ませた。水はヒンヤリと冷たく、擦りむいたヒジに少しだけ水がしみたが、日焼けした腕には心地よい。背泳ぎでゆっくり泳いでいくと、時間はそこで止まっていた。聞こえる音は、遠くでさえずるコジュケイの声と、モリアオガエルやカジカの柔らかい鳴き声だけ。水草が背中をくすぐり、ときおり赤トンボが浮かんでいる僕にとまろうとイタズラをする。湖によって雑木林が丸く切り取られた空を見ると、うろこ雲が秋の訪れを告げている。傾きかけた太陽が、東の空と西の空を、まるでワインゼリーのように色分けして、そのうろこ雲を染めている。日常の感情を全て解き放ち、喜怒哀楽のどの感情にもシフトせず、ただありのままを受け入れる。それは、まさに「夢の国」だった。俺は、ガス欠や道に迷ったことによって、この時間にこの場所にいられる偶然に感謝した。そして僕は、この「夢の国」をずっと追い続けていこうと決心した。そう、モーターサイクルなら、またきっとそこまで行ける。

何年か後、中型免許をとってYAMAHA RZ250を買った僕は、その湖を探そうとしたことがあった。しかし、走っても走っても、どうしても見つけることができなかった。

誰も知らない湖は、確かに存在する。


〜 その(2)に続く 〜(←その2があるのか?^^;;;)
Posted at 2013/03/28 23:55:21 | コメント(1) | トラックバック(0) | モーターサイクル | 日記
2013年03月18日 イイね!

旧車イベントでハッピー

旧車イベントでハッピー週末の関東は早春らしい穏やかないい天気。自身は仕事で非常に忙しくしておりますが、昨日の日曜は仕事の合間に一瞬抜け出して、横浜の赤レンガ倉庫で催されたテクニカルショップ・ハッピー主催の旧車イベントに遊びに行きました。旧いポルシェとランボ、そして適度に手が入ったクラシックLotusの数々は、非常に大切にされているという印象でピカピカの個体ばかり。そんな眩しいLotus軍団の中にあって、会場の端っこにつつましく置かれている適度にヤレた(失礼!)Type65ヨーロッパS2が…みん友の†ヒュウ†さんでした。彼女の愛車・LEONA号、いかにも走り回ってる感じの飛び石キズやFRPのクラックのヤレ具合が超カッコいい。


†ヒュウ†さんはご自身で描かれたイラストを即売してましたが、どれも味のある素晴らしい作品ばかり!迷わずヨーロッパS2、Special、47GTのサイドビューを描いたクールなイラストをゲット。さっそく自分のデスクに飾ってます(写真)。以前にヨーロッパを所有していたので、懐かしい気分に浸れた日曜の午後でした。


ところで、金曜(3/15)に非常に嫌な気分になる危険な出来事があり、自分の胸だけにしまっておけないので記しておきます。その日のAM10時ごろ、所用で館山自動車道の下り線を走行中、袖ヶ浦ICを過ぎて木更津北ICに向かう3kmほどの長い直線区間で、遥か後方からパッシングをバシバシ浴びせつつ右に左にと乱暴に車線変更をしながら猛スピードで接近してくる最新型の白いマ○ェスタが。その時自分は追い越し車線を法定速度+αで走行していたのですが、瞬く間に真後ろに張り付かれて激しいパッシング。危険な運転をしている奴は相手にしない主義なので左に避けようと思ったところ、たまたま大型トラックが列をなしており左に入れず、トラックの隊列を追い越す為やむなく一時的にスピードを上げたところ、マ○ェスタは車間わずか50cmほどで激しく煽ってきます。あまりにもウザいのでようやく左に避けて抜かさせたところ、猛スピードで抜き去りながら、さらに前方の車を煽って蹴散らし消えていきました。
ここまでなら別に単なるアホなドライバーで済んだのですが、数分走るとナゼか先ほどの暴走マ○ェスタが追い越し車線をトロトロと走っているところに追いつきました。こちらも飛ばしてはいなかったものの、あえなく後ろについてしまい「さっきの煽りは何だったんだよ。ノロノロ走るなら左に避けてほしいな〜」と思っていたところ、何を思ったのか白マジェスタは目の前でABSを作動させるほどのフルブレーキング!明らかに追突を誘発させる危険行為に、ポルシェのブレーキ性能だから何とか追突せずに済んだものの、こちらも後の車を巻き添えにするところでした。そしてその後がひどかった…マ○ェスタは左右に大きく蛇行しながら自分をブロック。こちらは同乗者もいるし相手にもしたくないので、かなり速度を落としても、前方でこちらが追いつくのを待って、超悪質な嫌がらせの連続。中央分離帯や側壁へのギリギリの幅寄せ、直前でのフルブレーキ、目の前をナナメに横切ったりの嫌がらせオンパレードを10km以上に渡って何度も執拗に続け(マジ殺されるかと思った)、突然スピードを上げて君津ICで下りていきました。もし自分の暴走で周囲の車を巻き込んでしまったらとか、そんなコトも考えられないのか…つか、そもそも俺オマエに何かしたか?もしかすると煽られたと勝手に勘違いしたのかもですが、そーいう奴は自分は散々煽りまくるくせに、自分が後続車に接近されると必要以上に腹を立てるんですかね(苦笑)。独善的っつーか呆れるほど利己主義つーか。それほどアタマにくるのなら、自分の煽り運転が他人をどれほど嫌な気分にさせてるのか分かってると思うのに、のうたりんか真性バカなのか??

自分は高速ではあまり飛ばさない方だし、マナーの悪いドライバーに対してそれほど腹を立てる方でもありません(単に関わりたくない)が、そのマ○ェスタの暴挙には呆れ果てました。今思えば、スマホで撮影しておけばよかったかも。ドライバーは40才ぐらいと思われる、くっそダセー髪型に死ぬほどダサいセーターを着てマスクをした、きたねーオッサン。一応晒しておきますが、千葉ナンバーの白い最新型マ○ェスタ。テメーのことだよ。よそでそんな運転して、千葉ナンバーの恥さらすんじゃねーぞオイ。

腹立つこともあったものの、まあそれも公道で車やバイクに乗っていればよくあること。幸い事故も起こさずに済んだし、プチイベントぐらいにとらえて、後日に「バカなドライバーがいたよなー」と笑い飛ばすぐらいがいいかと思います。どんな高性能車に乗っていてもバカはバカで死ななきゃ治らないので、頼むから他車を巻き添えにしないで事故って勝手に死んでくれ。どうしても勝負したいのなら、サーキットでいつでも相手になりまっせ。こっちがポルシェで不公平つーなら、腕には多少の自信はあるんで、なんならサーキットで別にオメーの自慢のマ○ェスタと自分のケイマンを取り替えっこして勝負してもOKよん♪

※長文乱文乱筆失礼^^;
Posted at 2013/03/18 13:14:34 | コメント(10) | トラックバック(0) | よろず | 日記

プロフィール

「こうして見ると全く駅には見えない(上総川間駅)」
何シテル?   08/26 18:13
バイク、クルマ、音楽、スポーツ、酒、料理、雑学を愛する昭和の不良高校生のようなおっさんで、現在の愛車はスズキ ジムニー シエラとヤマハWR250Xです。機械いじ...
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