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イイね!
2024年04月04日

グリップ域最速とドリフト域最速でベストなLSDは違うっていう話。

ドリフトって言っても慣性4輪ドリフトね。

クルマはグリップ域ではベクタリングしてくれた方が速いです。左右輪で駆動力の配分をしてよりロスなくオンザレールに曲がる。
外輪多く回して内輪差をキャンセルするのみならず、さらに駆動力で外を押し車体を内側を向ければ、より速く向きが変わります。向き変えが苦手なノーズの重いフロントエンジン車には願ったり叶ったりの機能です。
そしてそれができるのは増速型のアクティブLSD。ランエボのアレとホンダのアレ。

最近流行りのESC流用ブレーキLSDは内側を減速させて曲げるのでロスがでて遅くなります。それが嫌でアクセルオンのままブレーキLSD使うとローター燃える。ブレーキで減速されるので感覚的にも前に進むんじゃなく失火したように減速して曲がる。アクセル踏んでるのにそんな挙動は論外。クルマに怒られるためにスポーツしてるわけじゃない。

それ以外だとトルセンも優秀です。増速でなく制限な分ロスはありますけど、安いし簡単で軽いので次点です。ですが効率では増速アクティブのアレには勝てません。つまりアレ最速。
ただし、アレも縁石やインリフトスライドで急変するのが難。滑らせちゃダメだし、外乱与えちゃダメ。そっちの領域、つまりドリフト域は話が違うのです。

慣性4輪ドリフト中はクルマが浮いたような状態です、浮き足だっている。それはふっと乗り心地が良くなったように感じることができます。スピンするとロードノイズが遮断されて夢のように景色が回るアレです。

通常タイヤは路面にトレッド面を叩きつけながら回転しているのですが、滑ってしまっていると、その叩きつけた反力をダイレクトに受けることなく、常に受け流している状態になう、とでも言えばいいでしょうか。
適切な例えは難しいのですが、グリップ状態ではゴムハンマーで路面を叩いた反発をゴツゴツとしたロードインフォメーションとして得ていて、滑っていると打撃が滑って力が逃げてしまった状態のようなもの、と言えるかもしれません。

そんなドリフト域ではベクタリングの効きが曖昧になります。タイヤが滑ってしまってますのでトルクかけてもっと回すと駆動力だけでなく滑り量が増えます。その比率が常に変化するせいで、計算通りに駆動力を配分できなくなってしまう。滑るとそういうことが起こります。

一般的に、滑っているときの駆動力配分は左右輪の荷重に因ります。垂直抗力×動摩擦係数という簡単な式で表されます。しかし実際には滑り量、荷重、路面のミューなど、この式以外の要素で駆動力が変わります。トレッドのエッジ効果などもありますし、ヒステリシスコンパウンドの温度でも変わる。つまりその変化量は状況次第で非線形だし、実際その要素は駆動力の大きさ、左右差、滑り量、回転数の変化、左右差、タイヤの磨耗状態、etcなので予測して十分な駆動マップをつくるのは実質不可能です。

そして、不十分な駆動変化はドライバーにとって一番嫌な偽情報になります。簡単に言えば操縦しにくく、挙動が読みづらい。アクセルオンで掛かっていたトラクションが抜けたり、戻ったり、オフでヨーが出たり出なかったり。それはとてもやりずらい。言うこと聞かないクルマのできあがり。

この状態ではできるだけシンプルに反応することが理想です。アクセルペダルで横と縦のGをバランスさせようとしているので余計な動きがでないことが重要。それにはもうベクタリングがない方がいいのです。と言うかデファレンシャル機構も無い方がいい。極論左右輪直結が一番わかりやすい。

直結状態は仮想的に1本のタイヤです。リヤで考えるとロードローラーのシリンダーみたいなぶっといタイヤ付けてると想像するとわかいやすいでしょう。実際には両端だけ残して真ん中抜いた1輪ですが。1輪なら回転量をアクセルで調節して前と横の動きをバランスさせるのは簡単。スリックカートがそれです。
※リヤリジッドFRがドリフトで意外と活躍できるのもその分かりやすさのおかげです。

ただ、直結はドリフト域では理想的だけどグリップ域では悪さ多いので、駆動やブレーキ力でロックする機械式が現実解。その他のLSDはロック力が足りず直結モドキにしかなりません。

また、グリップでもドリフトでもインリフト空転からの接地や縁石踏むなどで左右輪の駆動負荷が大きく変わったるとパワーが抜けたり、急に掛かったりしますが、その時悪さをしないことはかなり大事で、そこも直結、機械式が優れています。
ドライバーが予測して対応することもできますが、そういう余計な操作を要求され無い方が楽だしその余力を速さに使えますね。
ブログ一覧 | 駆動系 | クルマ
Posted at 2024/04/04 15:47:46

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MDiエンドウさん

この記事へのコメント

2024年4月4日 17:15
DR30時代に「曲がらない地獄」に陥ってましたw

ハの字シャコタンベタベタに空き缶スペーサでデフロックのR200。
前後ハイグリップで攻める七曲りはまっすぐドアンダーでしたw

でもノーマルサスでキャンバーを立てて、「雨の日」に攻める甲武トンネルは面白いように振り返しが決まりましたww
コメントへの返答
2024年4月4日 17:37
タイム、峠だと速さですけど、それとコントロール性は別ものだと分かるまで結構かかりますよね。
それで、世にある弄り方やパーツは速くならないとムダと思われてしまうので、ノーマルにそれ付けるとタイムアップするようにできてますが、それはグリップ域の話で、しかも単品で十分で複数やると逆効果っていう。
ノンスリだけのノーマルがなんかイイってのは大雑把にそういうことなんでしょうね。
やりすぎを加減しながら全体を整えていくのは時間かかりますから結果だけ求めるとつらくなります。
それ自体が楽しくならないとやめちゃいますよね。

プロフィール

「@IIcx@赤GF8 ん?ターボ配管はカンバレ(笑)
ガスケット厚と面研でインマニ幅とヘッド穴位置がズレるので今つけてるゲタ加工して段差消す。それでもボルト穴が合わない場合はラッシングベルトでインマニ絞って差し込む。
インマニ付けてからヘッドボルト締めるのはオススメしないかな。」
何シテル?   05/29 18:00
クルマ趣味は走る/直す/作る、一通りをできるだけ自分でこなします。Blogの過去記事には、今とは異なる考えの内容もありますので疑問に思ったらコメントなど頂けると...
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