
今回はECUでマップを弄っても一瞬遅れるならココ!って話。
あと、スピードスロットル制御(αN制御)の勘所もココなんじゃないかな。
まあ、スロットルを主軸に制御するならスロポジセンサーの精度と、開度変化量、サンプリングタイム(クロック)がカナメですってだけなんだけど。
A/F計はすごいね。燃調がズレてるってだけじゃなくていろいろわかる。
アイドリングで空ぶかしすると薄くなって濃くなってました。
暖気中、エンストしそうだから1発あおると、ピョンっと16くらいに薄まってじわっと戻る。2発あおるとピョンは同じだけどすぐ濃くなる。
音もね、ひと踏みだと乾いたいい音なんです、2回だとアタック音は同じだけど、そのあと太くなる。
煽り方で音が変わるのは、渡過域の燃調がずれているってことなんですねぇ。
A/Fメータで見ながら聞くと理解できるけど、耳だけでは気づけなかった。
じゃあ、直そう、アイドルみたいな低域軽負荷だから、非同期噴射を増やして、、、
はい完了、、、あんまり変わらない。(-_-;)
1発では乾いた音、2発で後半重くなる。そこが変わらん。
試走してみます。すると発進でわかりました。
そーっと開けると1発踏みみたいになります。つまり薄くなる時間ができている。(リーンスパイクっていうらしい)。これは非同期噴射が起こってない?
ログ見て確定。非同期噴射されていません。それは、スロットル変化量がマップの目盛り以下だから。閾値未満では渡過域の補正は入らないのです、そしてその値は2%。1発践むのでは2%に届いてなかったということです。
2%以上踏まないと非同期噴射補正入らない。でもスロットルはもっと小さい開度で吸入量が増えている。そりゃ薄くなるわな。
スピードスロットルとはいえ、うちのは吸気圧力センサついてますので、そこは反応してます。ほんのちょっと踏んだだけでスパッと大気圧まで上がる。4スロだから。
口径ちょっと小さいけど、開き始めは4倍開く。連装スロットルは微小開度でガバガバ開く超ビッグスロットルなんだな。
つまりここ、開き始めを細かく見てやってあげないと連スロは発進でむずがるし、スピードスロットル制御でするならスロポジの値だけでなく、スロットル変化量まで細かく詰めないとだめってこと。のようだ。
バタフライバルブは非線形で全閉からの開口変化が大きいから細かくセットアップしないとだめってことだ。
ところでなぜ最小値が2%なのか?それはVproのデフォルト設定がそうだからなだけ。つまり、大概のエンジンは2%で十分てことかもしれない。それはシングルスロットルだったり、連スロでもDジェトロかLジェトロなら難なく合うということなんだろう。
むしろこれ以上細かいとスロットルポジションセンサーからの電圧変動があったとき誤作動しやすいとか、誤作動対策的にそういうことにしているんじゃなかろうか。
Vproってチューニングカー用でもパワーアップするターボカーをDジェトロ制御させるのがメインターゲットだろうから、それでいいんだろう、推測だけど。
でもうちのは4スロのスピードスロットル制御。つまりスロットル信号が命ってことだから、そこをもっと精緻に取らないと綺麗に制御できないってことかもしれない。
ちなみにDジェトロなら吸気管圧、Lジェトロならエアフロ信号とVQの精度が命。
なので、対処はスロポジセンサーの信号電圧安定の範囲で(この安定度を上げることも大事)、スロットル開度変化の最小値を小さくすること。
スロットル開度自体は0.1%単位で取れてる。でも0.1単位では開け閉めすると少しズレる。ただしスロットル開度で決める基本マップ類は最初の行がゼロから始まっているのからそのままで大丈夫。
問題はスロットル開度変化で書かれる渡過補正マップ。これが最小値以下では補正されない。なのでまずは最小値を1%にした。半分ね。
あんまり小さくするとクルマの振動でペダルやワイヤが揺れても補正が入ってくるから、それはそれで良くない。(渡過補正入るとA/Fフィードバック学習ができないから詰められない)ノイズ対策とのいい塩梅を見つけないと。
マップ値の修正は自動でやってくれた。まあ最小行以外はコピペでズラせばいいんだけど、自動でやってた。なお、対象マップは非同期噴射、加速増量1、加速増量2、点火加速補正。あと減速側の補正もあるけど使ってないからそのまま。
ところでこれ、量の目盛りを細かくすることになるのだが、これは「変化量」に対するもの。「変化」には時間を要するわけで、時間分解能の方でもできる、というかレスポンスで見るならそっちも大事だろう。
アクセルをポン、と踏むとスロットルが動く。ECUの目の細かさの限り、今の値をとれるけど、変化量はどれだけの時間にするかを設定しないといけない。
そしてそれが画像の設定画面で決められるスロットル変化量算出周期時間。デフォルトは50msec。
これはつまり非同期噴射や加速噴射はどうやったって50msec遅れるってことでもある。
アイドルで秒間10回転から20回転して、5~10回燃焼してるエンジンの0.05秒は1発目の燃焼に向けた噴射が間に合うかどうかギリギリ、ハイアイドルだと間に合っていない。(圧力補正だけになる)
でもこっちはマップが自動計算してくれない。そしてたとえば50msecを25msecにすると変化量は単純には半分になるが、実際にはもっと小さい値にしかならない。変化がリニアに立ち上がらないから、拾える最初の変化値は半分以下になるはず。
このへんは試してやっていくしかない。一応理屈を検討してから試してみる。
原理的にはスピードスロットならスロットル信号をより細かい目盛りと時間分解能で精緻に掴めればより精緻に制御できていくはず。スロポジセンサのズレやノイズ、遅れの問題はあるのでそこが悪さしてこない程度まで追うのがいいのかな。
ところで、非同期噴射だけど、これは「スロットルのプラス変化を検出した際、最初に一度、噴射タイミングを待たず全シリンダーに噴射する」機能なんだけど、「最初」ってなんだろう?
変化量算出周期時間で、プラス変化が最小値以上になったら発生し、その周期で1%,
2%,5%増えたらその行のセル値で噴くのはわかる。でもその次の周期でもっと、例えば10%増えたらまた噴くのだろうか?それとも10%の値からさっき噴いた量を減らして噴くのだろうか?(いや1回と明記してるからこれはなさそう)
説明では1回噴く、なのでしないとすると、スロットルがさらにワイドオープンしてる分の補正は加速増量のマップでやれということか?それなら周期を短くしても細かく対応できなくはないな。
そして非同期噴射の1回、というのはどこでリセットされるんだろう?加速増量が途切れたら一つの加速イベント終了でリセットされるのか?
それなら空ぶかしでレブが下がっているときに踏んでみればわかりそうだ。それで非同期噴射の反応があればそういうことだし、加速増量時間の引き去り値を変えて試してみれば確定できそうだ。
知れば知るほど考える要素が増えて困りますな。