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2019年02月09日 イイね!

物語A196:「なぞの物体」

張扇や箒・根性棒などで頭や尻を叩かれ、一抱えもある雪玉に押しつぶされ、四方からの押しくら饅頭の如く押し潰され、引っ掻かれたり、咬みつかれたり、身ぐるみを剥がされ、といった次第で次々と第1飛行隊は北方蛮族達にボコボコにされた。

村民兵に襲い掛かる雪玉ではハインネケル大佐率いる「SS親衛隊」の卑劣さが如実に表れていた。
「SS親衛隊」の投げる雪玉の中には必ずと言って良いほどに特別な餡子が詰まっていたのである。
その餡子が何であるかは、雪玉に当たって見なければわからなかった。
それほどに多くの種類の餡子を「SS親衛隊」は雪玉に詰め込んでいた。

そのような卑劣な雪玉を投げつけられた第一飛行隊の村民兵は餡子のいろいろなその正体に当選したが、そのどれもが宝くじの当たりのように皆の前で得意気になる物では絶対になかった。
むしろ、皆から面前に出る事を拒絶された。
時折、味方の村民兵に追い立てられる不幸な村民兵がいた。
しかし、北方蛮族らも手を出そうとしなかったので、ある意味では「幸運だった」かもしれない。

こうして、第1飛行隊の面々は北方蛮族らに責め立てられ、追い立てられながらA村の方へ、河に向かって、上陸地点「モロ海岸」改め「ブル河岸」に向かって泣き叫びながら次々と敗走して行くのである。

ワンワンセブン高地から王者コナンはこの乱戦を眺めていた。
乱戦というよりは一方的な修羅場というべきかもしれない。
修羅場となったこの乱戦の中に強者を示すサインが無いかと乱戦の隅から隅まで視線を送って探し求めた。
そして、ついにその相当品を見つけたのである。

乱戦状態の中にあってもくっきりとした菱形隊形を組む集団がコナンの視線の先にあった。
敵も味方もその内に飲み込み、敵は後方から排泄物のように吐き出し、味方は菱形隊形の脂肪として吸収していった。
この吸収活動を続けていると次第に大きな肥満体となるはずだったが、菱形隊形の外郭も北方蛮族らに削り取られていたのでその大きさは常に変動していた。

そういった状況にありながらも、隊形を崩さないその菱形は乱戦の中を砕氷船が如く敵味方を掻き分けながら、コナンが立つワンワンセブン高地に向かってじわりじわりと迫っていた。
それに目を止めたコナンであったが、直ぐにはその闘争心は湧き上がらなかった。
王者コナンにとって結局は相当品なのである。

確かに菱形集団はその体形を崩すことなく善戦をしている。
しかし、その前進する遅さや常に大きさや形が微妙に変化する様を観測していると自分が相手にするほどには感じられないのであった。

ここまで辿り着ければお相手しようと王者コナンは考えた。
それよりも先に、これをネタにしてベンとハーに、あれがここまで辿り「着ける」か「着けない」かの賭けを持ち掛ける王者コナンであった。

王者コナンの周囲にはすでに賭けの鴨であった北方蛮族らは既に居なくなっていた。
さらに、領分を犯して咬み倒されて気を失った蛮族はベンとハーによってことごとく高地から蹴落とされている。
賭けを持ち掛ける相手はベンとハーしか高地には居なかったのだ。

賭けに応じたベンは高級ブランドの麦沢牛の骨をすかさずベットする。
大切にしまってあっただけに、浸み込んだ肉汁の匂いが周囲に漂った。
ハーは高級ブランド籠縞紫イモをこれに対抗してベットした。
焼き芋にすればそのおいしさに天に上る気持ちとなるだろうと予測できる丸々と太った芋だった。

ベンとハーはそれぞれの賭け品に満足気な顔をした。
当然、王者コナンもこの価値に相当するかそれ以上の物をベッドするに違いないと期待して目を光らせた。
そして、おもむろにベンとハーのベットした品を見定めながら王者コナンは懐に手を差し入れる。
そして、おもむろに出した品は高級品専門店ルイ布団包装紙で、それを自信ありげに王者コナンはベットした。
期待に胸を膨らませていたベンとハーは吹けば飛びそうな紙を見て目を白黒させた。
一度出したものを引っ込める性格でない男気なベンとハーであった。
ベンとハーの冷たく白い視線の元、賭場を囲む王者コナンだけは大満足していた。

菱形の近くに「攻殻デルタレンジャー」を率いるハンニバル・バルカが居た。
コナンはバルカの動きに注目した。
実力第一の群れである。
群れのリーダーも仲間に弱味を見せたり、実力を失えば直ぐに蹴落とされるほどの群れである。
その「攻殻デルタレンジャー」のリーダーであるバルカがこの菱形隊形の集団にどう出るかが見ものだとコナンは思ったのだ。
そして、予測した通りにバルカは仲間が見守る中を単身で菱形に突撃していった。
さすがにバルカである。実力を示さないと仲間がついて来ない。
リーダーであるが故に、仲間の目前で単身突撃は不可避であるが、そんな理屈などバルカの頭にはない。
ただ本能で突撃していた。
周りで見守っていた「攻殻デルタレンジャー」の仲間たちは歓声を上げた。

バルカの突撃で菱形の一角が崩れた。
そこから大きなうねりが発生して菱形全体が美しく波打ち、四散するかのように見えた。
いや、事実四散し始めたのだ。
それを目の当たりにした王者コナンはさすがにバルカだけはあると思った。
バルカの実力が左右されるこの突撃に王者コナンは僅かに武者震いを覚え、このまま四散させてしまえば褒美の一つでも与えようかと王者コナンは思った。
そう思いつつも、菱形隊形を組む組織化された敵に、バルカの単身突撃がどこまで通用するのかという疑問もまだ残っていた。

四散してしまいそうだった菱形隊形は、そのバルカ突入も虚しく、次第に元の菱形に戻っていった。
バルカの存在の証であったうねりも次第に小さくなり収まってしまった。
そして、元の堅牢な菱形隊形に戻った。

菱形の後方から汚物がプリッと後方に放たれた。
たん瘤やあざや、ひっかき傷に噛みつき傷を受けたうえ、ハインネケル大佐率いる「SS親衛隊」の卑劣な雪玉の中の物であった非情に匂いのきつい餡子を口中に大量に放り込まれ、さらに体中に塗りたくられたバルカがその菱形の排泄物の正体であった。
「攻殻デルタレンジャー」の仲間もこの異様な物体がリーダーのバルカである事に気がつかずに、思わず棒で突いて隅の草葉の蔭に突き込んでしまった。
バルカの壮絶なる脱落である。

「攻殻デルタレンジャー」の次のリーダーが誰になるかは、この歴史書に関係ないので取り上げない。
それよりも菱形隊形を組む集団の正体である。
この菱形の正体が何であるかは乱戦が起きる少し前まで時を戻さないといけない。(「時をかける語り部」である。)

-- 灰色猫の大劇場 その8 ----------------
灰色猫が玉座に座ってい
が柱の影から玉座を狙っている。
玉座を前に放火兎が居た。

打ち合わせでは放火兎が灰色猫の尻尾に放火し、逃げ出して空になった玉座に狸が座る手はずになっていた。
しかし、放火兎は松明を手にして玉座の前に立ちすくんでいるだけであった。

何かが違うと放火兎は思っていた。

兎の赤い目が柱の影の狸をチラリチラリと見ている。
逆に狸は期待を込めつつ不審に思って放火兎を見ている。
目だけが動いていた兎の顔がジワリと傾き始め、狸の方へ次第に向いていく。

放火兎の首が不自然な形で曲がっている。
同時に、唇が耳元まで裂ける様に左右に長く広がり、真っ赤な下をペロリとするとニヤリと笑った。

宿命を思い出したのだ。
狸は怖くなり、身が引きそうになるが権力も欲しいであった。
その迷いが狸の命取りになった。

灰色猫は背中に火の付いた狸松明を振り回す放火兎が走り去っていくのを眺めていた。

--続く
この物語はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。
この物語の著作権はFreedog(ブロガーネーム)にあります。
Copywright 2019 Freedog(blugger-Name)
Posted at 2019/02/09 19:22:42 | 物語A | 日記

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「プリウスミサイルというが・・・ http://cvw.jp/b/1467453/47466114/
何シテル?   01/11 12:41
FreeDog(寒;)です。よろしくお願いします。 好きな言葉「笑う門に福あり。」 さぁ、みんなでブログ読んで笑いましょう! 嫌な真実「My JOKE...
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