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2020年03月22日 イイね!

物語A205:「場外乱闘寸前」

戦場の混乱を押し分け突き進んでいた菱形隊形の崩壊でベンとハーは王者コナンとの間の不条理な賭けに勝ったと思った。
ベンは高級ブランドの麦沢牛の骨をむざむざと手放さずに済むと満面に笑みを浮かべて喜んだ。
ハーも高級ブランド籠縞紫イモが手元にそっくりとそのまま残ると思うと体を震わせて喜んだ。
お互い、コナンのベットした高級品専門店ルイ布団の一文の価値もない名前だけの包装紙を王者コナンの前で激しく噛み裂き、これ見よがしに破り捨ててやろうと考えていた。
語らずともお互いの目だけでの以心伝心である。
しかし、その思いに水を差したのは菱形隊形から分離した丸い物体であった。
その円陣隊形の果敢な活躍が賭けの負ける確率をみるみると上昇させてゆく。
みるみると蒼ざめて行くベンとハーの背後で、王者コナンの口元からは涎がみるみると溢れ出し、地面に滝のように流れ落ちていく。
地に当たる音が聞こえてくるようであった。

その円陣隊形は進むにつれ絶え間ない攻撃に晒され続ける。
その光景はベンとハーの期待に応えるかのようであった。
そして、円形陣形は少しずつではあるが次第に小さくなっていった。
その大きさの変化と共に賭けに負ける確率がぐんぐん下がり、ベンとハーの顔に朱色が混じり始める。
しかし、ベンとハーのその気持ちに反するように円陣隊形をかろうじて保ちつつ高地に向かってゆっくりと進んでいる事も事実である。
王者コナンの満足気な顔を盗み見るとベンとハーは落ち着きを失くした。
高地の麓で円から点に変わったそれに、ろう長官が激しく襲い掛かった時、ベンとハーの顔は一挙に明るくなった。
だが、揉み合いながらも高地登城中にろう長官が置き去りにされてしまった時には顔が真っ青になってしまった。
手に汗握る勝敗の攻防の展開がベンとハーの絶望感より緊迫感を高揚させてしまい、体中に力がみなぎっていた。

ベンが握り締めた高級ブランド麦沢牛の骨から香ばしい肉汁が絞り出されて、トロロ、トロトロ、トトロと積雪面に滴り落ちる。
優に1月分の肉汁が積雪の中に無駄に浸み込んでいった。
ハーが握り締める高級ブランド籠縞紫イモが興奮して上昇する体温でホクホクと蒸れ始めている。
手を付けずに大事に取って置いたイモが、既にUターンできない程にふかし芋へと直進していた。
そして、この賭けに武力介入を決断したベンとハーは高地の縁、ゴメリー中尉が登って来るであろう地点におもむろにトコトコと近づいてゆく。
歩みは遅く、一見すれば散歩のようでもあるが地を踏むその足取りは決意に満ち、しっかりと一歩一歩を踏みしめている。
王者コナンはそれに介入してベンとハーを止めようとはしない。
ただ、黙して成り行きを見ているだけであった。
勝ち負けどちらにしろ、旨い物が喰えるかゴミの処分が出来るかの違いなので大差は無い。

高地の縁に二匹が立ち並び、ゴメリー中尉の手が高地の縁に掛かった時、それを冷たい視線で見下ろす二匹の顔がにんまりと笑った。
ゴメリー中尉がなんとか顔を縁から覗かせた時、ベンとハーはそれぞれの後ろ足の片方を高々と振り上げる。
ベンとハーの股間のもっこりな排泄器官から強烈な勢いで太い小水が迸る。
綺麗なアーチを描いたそれは後に虹を残してゴメリー中尉の顔面の中央を直撃した。
狙いの通りであった。
ベンとハーがゴメリー中尉の顔に思う存分に容赦のないマーキングをしていく。

疲労でその攻撃から手で遮る事も顔を左右に振って避ける事もできないゴメリー中尉は二匹の成すがままであった。
身動きできないうえ、何が起きているのかを未だに認識していないゴメリー中尉の顔ではベンとハーの小水の洪水が発生していた。
そのうえ、余りの強烈な臭いに意識が遠のいていくゴメリー中尉であった。
この時ですら状況認識は完全ではなかった。
それと気がついた時、ろう長官の恐怖は吹き飛んでしまっていた。
怒りが沸き上がる前に強烈な臭いに意識朦朧としたゴメリー中尉の不憫な顔をベンとハーが後ろ両足、計4個の肉球を使って思い切り蹴り飛ばした。
ちょっと気持ち良かったゴメリー中尉である。

ゴメリー中尉がそのダブル後ろ蹴りの衝撃に後ろに仰け反ってしまう。
体勢を立て直すこともなく背後にゆっくりとゴメリー中尉の体が傾いでいった。
そして、高地の斜面を麓に向かってコロコロとゴメリー中尉は高地から転がり落ちて行った。
運が悪いことにゴメリー中尉のトラウマの原点であったろう長官の体を途中で巻き込んでしまい、二つの塊は一つになって乱戦の渦の中へと消え去ってしまった。

そして、高地頂上ではベンとハーのコンビが王者コナンと対峙していた。
賭け品を巡っての争いである。
王者コナンはゴメリー中尉の手が高地の縁にかかったので、自身が勝者なのだから賭け品を全て寄越せと迫っていた。
ベンとハーはゴメリー中尉が高地に立って居ないので勝利は我らの側にあると反論した。
ただ、賭け品を寄越すのは王者コナンであると強く迫っていない。
その代わりに、この程度の小さな賭けで血眼になるのは王者として相応しくなく、世に知られればその権威はがた落ちであると中傷しまくった。
王者コナンにとって、権威などという抽象概念は無縁である。
ベンとハーも王者コナンも自ら身を引くことは考えていない。
高地頂上は一触即発の状況であった。

ここで、この賭けの勝敗を決める争いの中にタオルが投げ込まれたのは下界のナイナイメー辺地で繰り広げられる乱戦に大きな動きがあったからである。

この時点でのナイナイメー辺地の乱戦とは名ばかりであった。
第30軍団兵と新米村民兵達と、ズナッペス団と攻殻デルタレンジャーとあるそん・ろう火付盗賊方との間で起きている混戦をゲッポル・ゲッポル中佐率いる第QSS戦車私団とヒル・ハインネケル大佐率いるSS(スペシャルソード)親衛隊が連携して取り囲み、敵味方の区別無しにほとんど一方的な総駆除作戦を展開しているところであった。
敵の戦力を削る為に開けておいた逃亡の門はすでに閉鎖されている。
虐めるには適当な数となったからだ。

王者コナンとベンとハーが睨み合っている中、ナイナイメー辺地の境界を示す森が大きくざわついた。
見えない何かが奥まで見通せない森の中に潜んでいる。
王者コナンとベンとハーの本能がその脅威を感じ取り、体中がざわついて痙攣する。
見えない何かに対する闘争本能が噴出し、賭けの争いは忘れ去られた。
それ程までの何かが森の中に潜み、オーラを発しているのだ。

ナイナイメー辺地に向かって森が大きく撓ったその途端、多数の兵士が森から出現した。
その兵士の集団は必死の形相で何かから逃げ出そうと走っていた。
瞬く間に集団が包囲網に達する。
集団はそこで立ち止まることなく、前方に立ち塞がる包囲網の兵士も含めて、邪魔な物を排除しながらそのまま突き進んでいった。
包囲する側にとってその突進は背後からの奇襲攻撃と同じである。
背後からの攻撃を考えていなかった包囲網の壁は瞬く間に崩壊し、囲いの中に多数の新たな狂乱(バーサーカー)兵士が包囲した兵士をも巻き添えにして飛び込んだのである。

ナイナイメー辺地でモラルの欠片すら無い包囲網を作って、自らの栄光のみを求めて指揮していたゲッポル中佐とハインネケル大佐はその新たな集団が敵か味方かの区別する事ができなかった。
何故ならば、新たに飛び込んできたバーサーカーな兵士達は誰彼構わず進路を塞ぐ全ての兵士に襲い掛かかり蹴倒していたのである。
そして、その勢いはハインネケル大佐にも降り注いだ。
泡を吹きながらハインネケル大佐が宙を舞ってゆく。
それを見ながらゲッポル中佐はニヤリと笑った。
ゲッポル中佐の、いやゲッポル大佐の時代を予感したのだ。

ナイナイメー辺地で大きな変化が再び起きた。
王者コナンとベンとハーの見守る中で森がまたもや撓り、先のバーサーカーな集団を追って、整然と進撃する新たな集団がナイナイメー辺地境界の森から出現した。
その威風堂々とした出現に、高地の上では王者コナンが目を見開き、体が小躍りで浮きたつ寸前であった。

新たな集団は第QSS戦車私団とSS(スペシャルソード)親衛隊の包囲網を寸断してしまった。
囲まれていた乱戦は拘束を解かれたうえ、バーサーカーな集団を呑み込んでさらに巨大化していく。
時代の寵児になるつもりだったゲッポル中佐の姿は完全にその乱戦の中に消えてしまった。
ハインネケル大佐が泡を吹きながら、その軌跡を残してあっちへ飛んだりこっちへ飛んだりしていた。
まるでフットボールのボールのようであった。

最初に森から出現したバーサーカーな集団の正体は王者コナンに従ってD村から去ったバルター・モデル中佐の第32装甲私団と北方蛮族のジンケス・カン親分率いる45独立特化組で構成された集団であった。
そして、それを追って出現したのは「マルケットベルト作戦」の主力部隊「丸太渡河部隊」から分離独立した黒田大和猫ノ信大尉の「ヒホンコー」部隊である。
「ヒホンコー」部隊の進撃の勢いはナイナイメー辺地で争う様々な部隊を一挙に飲み込む様な激しさであったのが、鮫がマッコウクジラを呑み込めないのと同じ様にこの巨大な乱戦を「ヒホンコー」部隊が呑み込むことは無理であった。
勢いの付いた「ヒホンコー」部隊を悲劇から救う為に引き留める事は、森を出た時点でそれと気がついた黒田大和猫ノ信大尉にとっては非常に困難であった。
進軍を止めようとした黒田大尉は背後から勢いの付いた新米村民兵に力強く押されてしまい、乱戦の中へと押し込まれてしまったのである。
こうして、マッコウクジラはシロナガスクジラへと成長したのである。

ワンワンセブン高地で王者コナンはこの状況に、「おぉ~お~」と意味ある言葉にならない奇声を発しながら喜びに興奮し小躍りしていた。
ベンとハーの賭けは既に忘れてしまっていた。
ここにおいて始めて胸を撫で下ろすベンとハーである。
しかし、肉汁の大半は大地に浸み込み、芋の半分は酸化が進んだ挙句に焦げて炭と化している。

-- 灰色猫の大劇場 その13 ----------------
灰色猫が玉座に座っている。
洟垂れガキが柱の影から玉座を狙っている。
玉座を前に迷子が泣いていた。

洟垂れガキは灰色猫が迷子を連れて交番に行くであろうと目論んでいた。
そして、灰色猫は交番の警官に御用になるのである。
なぜなら、「可愛い子が極悪人に連れ去られた」という偽情報を警察に流しているからだ。
そして、この捕縛劇の隙に乗じて玉座を奪うつもりである。
洟垂れガキは完璧な作戦だと自負していた。
灰色猫が逮捕される場面と自分が玉座に座っている場面が洟垂れガキの目に交互に見えていた。

迷子は王様である灰色猫の前で泣いていた。
しかし、洟垂れ小僧が考える程に灰色猫はそのような道義心を持っていない。
泣いている姿を見るのが逆に楽しかった。
もっと泣かすにはどうしたらよいかとも考えていた。

自らが作った罠ではあるが、延々と泣き続ける迷子を見ていると洟垂れガキは次第に罪意識が沸き、身の置き所が無くそわそわしてきた。
そこへ、犬のおまわりさんが登場。
泣く迷子を見咎め、灰色猫に説教を始める。
長い説教であった。
泣く子供という危急の時にその長さは如何なものかと思われる。
さらに、その間、泣く子供を犬のおまわりさんは見ようともしない。
説教に酔いしれた目で灰色猫を見つめて説教をしている。
さらに、灰色猫がときおり反論するので犬のおまわりさんの説教は過熱していく。
誰にも明らかにわかるように迷子は泣き続けて・・・・居なかった。
椅子に座って葉巻を、ギャラアップの交渉を、もぬけの殻の交番へ襲撃を、・・・・・でもなかった。
ただ、泣き疲れて王室の床にごろ寝していた。

罠を仕組んだ洟垂れガキは・・・・疲れて柱の根元に寄り添って寝ていた。
灰色猫は目玉を書いた眼鏡をかけて寝ていた。
そして、犬のおまわりさんの説教がいつまでも絶え間なく、繰り返しテープレコーダーから聞こえている。

春先の麗らかな一日であった。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。
この物語の著作権はFreedog(ブロガーネーム)にあります。
Copywright 2020 Freedog(blugger-Name)
Posted at 2020/03/22 00:17:52 | 物語A | 日記
2020年03月20日 イイね!

乳製品 その1

乳製品だって、カレーに合います。
そのものずばりの「カマンベールチーズカレー」
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カマンベールチーズ。フランスだぞ。フランスの牛のだぁ~
そして、
安達ケ原の鬼婆・・・・・もとい
奴とは全く関係のない、
「安達太良ミルキーカレー」
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鬼婆とは関係ないぞ。
しかし、・・・・・・乳・・うぉー!(内なる悲鳴)
何度も書くが、全く関係ないぞ。

そして、ついにチーズケーキがグランプリに選ばれた!!
神〇カレーグランプリ第8回優勝の「チーズフォンデュカレー」
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Posted at 2020/03/20 13:05:43 | ぼーや木: ご当地狩れー | 日記

プロフィール

「プリウスミサイルというが・・・ http://cvw.jp/b/1467453/47466114/
何シテル?   01/11 12:41
FreeDog(寒;)です。よろしくお願いします。 好きな言葉「笑う門に福あり。」 さぁ、みんなでブログ読んで笑いましょう! 嫌な真実「My JOKE...
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