CARVIEW記事抜粋
ハードウェアを変えずに20馬力アップ。ECUチューンの可能性は広い
日産のピュアスポーツであり、技術的なフラッグシップともいえるGT-Rが2017年モデルに進化。ニューヨークオートショーでワールドプレミアされた最新GT-Rが、先日日本にも凱旋、横浜の日産グローバル本社にて公開されました。
新しいGT-Rは日産ブランドのデザインシグネチャーである「Vモーション」を採用したフロントマスクほか内外装の変更が目立ちますが、個人的に気になったのは20馬力アップ(北米仕様で545HPから565HP)を実現するためのアプローチ。発表会には、エンジン担当のエンジニアもいらっしゃったので話を聞いてみると、なんとハードウェアには手を入れていないのだとか。たしかに、もともとの母数が大きいGT-Rにとっては20馬力というのは、4%弱のパワーアップなのでエンジン本体や補機類を変更する必要はないというわけです。では、変更されたのは何かといえば、エンジン制御プログラムなのだといいます。
つまりGT-Rは、メーカー純正のECUチューンによってパワーアップしたというわけです。もちろん、メーカーの手がけたものですから耐久性にも問題のないチューニング内容であって、単純に過給圧を上げたり、燃料噴射量を増やしたりといった内容でないのでありました。うかがった話では、従来はバンクごとに検知していたノッキングを、気筒ごとのノッキングとして判断できるようにしたことがポイント。これにより、ノッキング対策としてのリタード(点火時期の遅角)を、より精密に各気筒の条件に合わせてコントロールできるようになったのだそう。
V6エンジンのGT-Rですから、片バンクは3気筒で構成されるわけですが、ノックセンサーはバンクごとにしか設置されていません。そのため、これまではもっとも条件の悪く、ノッキングの発生する気筒に合わせてリタードしていたので、他の2気筒については余裕がある状態だったといいます。それを気筒ごとに検知するようにしたことで、パワーアップできるだけの余裕を作り出したというわけです。そのためにセンサーを追加することなく、クランク角とノックセンサーの合わせ技で気筒ごとのノッキングを検知しているというのも、なるほど興味深いところ。前述したようにECUチューンというと、燃料噴射や点火時期、過給圧などのマップに手を入れるというイメージですが、2017年モデルのGT-Rがやったように、エンジンの余力を認識できるかたちで生み出すということも可能なのです。
メーカーの考えるECUチューンのアプローチは「目からうろこ」です。
そうして見つけ出した余裕によって、過給圧を1.5~2%ほど上げ、最高出力の発生回転数も6400rpmから6800rpmへと高めることができ、結果として20馬力を稼ぐことができたということです。
だそうです。
僕の2009年モデルから比較させてもらうと、20馬力どころか、85馬力の進化です。
トルクも4キロ太くなって、まるで400ccスープアップしたようなクルマに感じるのではないかと。
初期モノから9年の月日が経った訳ですから、制御関係も進化しているでしょうし、エンジンの組み付けの精度も格段に上がっていることでしょう。
チューニングショップではなく、メーカーがやっていることですから、パワーたけでなく燃費や耐久性への配慮もあるでしょう。
自分のクルマとは別物のクルマに2017年モデルはなっているんじゃないかと想像しております。
R35.5になっているのか興味があります。
Posted at 2016/04/08 13:43:24 | |
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