日本に上陸したニューモデル
日本でも人気の高かったフォードの高級パーソナルカー、サンダーバードの'77モデルを紹介しています。
'76モデルまで、
リンカーン・コンチネンタル・マークⅣと同じ巨大な2ドア車だったのですが、全長は215mm、ホィールベースは160mm短く、ウェイトも270kg軽くなったと書かれています。
とは言え
全長5520、全幅2000、ウェイトは2tを超え、エンジンは6.5L V-8(前年までは7.5L)が載り、まだまだ巨竜の魅力いっぱいのTバードでした。
試乗インプレッションは元ヤナセマンと云われる成江 淳氏がレポートしており、「試乗車は品のいいメタリックブラウンに少し濃いブラウンのレザートップ」また「ピラーがロールバー的に用いられ、レザートップを前後に2分割している。」と述べています。
確かにCピラーが細い故に、オペラウィンドゥを備えた太いBピラーはロールバー的な役目を果たすのでしょうが、僕に言わせればそれはレザーの貼り方とピンストライプによる
視覚的なトリックに過ぎない。
(中央ページ上のルーフ拡大写真参照)
・・・ま、どっちでもイイんですが(笑
いずれにせよクラシック・ルネッサンスの吹き荒れていたアメリカ車の中でも、このルーフは特異だったと思います。単純に柱とガラスの配置で言えば、同じフォードのフルサイズ、LTDランドーやあるいは当時の
マツダ・コスモが近いですが、各々3車の印象は大きく違いますね。
屋根の話はこれぐらいにして(笑)、元々はコルベットのライバルだった事を考えると「本来のサンダーバードを知る世代にとっては、このクルマが贅肉を落としたことに大いに好感を持つのである。」とリアルタイムで両車を見て来た筆者の想いが述べられています。
脚はフロントがダブルウィッシュボーンコイル、リヤが4リンクリジッドコイル
前後にトーションバーを備えたオプション「ハンドリング・サスペンション」付き
95Lの燃料タンク
JWLをパスしたアルミホィール
フル装備
タコ、スピードの他に電流・燃料・水温・油圧の補助メーターを備える
と言った説明がされ・・・
内装に関して「白い内張りレザーを中心に、ドアに細い木目のアクセントが付けられているほかは、きわめてあっさりして、
国産車のオーバーな装飾はいったいアメリカから輸入されたのではなかったかな、と考え直すほどおとなしく、落ち着いたムードをかもし出している。」
そう!コレなんですよ!色使いやアクセントが粋でシャレているんです、この時代のアメリカ車って!
あと、後席に関して「・・・乗降のさいに前席用シートベルトがじゃまになるのは現アメリカン・クーペの共通した欠点である。」
コレですね^^ 本来はショルダーハーネスがFシート背もたれにあるガイドに通されているんです。なので後席への出入りはこのハーネスを潜らねばなりません。かつての愛車カマロはそのガイドが破損してハーネスがご覧の通り(汗
「V8・6.6Lのファイアリングは、例のアメリカンV8の特徴で、一瞬あたりを圧する重厚な音響とともに目をさます。が、つぎの瞬間
止まったのではないかと思うほど静粛なアイドリングに落ち着く。」
「Dポジションをセレクトしてアクセラレーターをフロアまで押し込めば、ほとんどフォードマチックはショックレスで、ハイウェイのマキシマムスピードまでかんたんに誘導してくれる。」
「アメリカ車にいちど乗ったら-----という言葉どおり静かで裕福な気分、とくに小細工はないが非常に自動車を使っている人たちがつくっている合理性を感じる。そして運転の容易なこと-----.国産乗用車のほうがずっとオーバーデコレティブである。」
「夜のムードから即発豪快なダッシュまで-----サンダーバードは多くの意味で現代のアメリカを象徴する。」
当時、こんな記事を食い入る様に読んでいた僕です。
ちなみに
「実走188km、都内~箱根間往復では4.29km/Lを示した。」
とあります。排気量が6.5Lもあって優秀だと思いませんか?(笑
コメント絡み(↓)で'74 シボレー・モンテカルロ画像を追加します。
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Posted at
2009/08/26 23:24:30