欧州仕様の新型プリウスPHVの詳細が出てきたので、
事前の電費予測の答え合わせと今後を考える、
https://minkara.carview.co.jp/userid/2425336/blog/46551753/
なお、私的な予測見解を言えば、プリウスPHVは欧州で勝てない。
トヨタ公式プレスリリース
https://newsroom.toyota.eu/all-new-toyota-prius-plug-in-hybrid/
13.6kWhバッテリーでEV航続距離69km
Co2 19g/km
総容量に対する利用可能量が不明なので80パーセント程度と推定(10.88kWh)
ざっくり11kWhで計算すると
69÷11=
6.27km/KWh
75%なら (10.2kWh)10kwhとして
6.9km/KWh
推定値6.27~6.9km/KWh この辺がWLTP電費の最大値、オプションやグレードやタイヤ次第ではこれ以下になる。
この数字の時点ですでに新型は期待値に届かない。
アイシンの1モーター8ATのEV走行効率に対して既にアドバンテージがほぼ無い。
プジョー308HYBRID 225 e-EAT8の欧州データが上位グレードの一番数値低いところで
https://www.peugeot.de/content/dam/peugeot/germany/preislisten/2022/b2c/Preisliste_308_15.11.2022.pdf
12.4kWhバッテリーで 62km Co2 26g/km 15.3kWh/100km=
6.53km/kWh
逆算するとバッテリー利用可能量9.49kWh 76%
出力を少し抑えタイヤの厚い下位グレードはもう少し電費伸びる。
そもそもPHEVはあくまで移行期間のための緩和措置としての優遇に過ぎない。
https://www.autocar.jp/post/802668
なお、欧州主要メーカーがPHEVを急速に増やした時に抜け道だなんだとHV至上主義な物言いをしてた自動車評論家が居たはずなんだが、
トヨタが欧州ではプリウスをPHVのみの仕様にした事にはそいつらは絶対に噛みつかないだろう…
当然の如くEV業界に激震もなければトヨタ云々も何もな…
https://www.youtube.com/watch?v=6oN6L_Vy0fU
トヨタが欧州で勝てる最低条件はPHVを従来のHVと同等程度の価格で売ることだけだ、だがそれは不可能だろう。
なんかトヨタがPHV専用を売りにしたことで、きっと大幅に安価に的な願望を持つ人も要る様子だが、http://iikagenna.blog92.fc2.com/blog-entry-801.html
PHVは基本的にHV+バッテリー増強で成り立つ。
BEVの価格がバッテリーコストの推移で下げ止まって上昇などもあるからPHVが、というような類のそれだが、
BEVのバッテリーコストの下げ止まりや上昇は即ちPHVのコスト増でもある、
昨今の容量から見てHVに比べれば10倍以上の量で使う。
HVの量産で得たコストダウンなどがあってもその差は吹き飛ぶだろう。
そして仮に(無理だけどね)それでも大幅なPHVのコストダウンが可能なほどトヨタがバッテリーを安価に量産できるなら、
そもそも、さっさとBEV作るだろ、それ、だって他社より安価にバッテリー作れるなら。
結局、プラグインが進むほどに従来のHVのような優位は出せずコスト的な優位性も薄く(車単体としてのコストダウンで相対で安い車という優位?いやヒエラルキー的には下位、の差はあれど、)PHVはICEよりもHVよりも高価という基本原理を覆すことも大幅にハードルを下げる事もできず、故に
BEVに対して圧倒的なコスパを示すことも無いだろう。
私見、
新型プリウスがHYBRID REBORN のキャッチコピーを掲げていたが、
本来必要だったのはハイブリッドではなくプリウスREBORN のはずだ。
初代プリウスは21世紀に間に合いました、で始まった先進性の象徴だった。
なら5代目で行うべきは本来ならプリウスを世界市場で戦えるBEVとして再生するのが今の時世に鑑みて最も最善であった。それが不可能でもせめて世界でも全車PHV、オプションでBEVを後に追加予定、そこが最低ラインのところ。
しかし現実にはBEVは無く、PHVよりもHV中心の状況は変わりそうにない。
(もっと言えばトヨタにとって最善の道は4代目でPHV普及を進めて5代目で基本的にPHVオプションでBEVとすることでゆるやかにユーザーをプラグインに慣らしながら移行させる事だった。)
そしてそのハイブリッドリボーンは効率や先進性よりも走行性や動力性のアピールに振れた、むしろ従来のICE車に任せてプリウスがあえて触れなかった領域であり、
そこに見えるのは先進性よりもエンジンを残すことへの懐古主義すら感じてしまう。
リボーンの再生というよりはゾンビ化のようでもある。
補足、欧州価格の想定、国別やモデルにもよるがRAV4のHVとPHEVで4x4モデルに同オプションパックでざっと1万€の価格差が見られた。
、RAV4PHEVの総電力量18.1kWhの差分で。
車種のヒエラルキー、容量差を考慮してもプリウスには5000€以上の差分ははHVに対する上乗せ分として必要だろう。
車の想定ヒエラルキーの上昇、タイヤサイズの特殊化、コネクテッド強化、現行カローラツーリングの上位グレード程度に+バッテリーが想定する価格、
プリウスPHVは4万€程度〜 4.5万€程度と再試算で想定する。
ついでに、トヨタがPHVに本腰を入れるにしてもそれならせめて新型クラウンHVはPHVで出すべきだっだろう。
上位ヒエラルキーの高級カテゴリーほどPHVのバッテリー価格を組み込んでも売れ行きに影響しにくいのだし、ましてや日本専売をやめて海外にも売るのだから、
にもかかわらず、新型クラウン発表の時にPHVに関する言及は何一つ無かったEVもはっきりした事は語られなかった。
つまりPHVは欧州でこそ規制対策で専売となるもの他地域では未だPHVも本気では無いと言う事の証左である。
又、相対的に廉価なPHEVという点でいえば韓国KIAが比較対象になる。
https://www.kia.com/de/modelle/niro-ev/entdecken/
Goldenes Lenkrad 2022 Kompakte SUV: Kia Niro
HV PHEV BEV 全てを用意した全方位戦略車である。
価格が相対的にこなれているのはカタログスペックを必要以上に追わず出力やバッテリーサイズや内装の高級感をほどほどにおさえて量販実用車としての最適ラインをターゲットにしているからだろう。
プリウスをプラグイン専売でリボーンさせるならトヨタがとるべき道はこっちだったがメーカーも開発も大きな思い違いをしている。
https://www.jato.com/japan/media-insight/
欧州の主要販売台数やPHEV BEVの販売ランク、台数はJATOの月時レポートにて確認出来る。
https://autos.yahoo.com/toyota-wasting-icon-prius-falls-171859322.html
Toyota is wasting an icon as Prius falls behind other brands
記事の思うところは大方同感。
HVの改良宣伝にプリウスのアイコンを使うのは間違いだ。
新型プリウスPHVで危惧する事、トヨタが無理繰りで価格を下げて売る事でプリウスは延命されるが、裏で国内バッテリーメーカーが利益を上げられず、次に繋ぐバッテリーメーカーの開発投資が細って国内バッテリーメーカーが死ぬ。
市況を探ってるとプライスが想定よりさらに上がりそうな雰囲気すら
感じる。
トヨタが新型プリウスPHVで取るべきだった道
新型はプリウスPHVである事を前提にしてエンジンをヤリス1.5等と合せてでもエンジン周りのコストを極力削減してバッテリーコストでの価格差を埋め合わせる、
バッテリー容量で先代型同等のモデルも作る事でとにかくPHVの販売台数を最優先し自社ユーザーを段階的にプラグインに慣らして自社EVユーザーへと繋ぐ。
トヨタはそれらと全く逆に動いた。