2018年07月14日
いろんなバランスがあって今があるなぁと思う。
私は以前はとにかく速いクルマ。
速いクルマというか「速さ」自体に憧れてました。欲してました。
あくなき探求といいますか。
予算さえあればいくらでもそれは叶うとは言え、私自身の予算は青天井なワケもなく、自分のできる範囲での欲求です。
いろいろ紆余曲折あって、結局私自身の経験でサイコーだったのがBCNR33でした。
今も、サーキットでのファステストラップや最高速やゼロヨンwの記録全てで最高値をマークした、させてくれたのはBCNR33です。
それはさておき、RB26DETTの強烈さと、あまりの気持ち良さ(回転フィール)、吹け上がりに吹け下がりの鋭敏さ、など全てにおいての生々しさも含めて最高な体験を若い時にさせてくれた印象が強く私自身の体に刻まれてしまい、ターボジャンキーな考え方で支配されている時期もありました。
なので、BCNR33を失った後もターボ車を乗り継いでいたのはそのためです。
エンジンまで改造しなかったりしたとしてもです。
改造したくなった時に、ベースとしてターボエンジン搭載車…というココロの保険を無意識に掛けたかったんだと思いますw
ただ、実際にやってたことは正反対でエンジンパワーに極力頼らずにシャシーを出来る限り改造(改良)して納得いくハンドリングと操縦性に仕上げていき、その過程で勉強もしていきたかった。
そんな経験があったからこそ、結婚を機にしばらくチューンドカーから離れた時期があったんですが、久しぶりにそういうベース車足りえるGDBを購入した時に、上を見たらキリがないけれども、その優れたバランスと良く考えられた操縦性も手伝って、「ノーマルのすばらしさ」をSTIを通じて学ばせてもらいました。
GDBは今からもう随分前の車両になりますが、(もう12年前くらいになるのか…)スピードリミッターをカットし、安定して周回できるようにオイルクーラーなどの追加だけに留めた他はフルノーマルの仕様で岡山国際1分50秒565という立派な記録を叩き出したのは、本当に素晴らしいと思います。(クルマがw)
そうやって色々経験積んでいくにつれて、NAの素晴らしさや憧れも同時に強く胸に抱きますw
ホンダのVTECを買おうかな?と真剣に探してた時期もあったんですけど、それと同時にFRやFFなどの乗った事がある駆動方式じゃなく、私自身がまだ所有した事がない駆動方式である「MR」に対する憧れと、限界超えた時にスパッと行く怖い挙動wという刷り込みによる誤解も含めて畏怖するココロも持ち合わせていたのですが、「いつかはMR」乗らないと、オトコノコじゃないよね。
という気持ちも若干ありました。
そんなこんなで、運よく買えそうな個体に出会った。というタイミングもあり、今のボクスター購入に繋がります。
ただ、商売上の記号性として市販車両のMR車はいろいろ制約がつきまといます。
つきまとってしまっていると、個人的に考えます。
誤解を恐れずに書きますと、まず一つは高性能をイメージさせる為の「MR」
純粋なエンジニアリングで生まれたんじゃない、設計する上でのコスト削減や既存のパワートレインを流用する事で安定した供給量を確保する狙いと、信頼性を得る・選んだ結果とも言える「横置きパワートレイン流用」したMRが多くの車種を占めます。
NSXやエリーゼやエキシージなどの優れた車種も存在する一方で、どう頑張っても解決できないパッケージング上の欠点も持ち合わせてます。
欠点だけじゃなく長所ももちろん、持ち合わせてます。
横置きパワートレイン流用MRの欠点とは、前後重量配分のバランスと重心高さのバランスがもたらす「スナップオーバーステア特性」です。
あんなに優れた走行性能を誇り、未だに最近車種ともまともに渡り合えるNSXですら、その呪縛から逃れられてません。
だからと言って盲目的にこれらの車種がダメとは言えません。
それらの操縦性も含めて「楽しむココロ」が大事だと思いますので、だからダメって気持ちで書いてないのであしからず。
あんなに優れたNSXですら、リアタイアからの発熱→熱ダレでせっかくの高いコーナリング速度もリアからのグリップダウンでシビアなハンドリングになったりもします。
長々と書いちゃいましたけど、これも市販MRにつきまとう「制約」のひとつです。
次の制約は「コスト」です。
ブランドイメージとか実際に設定価格帯の性格上、売れるだろう台数もある程度計算できる?んでしょうし、そういった販売戦略上も絡んで、実際はもっと安く作れる可能性はあるにせよ、専用設計の横置きじゃない縦置き系MRの多くは非常に高額です。
V8フェラーリやランボルギーニなど…例を挙げるまでもなく高額です。
そして一部の特殊な事例を除き、これら高額なMR車種は大抵の場合はその巨体を持つに至るのに居住性はミニマム、積載性もミニマムかほぼ壊滅状態。
現実に2人乗せて走るだけwという恐竜っぽい絶滅危惧種に近いほど絶望的な使い勝手。
まぁこんな夢溢れるクルマに、こういう泥臭い生活臭漂う要求なんてする方がナンセンスでしょうけれどもw
そういうそもそも論はさておき、フラットな視線で考えて、そういう現実に手に入れたいと考えた時に立ちふさがる大きな壁としての「コスト」です。
いろんな意味でのw
そうやって考えて行くと、割と普通にレーシングカー程じゃなくてイイから、普通に雨の日も安心して乗れる優れた体験をさせてくれそうな、それでいて求めやすい価格帯のMRって…ないの?
と私は考える事があったんです。
そこで目についたのがボクスター・ケイマン系なんです。
911の弟分で、911を超える事は商売上のヒエラルキーとして絶対に許されないから、ちょっと劣る部分があえて設けられている。など、色んな記事もネットで読みましたけど、そういう余計な雑音を見ないでクルマとしてのパッケージングを見てみると…
・パワートレインは、できる限り低くマウントされている。
・縦置きの為、車体の中央近くにエンジンがきちんと搭載されている。
・水平対向6気筒という前後長が短いエンジンの為、縦置きと言っても車のパッケージングを大きく
脅かす様な巨体じゃない為、クルマとして歪なパッケージングとならず、むしろ非常にいい塩梅
に納まっている。
こういった特徴がある為、実際に乗ると非常に気持ちいいらしい。
という記事もいくつか見付け、実際にそういった優れた乗り味に触れて感動されているYoutubeの動画やネットでの記事も数多く見つけ、購入に至りました。
そして、実際に触れて想像以上で驚きました。
前後重量バランスがMRなのにそんなに悪くない、というボクスター・ケイマンの特徴が、ここまで運転する上でのリラックス感などに繋がる事になるとは実際に経験するまで想像つきませんでした。
また、速さなどに重きを置いて評価するならば、ボクスター・ケイマンよりももっともっと優れたクルマなんて、たくさん存在していますけど、クルマの魅力って絶対的な速さだけじゃないよね。
なんてとっても大事な事で、頭ではわかってたつもりでも拘っていて捨てきれなかった事が、はっきりと吹っ切れた。というのも私自身驚いてますし、乗る度にヨロコビを感じてます。
そして、マツダのロードスターは今までは実際に買って乗る機会はなかったけれど、死ぬまでに一度は所有したいし、憧れている気持ちが捨てきれなかった。
しかし、心のどこかでそういうオープンカーがいかに優れていようとも、気に入れば気に入るほどモディファイ後のボディへのダメージや劣化が気になって…とか、いろいろ考えこんでしまう悪い癖ももってましたw
が、今回の981系を買うに至っては最初からケイマンは考えてなかったんです。
メガーヌRSという非常にしっかりしたクルマに乗ってた癖に、いい意味でフランス車らしい癒しの乗り味を実際に体験させてもらってたり(あんなパフォーマンス高いクルマなのに癒されましたw)
ラテン系のクルマらしく、ボディの端々でちょっとクスッと笑っちゃう様ないい加減さを体験したり(モールの端っこがカールしてボディから浮いてしまってたり、を見てですw)
ぶっちゃけ、こんなこまけぇ事気にしてたら何にも買えないし、気に行っちゃったら関係ないよな!
って気軽に考えられるベースが私の中で作られた、と言っても過言ではないです。
そんな経験も踏まえた上で「次こそは剛性がどうのwとかウンチクどうでもいいからオープンボディ買うぞ!」と心のどこかで決めてました。
前置きが長くなりましたが…
今のボクスター、今の私にちょうどイイんです。
ケイマンと比べたら絶対的に限界近い動きの時に差があります。
でも、そのちょっとユルイくらいが今の私にちょうどいいんですw
雨の日だろうが路面温度低かろうが、ちょっとケツ出ようが先ほど挙げました前後重量配分に優れるバランスのおかげか、無用な緊張感なく楽しく転がせる。
むしろゆっくり走ってる時でも、癒しを感じられる乗り味。
勿論、飛ばせばPzero純正18インチで、NAのオープンカーなのにGDBに近いタイムを刻む、速いか遅いかで言えば決して遅い方じゃない性能も持ち合わせている。(負けて悔しいwwwって想いもせずに済むw)
そもそも、ヒエラルキーの為に絶対的なラップタイム自体は抑えられてるんだとしても、乗ってる本人はしっかりとスポーツさせてもらっているという満足感。
うーん、上手く書けませんがw
簡単に言うと、目をサンカクにして乗って楽しむのも車の楽しみ方で、それはそれで得るモノもありますし、私自身もそうでしたし、クルマの楽しみ方として一つの正しい姿です。
そうだからこそ!の、ホンダで言えばタイプRだし(目をサンカクにせずとも楽しいタイプRも勿論あります!)日産で言うところのGT-Rだったり。
でも、ボクスター・ケイマンは違うんですよ。
趣味としてゆるーい感じで乗っても楽しめる。フトコロの深さ。
GT4やGTSに代表される、しっかり攻めて走っても素晴らしい記録をマークする凄さ。
簡単に言うと、やっぱ世界最高峰のメーカーが作るクルマって一筋縄ではないなw
という…なんか上手くまとめられないッスね。
風呂敷広げすぎるとアカンし、説明を簡潔にし過ぎるのもアカンし…w
文字だけで表現するのは難しいですね。
私自身がもっと上手くまとめられたらいいだけなんですけどwすみません。
むちゃくちゃ簡単にまとめると、今の私にとって981はとってもベスト。
という事実です。
GTSやGT4などにも強く憧れますが、2700ccのチカラでこのシャシーを楽しむ、楽しめるバランスというのも含めて、今の私にとってベストかな?と感じてます。
だから、今はジムニーだとか空冷の911だとか他車種が欲しくなる事はあっても、981を買い替えたいという気持ちが一切ないのが自分にとっても驚きです。
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Posted at
2018/07/14 22:57:24
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