TREK Emonda ALRがフルモデルチェンジをしました。
TREK Emonda モデル情報
妻が最初に買ったロードバイク…我が家にとって初のロードバイクでもあるんですけど、それがEmonda ALR5(恐らく2017モデル)
リムブレーキで、シフトワイヤーやブレーキワイヤーなど全て外装のモデルです。
今となっては配線内装化が進んで「え、フル外装なのw」と思われるかもしれませんが、メンテ性はピカイチなんですよね~。
その為か、198000円で購入したこのモデル。
二年近く乗って走行による小傷も(目立たない程度ですけど)あるのに15万円で売れたそうですよ。
委託販売したので我らの手元に来た金額はちょっと少ないですけど、それでも受け取った時に「え!」と驚いたものです。
リセール考えてたわけなんてもちろんなくて、リセールの高さに驚きました。
リセール気にしていたらロードバイクなんて乗れないんで気にしてないですが、安いけど人気のあるモデルはリセールが高い傾向です。
妻のエモンダのように。
逆にハイエンドモデルになるほど、よっぽど人気のある限定モデルなどでも無い限りは驚くほどリセールは低いですw
150万円は払わないと買えないモデルが、中古車となって店頭表示価格が100万円とか、下手すると70万円…とか下がっています。
良くて半額が下取り価格だとみてください。
良心的な買取店の場合は、7割~8割分下取り金額出してくれるところもありますが、それは稀有ですw
話しが逸れちゃいましたw
新型のEmonda ALRの個人的に「いいじゃん!」と思ったトピックを書きます。
・とうとう配線フル内装に!!
素人のメンテお断り!…じゃないですけどw
メンテ難易度は跳ね上がってますね~。
ただ、空気抵抗は見た目より減ります。
エントリーレースグレードなのがALRなので、正しい進化だとは思うのですが価格がどんどん高騰しているので「上がったお値段分の言い訳」にもなる進化でしょうかw
穿った見かたをしていますが、単純に走行性能の底上げにはなっています。
それにしても、ALRにもとうとうフル内装が実装されたのか…
・アルミフレームなのにエアロ化
私も乗っていたSpecialized Allez sprint comp discよりも複雑な形状を採用して、エアロ化されています。
どうやってこの形状に変形させてフレームとして構築しているんでしょう。
ハイドロフォーミングでしょうか。
それにしても凄い技術です。
ヘタすると、SLRのフレームより原価率良くないんじゃないでしょうかねw
・エアロ化してるのに完成車アッセンブル状態で9.0kg!?
まず、油圧ディスクの時点で過去のリムブレーキだったモデルより300g以上不利になります。
特にハイエンドなコンポを搭載しないこういうモデルの場合…
と言っても今や「105」でも結構な高価なコンポに育ちましたがw
「105」の場合、もうちょっと重量増につながります。
そして、エアロ化するとエアロ形状を形作る為に必然的に単純な構造材として必要な断面形状よりも、表面積が拡がるカタチとなります。
その為、よほど薄く作ったり強度の高い材料で同じく薄くしたりしない限りは単純に重量増につながる進化が「エアロ化」です。
グラム単位で攻めた世界なんで、そういう表現になりますw
不利な条件揃ってんのに、ちょっと軽くない!?と驚くくらいにはなってます。
…そう意味では、妻が最初に買ったALR5(2017)の方が単純な重量差としてみたら、軽いでしょうけれどねw
最近のフレームは重量だけで単純な比較できない性能UPを実現しているので、そういう方面から考えると驚異的な進化と言っても言い過ぎではないかも知れません。
ただし、乗ってみないとはっきりとした事が言えない難しさはありますけど。
エントリーグレードとは言え、レーシングモデルであるALRなのでその点、妥協はないでしょう。
ただ、私が危惧するのはホビーライダー向けに見た場合。
前作のEmonda ALR5(2022まで)は、オーソドックスなフレーム形状をしていましたが、アルミらしい反応性は残したまま「意外と優しい乗り心地だった」んですよ。
本当に意外な事に。
門戸が広いモデルだったんですよね。
クリテリウムなど競技で使う目で見た場合、もうちょっと反応性上げてくれよ!
とか、もうちょっと剛性高めてくれよ!!って意見はあったかもしれませんが、優しい乗り味から想像するよりは、割と剛性も反応性もしっかりとあった気はしますが…微妙にアルミらしいシャキシャキ感はなかったかもしれません。
でも、結構良い走りしていたんですよね。
なのでタイム取って走ると結構侮れない良いタイム刻んでました。
素人の走りでもw
そのあたりが今回の進化でどうなったかですね~。
※最大のトピック
◎TREK独自の表現なのですが、「H1.5ジオメトリーを採用」
私がロードバイクを始めた頃からこういう表現がありました。
・H2ジオメトリー
ロードバイクらしく、ちょっと前傾姿勢なポジションとなりますがそれでもホビーライダー向けにアップライト方向のセットアップができるようにジオメトリーを最適化した設計モデルを指します。
・H1ジオメトリー
完全にレーシングジオメトリー。
速く走る為に一切の妥協を廃した設計。
前傾姿勢がより強く取れるようになり、最大の空気抵抗である「乗り手」を低く座らせる事で空気抵抗を根本から減らして「より高いスピードを引き出す」為のジオメトリー
この2種類がTREKの、特にSLRという最高グレードで選べました。
そうじゃないALやSLなどのモデルは「H2」ジオメトリーで設計されてました。
ここで重要ポイント。
世界選手権で戦うほどのトッププロ選手でも「H1ジオメトリーだとキツイw」という人も居たそうです。
そこでH2にすると、今度はアップライト過ぎる…(プロ的に)
H1とH2しかない当時は、H1ジオメトリーを選んで「そこでできる限り、少し緩いポジションへ」ステム長やサドル位置などを工夫してセッティングされていたそうです。
そういう流れから必然的に生まれたのが「H1.5ジオメトリー」です。
要するに、H1とH2の中間なんですけど少しだけH1に寄せたジオメトリーかな?なんて私は思っています。
今度調べておきますw
妻が乗るEmonda SLR(2018)はH1ジオメトリーです。
むちゃくちゃ低い(ヘッド高さなど)ので横から見るとカッコいいんですけど、少しだけ慣れが必要。
妻が乗りやすいように店長が工夫してくれてますが、やはりそういう側面がありました。
私が乗るMadone SLR(2022)は、H1.5ジオメトリーです。
最初に買ったEmonda SL5(2018)はH2ジオメトリーです。
両方乗ってるので、わかりやすいんですけど…
私が乗るエモンダは、今乗るとちょっとハンドルが近い。
そして上体が起き気味。
姿勢は楽だが、体重をペダルに乗せていくペダリングや前に送り出すペダリングは今となっては他モデルでの「そういうジオメトリーに慣れちゃったからか」少ししんどい。
慣れたらシマイなんで、乗ってるうちにエモンダに合わせた乗り方にはなりますが、そういう感想を今は持ってます。乗ると楽しいですけどねw
マドンに乗ると、前傾姿勢が自然とエモンダより強い。
そういう姿勢になります(ステム長など同じ100㎜で組んでいても)
ロードバイク自体に慣れてなかったら、マドンの方がしんどいだけの姿勢だと思います。
でも、素人かつホビーライダーの範疇でしかない私ですら、今はマドンのポジションの方が楽なんですよ。
自然とペダルに体重が乗る、脚を前に送る一番効率が良いペダリングをしている時に楽なんですよ。
姿勢から自然とパワーが引き出せているっていうか。
そんで頭の高さも自然と低くなるので、人間の方の空気抵抗も改善されているとw
そんな感じで、H1.5ジオメトリーとは我々素人が趣味で乗るだけにしてもメリットが多いジオメトリーなんです。
※いや、サドル前後位置とかステム長とか調整したらポジション近づけられるやろ!
という意見もあると思うんですけど、BB位置からの各所相対的な位置関係で考えた場合は正に「近づける事はできるかもしれない」
しかし「まるっきり同じにはできない」と思うんですよね。
◎ちなみに、現在のトッププロ達のセッティングはどうなってんの?
現在はカタログ上では大きく謳ってないんですけど、「H1」ジオメトリーは存在しています。
何も言わずにproject oneなどでカスタムオーダーなどしても採用されるのは「H1.5」ジオメトリーですが、その際に「H1」と伝えるとそちらのジオメトリーで製作してくれます(マドンとエモンダだけ?でしょうか。また聞いておきます)
なので、選手によってはH1の方が踏める。
って人も現実いらっしゃるんで、H1も選べるようになっています。
ただ、結構H1.5ジオメトリーの方が数は出ているそうなんですよね。
統計まで調べたワケじゃないんで見聞きしたお話しですけどw
えらく長文になっちゃいました。
すみません。
つまり、今回のモデルチェンジしたEmonda ALRは
・試乗してみないとはっきりした事は言えませんがモノは大変良くなっているので、見た目などで気に入ったら「買い」だと思います。