2019年09月02日
相反する要素
先日、STRAVAに驚くべき記録がアップされました。
大阪には有名な「十三峠」という峠があります。
道もそんなに良いわけじゃなく、勾配も結構キツクて実業団選手の方でも13分を切るというのは非常に難易度の高い峠です。
それを「梅ぴょん」という方(乗鞍のレースで3位に入るほどの実力の持ち主です!)が遂に十三峠十三分切りという偉業を達成されたんです。
その偉業を成し遂げる為にこの方が選ばれた道は、徹底的な軽量化です。
自身のお体も含めて極限まで軽量化。
これは、プロである実業団選手では死活問題に関わるのでなかなか出来ない行為でもありまして、プロは山岳地帯だけ速ければいいとは、ロードレースの性格上そういう割り切りが出来ない為、プロ選手は「パワーを落とさずに減量」という手段を取らざるを得ません。
そこを割り切って自分の得意とするところを鋭く伸ばしていった。
そういう凄さもある結果でした。
体重47kgまで落とし、ロードバイクは5.05kgまで総重量を落とす。
その結果、パワーウェイトレシオ6倍以上を保てる様に調整され、十三峠十三分切りという偉業を達成されたのです。
それとは真逆を行くハナシになるんですが、今週末はちょっと試してみた事がありました。
妻はemonda SLRにTNIの軽量手組ホイールという組合せで山を登っているんですが、先日は雨が降りそう…という事もあって、今は主に通勤で乗っているemonda ALRというアルミフレームのロードバイクに、私が所有するRacing ZeroというFulcrumのアルミホイールを組み合わせて乗ってました。
Racing Zeroというホイールは、普通の女性が乗るにはホイール自体の剛性が高すぎて不向きと言われるホイールです。
思い付きで朝の準備の時にこれら組み替えをしたので、ペダルを入れ替える時間が取れなくて、ビンディング式のペダルじゃなくフラットペダルで乗らなくてはならない状況になっちゃって、ペダルの面でも不利(力が逃げやすい、引き脚が使えない、重心が上がっちゃうetc)な状況でのヒルクライムでした。
清滝峠まで向かう道中も、妻は
「いつもより重いw」
と不安げな気持ちを吐露しておりましたw
「登れるかなぁ」と。
でも、その割には普段よりちょい速くらいの巡航でビュンビュン走っていたので、私はひょっとすると…とは思ってました。
そして、いよいよ清滝峠。
私はホイールを貸している関係でSpecializedのAllez sprintで登ってました。
これはフロントのギア比が(リアスプロケはemondaと同じ)emonda比で少し男前なので平地や下りの速度のノリは一枚上手なんですけど、体重もある私にとって登りは少し苦手w
リアの一番大きいギアが一枚足りない感じ…と言えば伝わるでしょうか。
emondaだったら28T使えるんですけど、Allez sprintだとリアが同じ28Tでも実質26Tと同等なキツさ。
でも、案外登れるんですよね。不思議と。
これは反応の鋭いアルミフレームの瞬発力っていうかトラクションの良さなんでしょうか?
同じ車種じゃないので単純な比較にならないんですが、これでAllez sprintの方にもRacing Zeroクラスのホイールを組んだらemondaを超えられるかも?と思える様な感じでグイグイ登ります。(不思議)
そんな私の横を妻はガンガン進んで抜いて行き、あっという間に見えなくなりますw
妻は体幹が強く、体重の軽さも手伝って実は割と速い人の部類に入りますw
重い重い言いながら、前を走る人をごぼう抜きしてALRとRacing Zeroの組合せで走って行く。
アレ?
いつもと変わらんくらいのペースじゃね?w
と思いつつ、私は一心不乱にペダルを回す。
頂上に付くと、私はemonda SL5と変わらぬくらいのタイムで登り切りました。
涼しくなったんで、Allez sprintでも良い結果が残せました。
emonda SL5で登ったらタイム更新あるかもですね。
そして妻の方ですが、ペダルもフラぺでフレームもALRでSLRの倍以上重いフレーム。総重量で言えば1kg以上変わっちゃうという割と無視できない差。
そして、女性の脚には不向きと言われている剛性の高いRacing Zeroでの結果は、SLR+TNIの軽量ホイールと変わらぬタイムでゴール。
え?
計測間違いじゃないの?
ってくらいの結果です。
ペダルの面でもパワー伝達効率含めて総合的にちょっと不利。
重量面でも不利。
ホイールも普段乗ってるホイールよりちょい重い。
(ベアリングは両方ともセラミックベアリングなので回転性能ではほぼ変わらないと思われる)
それら踏まえて考えるとちょっと凄い。
なんでだろう?
不思議です。
単純に、Racing Zeroというホイールは噂に違わぬ高性能なんでしょうか。
ヒルクライムにおいて重量はとても重要です。
その重量差をひっくり返すほどの差が生まれたのか?
フレーム性能差で言えば、ALR<SL<<<SLRくらい差があります。
提灯記事じゃなく、実際のフィーリングも含めて。
スペックに表れない「安心感」も含めてです。
軽いのに安心感がある、という時点でも凄いんですけどね(相反する要素でもあります)
じゃあ、emonda SLRにRacing Zeroを組み合わせたら、乗り手がそんなに成長してなくても機材のチカラだけでタイム更新になるの?
という疑問が生まれます。
これは来週試してみようと思います。
そして、妻の感想なんですけど
・やっぱり重い
・ロードバイクで初めて筋肉痛になった
・重いけど速い(不思議)
・ALRにTNIホイールの時より安定感あった(ダウンヒルの際のハナシ)
この感想を簡単にまとめると。
私が剛性高いロードバイクに乗って、実際に高い反力を私自身の脚が受けて物凄い筋肉痛になった事があるので、妻が珍しく筋肉痛になったという事実から、Racing Zeroは性能高い反面、やっぱり剛性が対比として高すぎて妻の脚にはちょっとキツイ可能性はあります。
ホイールのかかりの良さや剛性の高さが脚にきっちりと返っていってる可能性。
なので、次はSLR+Racing Zeroという組合せで清滝峠を登って計測してみて、良い結果が生まれたら…
妻のSLR用のホイールを何にすれば良いのかが決まりそうです。
わかりやすいチョイスとしましては、Racing Zeroと同等の性能を持ちつつ、Racing Zeroの様な剛性一辺倒な(悪いワケじゃないですけど)性能よりも一段マイルドにして万人向けに設計されている、同じグループのカンパニョーロ製のシャマルウルトラだとドンピシャになる可能性が大です。
梅ぴょんさんの結果とはまた違った傾向ですけど、重さをひっくり返すほどのホイールの性能差。
それは掛けたパワーをどれだけロスなく路面まで伝えて、自転車を無駄なく前に進めるか。という差。
それと、どんなに優れたベアリング性能でも(TNIのとFulcrumのセラミックベアリングは共に評判高く、実際に両方とも良く転がります)それをさらに有効に活かすにはある程度のリム重量も必要だという事実。
この辺の事実関係は「GOKISO」と言われる純日本製の高級ベアリングおよび高級ホイールメーカーの実際にプロのレースの結果でもあらわれています。
まさかGOKISOさんの様な高次元な話題じゃなく、身近な例としてそういうのを、そこまでの領域じゃないにしても感じられたのは…
機械って本当に面白いな~と思った次第です。
とりあえず、一回二回の結果で一喜一憂せずに何度か試してデータ取ってみようと思います。
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2019/09/02 11:43:22
今、あなたにおすすめ