2019年12月17日
初めてロードを買う人用に簡単まとめ
ロード入門みたいな記事はたくさんありますが、掘り下げて書いてる記事が存外にありません。
買ってみて初めて気付く「あっ!」という事も。
私は幸いにして、知らずに欲しいのを購入しまして(ある程度参考にはしましたが)偶然購入した最初のロードが良い意味で平均値を行く機種だったので、長く乗れそうでほっと胸をなでおろしていますが、中にはそうやって購入に至り、偶然手に入れた車種が実際に半年なり一年を過ごして「合わない」という人もおられると思います。
そこで私がまだ少ない経験ですけれど、経験した事を通じて少しでも参考になればなぁ…
って感じで簡単にまとめたいと思います。
・フレームを構成する材質
まずはクロモリかアルミかカーボンか。
この辺はまず好き好きで入って構わないと思います。
→クロモリ
目に見えぬか所から内部に錆が回る事もあり、維持するなら屋内保管が望ましい。
アルミもカーボンも屋内保管が望ましいですけどねw
土間などあるご自宅でしたら半屋外扱いというか、土間からあがる湿気も大敵となる事があるので、クロモリを維持するなら多湿な部屋を避けて保管されると吉。
クロモリはフレームの結合部分での納まりなどで主にグレードが様々あり、その辺の処理と意匠を楽しむ乗り物でもあります。
材質上、重さは避けられませんが本物のフレームだと重い割にきちんと推進力に変換する上質なモノもあり、ピンキリです。
最近では主にヴィンテージモデルが人気でお値段は驚きの高価格w
クロモリの世界は深いです。
基本的に見た目がレーシー過ぎず、ごつ過ぎず素敵なデザインの車種が多いです。
→アルミ
カーボンモデルが普及するまでは、レースモデルと言えばアルミフレームが主流でした。
アルミの機械的特性により、鋭い反応と堅い剛性が売りで金属疲労に弱い反面、キビキビとした運動性能を伴う事が多く、カーボンに優るとも劣らない楽しさを持ち、維持する面でもそれほど神経質になる必要もなく、現在では特殊なモデルを除けばお求めやすいモデルが揃った上で、お求めやすい価格にも関わらずツボを押さえたアップデートをユーザーがカスタマイズする事でカーボンキラーともなり得る運動性能をも持ち合わせております。
中にはエントリーグレード(20万円前後)のアルミフレームなのに、フロントフォークがフルカーボン製、シートポストもカーボンポストを奢り、アルミフレーム特有の運動性を持ちつつも、細かい振動はカーボンフォークとシートポストで上手く吸収して、フルカーボンモデルには一歩そういう面では劣るものの、ロングライドも苦にならないモデルも存在します。
(私の知る限りだとemonda ALRや私も乗るAllez sprint compなど)
エアロ性能も若干実現したモデルもあったりして、アルミフレームが少し盛り上がっているのです。
ただし、気を付けないといけないのが「軽すぎるアルミフレーム」
アルミという金属特性により、軽い=薄い。
薄いアルミはどうなるか。
非常に賞味期限の短い、もしくは剛性はあるが強度が低い事から設計で狙った剛性すら得られておらず、ダウンヒル時やトルク掛けて登るヒルクライム時などにそういう特性を持つフレームの「嫌なところ」が出てしまっているモデルも少なからずあるので、この辺は事前に調べて見極めるか試乗して確かめてから買う事をおススメします。
私の知る限りですけど、emonda ALRは軽量な方に属しますがいたずらに軽さ一辺倒で性能を求めるのではなく、コンフォート性能すらも持ち合わせていまして実際に乗って「何が大事なのか」というのを確かめるのも大事です。
私が乗るAllez sprint comp discはBB廻りがはっきりと欠点でして、私の様に体重もあって(恥ずかしながら90kg)パワー掛けて乗るタイプの人なら純正のプラクシスワークス製のフロントチェーンリングとクランクセットから、シマノ製の105でも良いのでそういうクランクへのアップデートはした方が実際に体験しておススメです。
BBもプラクシスワークス製か、シマノのクランクへ交換するなら老舗メーカーのスギノさんの嵌合式BBに置換するのをおススメです。
ケイデンス高めて乗らないと力が逃げ気味だったのが、低い回転でトルク掛けてもグングン進む様になり、頼もしい相棒へと変身します。
それ以外の面では、「Specialized」の冠を抱いているモデルですがシートポストやフロントフォークにS-Worksのホンモノを奢るだけあって、純正ホイールだと走りがイマイチなこの価格帯のモデルが多い中、ホイール交換済ませた同価格帯のモデルと遜色ないどころか、むしろ…という走りが実際にあるのが凄いと思いました。
ただしフレームガッチガチなので荒れた路面ではインピーダンス損失が少し多いのは価格帯なりでしょうがないのかな、という感触です。
良いフレームは同等の剛性を持ちながら、同路面でのトラクションで差が付きます。
お値段も100万円から差ありますけどwwww
・カーボン
今や業界標準的な存在へと昇華した素材。
エントリーグレードに近しいお値段のモデルも存在します。
2014年前後の頃のモデルと比較して2018年頃から進歩が著しく、エントリーグレードに近しいモデルでも非常に優れた性能を持つモデルも増えました。
私が乗るemonda SL5というモデルが正にそんなポジション。
物凄く性能が高いワケでもないですが、何か不満を持つ程でも無い。
これより上を目指すなら、フレームだけで40~50万円はするハイエンドに行くしかないな…という高バランスなモデルも多数存在します。
アルミの項でも説明しましたが、カーボンモデルも「軽すぎる」モデルは避けた方が良い傾向が強いです。
ただし、TREKの様に「限定的だが生涯保証」を付ける様な自信を持ち、事実、本当に保証してくれるメーカーの様なフレームの場合は大丈夫です。
うちの妻が乗るemond SLRはフレーム重量640gです(驚
ロードの大半を構成するフレームがペットボトル約一本分ですよw
それでいて重量制限は他社のロードよりも高い数値である130kg(大抵は110kg)
軽いのに剛性があって、良い意味で堅いだけでなくしなやかさも持ち、荒れた路面で跳ねる事無く安定性すらも持っております。
乗って面白いとかスゲェという感動が無い反面「普遍的ではない普通さ」とも言え、誤解を恐れずに言えばポルシェにも通じます。
カーボンモデルはフロントフォークの重量にも注目しましょう。
軽さを追求するがあまり、フロントフォークを削り過ぎているモデルは大抵ピーキーな特性を持ち、慣れても乗りにくい傾向が高いです。
荒れた路面でのダウンヒルなどで怖い思いをしたくないなら(普通、避けたいですよねw)フロントフォークは今の技術だと350gは無いとそういう強度と剛性が出せません。
有名かつ評判も良いモデルの「多くは」ではなく、「確実に」350gを超えて370gよりは軽く作られています。
まるで示し合わせたかの様に350g台です。
技術をピュアに突き詰めていった先に、同じ解答に辿りつくのでしょう。
調べていくと面白いですよ。
カーボンモデルで気を付けないといけないのは「紫外線」
炭素繊維を固めている樹脂が劣化するからです。
なので長い期間楽しみたいのであれば、屋内保管、しかも冷暗所は必須です。
また、構成するコンポのグレードにもよりますけど湿気も避けた方が無難です。
昔と比較してさほど神経質になる必要もないくらいに洗練されたフレームですけれど、それはミドルグレードまで。
ハイエンドモデルになると極限まで性能を追求するがあまり、一度の転倒でフレームが割れたりする事は本当にあります。
そういうので損傷した場合はTREKですら保証対象外なので、正にレースに出るマジモンのロードは見た目も実際の乗り味もチャリ離れしていて非常に高い満足感と共に所有欲も満たしてくれますが、ハイエンドモデルに乗られるならその点は注意してください。
ちょっとした小傷から応力集中→クラック進行
という事もままありますので、カーボンモデルでハイエンドモデルを買うのであれば遠回りかも知れませんが一台、ミドルグレードに乗ってロードそのものの扱いに慣れてから買った方が幸せかも知れません。
私の知人で憧れのハイエンドモデル、Madone SLRを特注品で購入。
わずか二週間でオシャカにしてしまった人が居ます。
大事に扱っていたのですが、一瞬の不注意でそうなってしまったのです。
丈夫なので有名なTREKのモデルですらそうなので、軽さで有名なモデル(SuperSIX EVOなど)とかだと、より一層気を付けないといけないかも知れません。
しかし、カーボンモデルは基本的には丈夫になりました。
本当に。
そして新車時の乗り味が経年と距離で多少落ちていくとは言え、こんなんもう乗れねぇwって不満を覚えるほどの劣化は、わずか数年で訪れる…という事もなくなりつつあるそうです。
特に来年モデルチェンジを控えているTREKのemondaあたりから、業界の常識が変わっていくかも知れません。
新型のDomaneでTREKが示した様に、軽さばかりを追求するのではない設計を取り入れており、実際に乗ると非常に納得する乗り味です。
それは現行のMadoneにも通じておりまして、なかなか見所がいっぱいで来年の各社の新型モデルの動向が楽しみです。
素材でえらく長くなってしまいましたw
次にブレーキ形式です。
・定番のリムブレーキ
ホイールを挟んで止める、自転車に良くある構造のブレーキを指します。
カンチレバータイプのモデルも、今や古い話しとなっちゃいますがありましたね。
リムブレーキのメリットとしては、
1>メンテが楽
2>輪行時などの車輪を外す際にディスクほど面倒では無い
3>一般的にディスクモデルより軽い
4>ホイールなど含めて全般的に安い
デメリットとしては
1>ディスクモデルよりホイールがより消耗品。
そりゃホイールのリム挟んで止めるんだから、リムは摩耗していきますw
だいたい2万km前後でリムの寿命が訪れる事があります。(乗り方による)
2>憧れの高性能カーボンホイールに乗った際に、かなり神経質になるw
アルミリムの乗り方に慣れ過ぎて、そんな感じでブレーキ掛けていると…
最近のカーボンホイールは随分良くなったとは言え、悲しい結末が…
3>日本市場では根強い人気があるのですぐには淘汰されないとは思わるが…
世界的には圧倒的シェアの差でディスクモデルが売れております。
熟成されきった素直な乗り味、安い維持費。
ホイールに拘りだすと正にロード沼に陥りますが(上記の通り、買っておしまい。という乗り物ではない為)リムブレーキモデルは初めて乗るロードとしてもおススメ。
アルミホイールがとても性能高いモデルも多いので、なんでもハイエンドじゃなきゃ嫌だ!って向きじゃなければ、リムブレーキモデルは維持費の面でもアリじゃないかと個人的に思います。
また、油圧式のディスクブレーキよりも整備は楽です。はっきりと。
慣れたらそんなに違いは無いかもですけど、それでも整備に掛かる時間はリムの方がそりゃ早いですw
・ディスクブレーキ
メリットとしましては
1>コントロール性がリムより高い。
2>雨の日でも安心の制動力の安定性。
3>高価なホイールのリムの寿命が圧倒的に高い。
そういう意味では、ディスクの方が維持費は安くつく意味合いも生まれます
高価なフルカーボンホイールを安く無い金額支払って維持するなら、
確実にディスクブレーキモデルの方がメリット大です。
その分、ホイールは高いですけどw
デメリットとしましては
1>通常のアルミホイールもディスクブレーキモデルは割高
フロントホイールにもブレーキの構造上、リムブレーキモデルよりも多大な
応力が掛かる為にホイールの構成が前後輪共に構成部品が増える為
2>上記の事から、リムブレーキモデルよりもホイールが重くなる。
3>輪行の際に外したホイールに付いてくるディスクが歪む、フレームなどに
傷を付けるリスクがある。
4>油圧式のブレーキだとブレーキフルードの交換が少し面倒。
慣れたらシマイですが、クルマと違って構造的にエア抜きが大変。
ロード全般において
約2年、一万km走行を目安にオーバーホールをするのが理想です。
クルマと違って車検制度がないので完全自己責任です。
シフトワイヤーが切れちゃうのは、変速できなくなって困った。
くらいで済みますが、ブレーキワイヤーが切れちゃったりするとシャレになりません。
ワイヤーは沈黙の臓器ばりに、逝く前になんかフィーリングがあるというケースが稀です。
突然切れる事もままあるらしく、ここは保険だと思って定期的にオーバーホールするのをおススメです。
特に慣れた技術のあるショップで組んでいただいたロードならいざ知らず、自分で組んだ人とかのロードで、操作系に違和感はないけどちょっとしたワイヤーの取り回しの差とかで思わぬ負担が掛かっているケースもあります。
時々、ノウハウのあるお店で点検や交換などをしてもらうと吉かも知れません。
時速70km近いダウンヒル時にブレーキワイヤーが切れたら?
革ツナギ来て乗るバイクよりも遥かに薄いサイクルウェアで乗る以上、物凄く危険です。
また、チェーンについてですけど105グレードで3000km交換が目安です。
伸びてもフィーリングなどに劇的な劣化を感じる兆候が無いのが特徴です。
新しいチェーンに交換した際に古い(伸びた)チェーンで削られたスプロケットやフロントチェーンリングに馴染まず、変速もままならないなどのケースがあり、チェーンでまだ不具合ないから…と言って数千円ケチってギアごと交換という事もザラにあるので、この辺ははっきりと消耗品だと割り切って日々のメンテで清掃・注油を怠らずに維持していても定期的に見てもらうか、予備整備だと割り切って定期的に交換する部品だと割り切って維持した方がかえって安くつきます。
長くなりましたが、ここまで読んだあなたは立派な変態ですw
こんな長文読んでくださってありがとうございますw
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Posted at
2019/12/17 09:14:00
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