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イイね!
2020年09月12日

いよいよRTMがより身近に…

みなさんもご存知だろうCFRP成形技術の一端として知られるRTM。
レジン トランスファー モールディングの略でRTM

私のようなスバル車が好きでGDBに乗ってた人たちは、RTMを本格的に知ったのはGRBの限定車にカーボン屋根を実装された時の記事を読んで知った。
そんな方も多いでしょう。
当時のRTMの良いところは、通常のドライカーボン成形技術と違って
・大量生産に向いている。
・製作にかかる時間が短い(上記の内容とも合致する)
・結果、コストが安い
その事から、RTMは実は結構前から広く世の中に浸透しています。

私の身近な話題としては、カーボン製ロードバイクのフレームが正にRTM
フランスのTIMEというメーカーはカーボン繊維を織ってシートを作るところから拘り(シートの編み方と繊維の方向と密度も使用する部位毎に変えるという拘りよう)
RTM工法でフレームを製作されていました。
それが始まったのは…いつ頃だったか忘れましたが約20年前くらいから作っているという歴史。
業界的に最も話題をさらったのはコルナゴのモデルだったっけな?
でも、RTM工法でフレームを作っていたのはTIMEが最初だったと思います。

話題を車に戻して…w

GRBインプレッサの屋根に採用されたRTM工法パーツは、実は当時のスバルの読みが少し外れ、RTM工法による生産時間短縮などは目論見通りだったらしいですが、「精度」に少し問題があった。
当時、RTM工法を採用した事で話題になったのマクラーレンMP4。
カーボン製バスタブシャシーにRTM工法を採用し、コストを下げてお求めやすいお値段に(お求めやすくない価格ですけどw)
なぜ、マクラーレンはシャシーにRTMを採用したのか。
上記の精度の問題です。
シャシーも精度大事やん?
ごもっとも。
ですが、公差をどのように設定するかで求める性能を犠牲にしないまま、製造で発生した誤差がそのまま性能に直結しないように巧みに設計されていた。
多少誤差が生じても、意匠に関わる外板の方でその誤差も吸収して納める。
そのような設計とノウハウだった為にマクラーレンがシャシーにRTMを採用したのは大成功。
スバルの場合は屋根という構造材であると同時に車を形造る意匠材であることも災いした。
なので、割と検品時にハネる数が予想より増え、狙った通りのコストダウンには実は繋がらなかった…というようなお話しを耳にした事があります。

そんな試行錯誤とチャレンジは熱い。
そういう過程を踏んで、今の様々な製品にも繋がっているのですが、この度日産が面白い技術を開発。
C-RTMという工法。
詳しい技術紹介などは貼ったURL先の記事に依存します。

非常に画期的。
これで航続距離を伸ばさないと普及は難しい電動自動車の車重が軽くなるだろう未来は非常に明るい。
ただし、カーボンって割と電気通したような…?
あと、火災に対して恐ろしい。(樹脂である以上は)
この辺はどうクリアするかですね。

そして、こういう記事を読んでいて思い出したのがTREK
TREKの「OCLV」というカーボン成形技術です。
実は、TREKのOCLVと呼んでいるカーボン構造材は普及モデルで多く採用されているOCLV500は輸出大丈夫なんですけれど、SLRモデルに採用されているOCLV700はアメリカ軍やスペースシャトルなどでも正式採用される本来なら輸出禁止な技術を用いた構造材なんです。
カーボン成形する際に、プリプレグに樹脂を含浸する際に発生する気泡を極力抜く世間には公表されていない特殊な技術で成形されています。
TREKだけでなく、今や大手メーカーの多くはOCLVと似た工法で製作していると思われます。
今年デビューした新型emondaと、今年の夏にマイナーチェンジを実施したmadoneに採用されたOCLV800というカーボン成形技術は、もう一歩進んだ技術でどこそこの強度と弾性を持ったカーボン繊維を使った…という単純なカーボン構造体ではないところがミソ。
東レの画期的な新商品であるカーボン繊維を使っている事には違いないのですが、TIME社が昔からやっているような(今やTIMEだけじゃないと思いますけれど、どこも公表はしない)カーボン繊維の向きや貼り方だけでなく、どの様にチューニング(調律)をするのか。
カーボンシートの貼り方を今まで以上に拘って、シミュレーションしながらテスト車をいくつも製作し「最後はテストライダーに実際に乗ってもらって、フィーリングと性能評価をフィードバックして、より性能を高めていった」という、複雑な過程を通して合格(市販に至った)した構造のみに適用されるという、非常に手間暇の掛かったカーボン成形技術が「OCLV800」だそうです。
詳しくはリンク先の記事を読んでください。
2021モデルのMadone SLR紹介記事です。
なので一言でOCLV800と言っても、一様な構造体ではなくemondaにはemondaに対して最適な、MadoneにはMadoneに対して最適な構造体として、TREKが車内的に認める強度・剛性・軽量性などの評価基準を超えた構造のみに与えられる製品名がOCLV800。

自転車の説明で長くなりましたが…w

車と自転車で求められる性能はまた違いますが、日産の開発したC-RTMというのがPinarelloやSpecializedやTREK、そしてTIMEなどが生産に用いている技術に近しいか、それを一歩抜きんでているのか…は詳細を調べないとわからないですが、恐らくそういう領域に踏み込んだ成型技術なんだろうと思います。

複雑な設計業務になると思いますが、乗って感じる官能性を備えたシャシーを生み出すきっかけになれば…素敵だなと記事を読んで思いました。

良かった頃の日産、戻ってきて欲しいなぁ。
そして、EVだけじゃなくそのC-RTM工法を使ってシルビア作ってくださいよ!!
剛性と耐久性バッチバチのモデル作って欲しい。
この先20年~30年乗れるような。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2020/09/12 08:34:42

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この記事へのコメント

2020年9月12日 8:51
こんにちは。
自動車でカーボン素材が今一普及しないのは、修復性が悪い(もしくはほぼ無い)ことだとエンジニアの方から聞いたことがあります。
それゆえ、めちゃくちゃ高い車か(オーナーが交換に鷹揚な金持ち)、費用負担が少ない小さい部品にしか使えないみたい。
EVだとご指摘のように通電性が高いので、事故時は火災も含めてちょっと怖い気もしますね…。
コメントへの返答
2020年9月12日 9:06
terry997さん、おはようございます。
コメントありがとうございます。

カーボンシャシーや、ボディの修復性が悪いというのは現実としてありますね~。
私はロードバイクしか知りませんが、純粋な主義をお持ちの方は落車や接触をおこしてフレームにクラックが生じた場合は修復せずにフレームセットの新品を買い直して、また一台の自転車を組みなおす人が多いですが、実は修復技術は相当高いレベルに達しています。
某C○Jのように名前は有名ですが酷い(失礼)修復を行ってシートステイにちくわみたいな補強材が被せて返ってきたw
みたいな(# ゚Д゚)ハァ!?
というお話しも耳にしますが、私がお世話になっているショップご用達の修復屋さんは元々のフレーム性能に近しい性能にまで復旧させ、なおかつ仕上がりは「どこ直したんでしたっけ?w」というくらい均一かつツライチの仕上がりで修復歴アリなのかどうなのか!?というところまで直せる技術屋さんもいらっしゃいます。

車の方もボディ全体じゃなく、フロントセクション、グリーンハウス、リアセクションという感じでバッサリ切って繋ぎ直す…などのノウハウなどが確立されたら、スチール製ボディやアルミ製ボディよりも、より新車時に近いような修復が可能になる時代が…
…やってくるかも知れませんが、今のところは不透明ですね(笑)

やはり通電性が起因するトラブルと火災に対しての対策が今後大事になりそうですね~!
2020年9月12日 8:57
CFRPはリサイクルできない点が問題かと思ってます。
コメントへの返答
2020年9月12日 9:11
屁韻出流さん、おはようございます。
いつも秀逸なやり取りコメントで日々の小さな微笑みを引き出す楽しさを提供してくださってありがとうございます。

さて、「屁韻出流」って打つのめんどくさいです。
そして、コレは何とお読みすれば良いんでしょう?
「へいんしゅつりゅう」?
「へいんしゅつる」?
「へ…」(以下略

CFRPのリサイクルに関しては、まだ普及まで至ってませんが既に始まっております。
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/junkai_keizai/pdf/003_02_03.pdf

実際に粉砕したり、裁断(チョップド)したりして服や他製品に再製作する原料として加工している様子を何かのニュースで見ました。

海洋プラスチックなどと共に空気中に飛散している粉状プラスチックなどが環境問題として取り上げられ、一応社会的にも減らす方向で物事は進んでいますが、逆にこういう分野で樹脂製品の使用頻度が増える方向性だと思うんですよ。

なので、より活発な回収・再利用技術と制度の進化が望まれますよね~。

某アメさんのようなエスプリ効いた返信できなくてすんまそんw

プロフィール

「マウンテンバイク同士の比較動画は面白かった」
何シテル?   04/17 15:35
radius-meganeRSです。よろしくお願いします。
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