キャノンデール(Cannondale)から新しいアルミロード(フルモデルチェンジ)が出ました。
cannondale optimo
オプティモというモデルがフルモデルチェンジ。
廉価モデルながら、なかなか魅力的な一台です。
こういう安価なモデルは、それなりに乱暴に乗られる事が多くメンテも実際には必要なのにせずに乗っておられる方が多いのが実情です。
その辺はメーカーもわかっていて、通常だとアルミパイプの肉厚を厚くして耐久性を持たせたりするのが常です。
その上で初心者向けに安定性を高めるジオメトリーなどを採用すると、悪い表現で言えば「もっさり」とした乗り味になり、せっかくのスポーツタイプの自転車なのにどちらかと言えば少しママチャリに近いような、クロスバイクとロードバイクの境界線が曖昧な乗り味とコントロール性に落ち着いちゃう事が多いのですが、キャノンデールはそこを妥協する事無く、より高価なモデルのように肉薄のアルミパイプを採用し、一部のパイプは断面形状を一本のパイプの中で変えて(Allez sprint comp discと同じく、コルベットなどにも採用されているハイドロフォーミング製法でパイプ形状を変えているものと思われます)まで、剛性と撓みのバランスを取っているのが特徴で、とてもじゃないですがシマノ105コンポ搭載モデルとは思えない154000円という価格を実現。
…むっちゃ安いですやん…
私の妻が2017年に購入したTREK emonda ALR5を彷彿とさせる納まりです。
emonda ALR5は189000円でした。たしか。
emonda ALR5はフル105だったので、一概に高いとは言えません。
cannondale optimoがフル105だったら技術の勝利と言えますね。
Allez sprint comp discはそうだったんですが、アレースプリントは105ミックスコンポでした。
クランクとチェーンリングがプラクシスワークス製の廉価モデル(ティアグラかソラ相当?)で、チェーンがKMCのグレード不明なチェーンを使ってました。
ディスクブレーキのローターやキャリパーやSTIはシマノ105でフロントディレイラーとリアディレイラーも105でした。
アレースプリントのリムブレーキモデルは、ブレーキキャリパーがテクトロではっきりと頼りない…。
そんな構成でした。
オプティモは発表されたばかりでその辺はわかりませんが、非常にお求めやすいモデルですね。
フルアウター配線ですし、メンテ性も抜群。
リムブレーキモデルしかないのが少し残念ですが、最初に乗るのはアリじゃないでしょうか。
※ミドルグレードから、リムブレーキモデルの社外品ホイールは新製品が既にリリースされていないのが現状なので、ステップアップの際に選択肢が非常に限られるのが残念な流れです。
そこで…
cannondale CAAD13
一気に価格は跳ね上がりますが、CAAD13がやっぱ魅力的だよなぁw
なんて考えちゃいます。
105コンポ構成で253000円。
アルテグラコンポ構成で297000円。
(´・ω`・)エッ?
アルテ構成で297000円なら、アルテの方が得じゃん?
と思いますよね。
私も思いますw
でも、よく見るとブレーキローターが105です。
キャリパーも105じゃないでしょうか。
ディレイラーとSTIレバーがアルテグラで、他は105の可能性。
105構成の製品は、オール105なんでしょうか。
そうじゃないと価格差4万円でアルテ構成は有り得ませんw
本気で買うならアセンブルの内容を調べた上で、4万円違いでしかないのでアルテ構成モデルか105構成モデルかを決めて買えば良いと思います。
Allez sprint comp discも、105ミックスで約25万円と非常に高価。
そう考えると高価w
私自身が使ってみて、すぐにクランクとBBを交換しました。
Specializedのこういう廉価モデル(と言っても高いですがw)は、純正ホイールが鉄下駄じゃないんですよ。
非常に割り切っているので、スポークのテンションがぬるい。
採用している純正スポークが安物の張れないスポークなのでしょうがないのですが、それを本数でカバー。
私はそのスポークが終わらない程度に締めあげて張りなおしてもらっています。
それでもぬるいですが、これが結構良く走るのです。
社外品のホイールに買い替えんでも、これでそこそこ良いじゃん!
と思えるくらいには走ります。
それは、純正ホイールであるDT SWISS製のリムが高性能なんですよ。
手組用でも販売されているリムですが、R470dbというディスクブレーキモデル用リムなんですが、これのリム重量が実測で444~452gのリム重量。
私のは448gでした。
これって、剛性やらいろいろ絡むので一概には言えないんですがFulcrumのRacing ZEROなどのアルミリムハイエンドモデルのリム重量と差がほぼありません。
リムがそこそこ強く(汎用性がある為にいたずらに強度を落としていない)そこそこ軽い為に、安物のスポークで張ってあって安物のハブ使っていても価格の割に走るんですね。
Allez sprint comp discの純正構成のまま、割ときつい坂を含む北摂の道を結構ライドした上で「なかなか良いやん」と言える純正ホイールでした。
なのでスペアホイールとして、Roval Rapide CL50 discを導入した今も売らずに残してあります。
CAAD13やoptimoが採用する純正ホイールがどの程度のモノなのかですね。
ちなみにR470dbを使ったスペシャの廉価モデル用純正ホイール重量は前後合わせて1.7kgで総重量も「鉄下駄」というには「十分に軽いw」と言える重量です。
TREK emonda ALR5や私も乗るemonda SL5に採用される純正鉄下駄は前後あわせて2.1kgでしたw
十分に重いですw
それでも結構走りましたけれどね。重量の割に。
あと、Cannondaleはクランクとチェーンリングを頑なに自社ブランドの製品を採用します。
これら廉価モデル用のクランクがどこまで本当に「凄いのか」はわかりません。
使ってみてアカンかったら105クランクへ要交換ですが、105ならクランク入れ替えても21000円くらいで済みます。
そこまで視野に入れて考えた時に、15万円くらいのoptimoにするのか。
25万円のCAAD13のディスクモデルにするのか。
いや、CAAD13にもリムモデルあるやんか!
という事で158400円のCAAD13のリムモデルにするのか。
あれ?
4000円しか変わらないならCAAD13のリムモデルもアリですねw
この辺、見えにくいですよね。
性能と使い勝手が。
個人的には価格10万円の差額分は、もちろん10万円分きっちりと差があるワケではないのが難しいところですが、長く乗るのであれば25万円前後の製品にいっておいた方が後々後悔しないと思います。
そして、価格帯25万円くらいのモデルになると…
カーボンフレームの製品も視野に入ります。
この辺になると、実はアルミもカーボンも性能差は極小です。
実際に使ってみて私もそう思います。
アルミの切れ味高い反応性を楽しむのか。
カーボンの振動吸収性に優れた乗り味含めて、やっぱロード買うならカーボン製だよなぁ!て事でカーボンフレームの製品を買うのか。
いやいや待てよ。
そっから10万円分割り切ってCAAD13のリムモデル買うのもアリちゃうん!?
とか悩む時間が楽しいですw
アルミフレームのロードバイクも楽しいですよ。
ただし、BB廻りの異音発生率は当たりハズレの個体差と、乗り手のこぎ方などによりカーボンフレームのモデルよりも異音が発生しやすい事は経験を踏まえて記しておきます。
また、PF(プレスフィット)式のBBを採用するモデルはスレッド式(ねじ込みタイプ)BBのモデルよりも異音が発生しやすいです。
最近はSpecializedもスレッド式を採用(S-Works Tarmac SL7)
TREKもスレッド式を採用(Domane,emonda,madone)
PinarelloはPFが全盛の時代でも頑なにスレッド式BBを採用していました。
(Pinarelloに時代が追いついた!)
他にもグラベルロードやシクロクロス競技に使うシクロ用ロードモデルも、割と早い時期からスレッド式BBに回帰しております。
同じ20数万円払うなら、スレッド式BBモデルを買うのも正解です。
ですが…
見た目は正義!
カッコいいと素直に思えるモデルに乗るのが一番健康で良い体験を持てると思いますw
ロードバイクは、廉価モデルであっても自動車と違って「競技を見据えて設計・製作されている」のが特徴で、競技に出る人間にとったら全てが素直に結果として表れます。
なのでコスト制約などあっても、できる範囲で妥協せずに製品に取り組んでおられるので多少の性能差はあってもそれは「微々たる差」であることの方が多いです。
それよりも、乗り手の脚質や好みや乗り方によって印象がガラっと変わる事もあるので、手間はかかりますができるなら試乗した上で比較して購入に至った方がより良い結果に繋がると思います。
ちなみに簡単に各メーカーの特徴をまとめると
・Specialized
とにかく速いモデルを作るのが得意。
確かに同じ価格帯のemonda SL5とAllez sprint comp discを比較すると、Allez sprint comp discの方が速いです(ストラバのPR更新含めて実績として)
ただ、それが良いのか悪いのか。
という視点で選ぶ事になると思います。
・TREK
とにかく良く考えられて製作されています。
プロに近しい実業団選手の方とか、そっちばかり見ずにホビーライダー視点も持って製作されているのが特徴です。
わかりやすい特徴がない分、派手さもなくちょっとアレですけれど乗るとわかります。
そういう良さに惹かれるならTREKでしょう。
特に2018年以降は、そういう方向性にさらに邁進されております。
・Cannondale
ちょい乗りしか経験ないので参考にもならないかも知れませんが、乗った印象としてSpecializedとTREKの中間みたいな印象です。
ちょっと速い。普通よりも。
素直で乗りやすいジオメトリー。
見た目の派手さは無いのと、はっきりと好みが分かれるカラーリングのせいで今のモデルは個人的にですけれど選びにくいモデルが多いですが、乗ると納得。
Supersix EVOの新しいモデルは私も一時期真剣に買おうかなと検討した事があります。
・Pinarello
妻を通じてDOGMA F12 DISKの事しか知りませんが、やはりPinarello
さすがPinarello
完成度は高いです。
そして、こんなロードに興味ないだろうおっさんやおばはん含めてやたらと声を掛けられるのも特徴w
「これ高いんちゃうん?」
「これパクられへん?こんなとこに停めてていいの?」
「こんなん知らんけど、コレはカッコイイね。乗れんけど私も欲しいわ!」
とか、大阪のおっさん、おばはん丸出しのコメントを多数いただいております。
そんな特徴ってなかなか無いですよね。
肝心の乗り味ですが、総合力が非常に高いです。
エアロフレームなのに、軽量系のような運動性も持ち合わせます。
そして、乗っていて不思議な高揚感があるそうです(私もMadone SLRの試乗でそれを感じました。emonda SLRでは高揚感は感じませんでした。性能と乗り味は感動の嵐でしたが、このあたりは不思議です。)
ただ、高いですけどね…。
フレームだけで73万円スよw
エンジン付いてないんですよ?
自分で買っといて、こういうのもなんですけれど魅力的な自動二輪買えますやん。
割とマジで。
ちょっと古いのとかに目を瞑れば、程度の良いZ33も買えますやん。
そんな事を言い出したらキリないんですけれど、逆の見方をすればわずか150万円前後でクルマで言えばF1とかWRカーのような最先端レースモデルが買えると考えると、ロードバイクって安い…んだろうか。
わからんけど。
乗ったり試乗したりしているモデルが偏っているので申し訳ないです。
他メーカーの品も、ハイエンドモデルになると極端なハズレはないでしょう。
乗り手の求める乗り味と合う・合わないはあるかと思いますけれど。
ロードバイクって一般道も走れるレース車両です。
その点が非常に大きな差だと経験を通じて思います。
そして、単純な構造故に電子制御などでのごまかしや安全制御もありません。
純粋な機械です。
そんな純粋な機械が乗り手に様々なフィーリングを返してきます。
非常に極上な経験であると思います。
最近は高価なモデルでも試乗する機会に恵まれていますので、実際に始めるとか始めないとか関係なく、興味を持たれたら試乗してみる事をおススメします。