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2021年01月25日

2021年以降のロードバイク業界の流れ

思えば、わたしがロードバイクに乗りだした2018年頃から偶然ですけれど、ロードバイク業界にも大きな流れの変革がもたされました。
わたしがロードバイクを買った年というのは、まだ古き良き時代が残されたタイミングでした。

ロードバイクと言えば→リムブレーキ
ロードバイクと言えば→軽ければ軽いほど良い
ロードバイクと言えば→細いタイヤ

とは言っても、私が買う頃は既にロードバイクと言ってもタイヤは細ければ細いほど良いというのは古い概念で今後は「適正な太さ」にするべき。
みたいな風潮も出だしていて、多くの製品がナローリムと言われるリム内幅が15cという単位(みたまんま、ほぼ15㎜です)から、17cへとフルモデルチェンジもしくは、マイナーチェンジを果たした製品で流通されてました。
それでも15cのナローリムを使いましたし、17cのリム幅の製品を今も使っています。(=Emonda SL5とEmonda SLR 2018の双方でRacing ZEROとAeolus Comp5リムを使った手組ホイールで17cリムを使っています)

そこから、Zippが唱えていた「105%の法則」という空力上大切な数値となるリム外幅を採用するホイールも経験しました。
それがRoval Rapide CL50 discです。
このホイールを初体験した時は目からウロコでしたね~。
リム内幅は17cを軽く飛び越えて21cです。
リム外幅はなんと約29㎜
正確にはリム内幅=20.7㎜でリム外幅は29.4㎜。
これは、タイヤを装着した状態でリムとタイヤ外面に大きな段差を生じさせない事で空気を滑らかに長し、ヨー角のついた風と接したさいにも発生するステアリングモーメントを小さくさせる働きがありまして、リムハイトが高いために快適な巡航を保ちながら、現実世界で発生する横風などの外乱に大きく乱されずに速さと快適さを保って乗れる…という、実際に経験して目からウロコでした。

そして2019年頃からディスクブレーキモデルが台頭。
2020年にはリムブレーキモデルの開発すら停止し、ディスクブレーキ一本に絞る車種も増えてきました。

そして、2021年。
まだ一車種しか登場してませんが、Specializedが業界に一石を投じた「Aethos(エートスと読みます)」
UCI規定を全く無視した、レースに出る事を念頭に置いていない初のロードバイク。
しかし、現実を見ればロードバイクのユーザーの多くはUCI規定に縛られた国際格式のレースなどに出場している方よりも、出場してない方の方が多い。
また、日本においてもUCI規定とは違う規定でレースを開催しているレースが多いので、そういうハイアマチュアな方や実業団選手にもアピールポイントの高い「発想はあったが、発売する勇気がなかったw」
と言っても良い製品が登場。
非常に話題を集めています。
「Aethos」とは、完成車重量でディスクロードなのにわずか5.5kg
TREKが2016年だったでしょうか。
Emonda SLR10という車種でリムブレーキで完成車重量4.9kgという業界を驚かせた製品を発売しましたが、それは時期が早すぎた…んでしょうね。
そのあたりはSpecializedの方が商売が上手いwと思います。

そうなんです。
実は、UCI規定に縛られている以上は二年で一世代前と言われるほど進化著しいロードバイクの世界で各社が切磋琢磨し続けた結果、もはや性能の上げ代が小さくなっちまってきているのです。
それがわかりやすい事例として挙げられるのが、Specializedのエアロロード旗艦である「Venge」
モデルチェンジする事無く、その一線級の性能を保ったまま廃版となります。
同じく、TREKの「Madone」
これもモデルチェンジしたとて、性能はブラッシュアップするでしょうけれど例えモデルチェンジしてもお客さんにアピールできるほど「性能が上がらない」ところまで来ちゃっているらしいのです。
UCI規定のフレーム形状の制限として有名な「3:1」
必要以上に空力性能を重視して、または各社の性能差を出し過ぎないようにという配慮もあると思うのですけれど、そういう制限があった。
しかし、その「3:1」という制限は文言上は撤廃されましたが、様々な諸条件を設けられ結局は「3:1」に近しい空力までしか発揮できないという「うまいこと」できてるそうですw

話が逸れましたがw
そこで、TREKはMadoneのモデルチェンジを行わずフレーム形状の変更は行わずにフレームを作る素材のアップデートを行いました。
それがOCLV700→OCLV800へのマイナーチェンジです。
また、TREKは長らくPF(プレスフィット)タイプのBBを採用してきました。
BB90と言われる規格でTREK独自の規格でした。
それを新たにクリスキングが提唱するT47という規格のスレッド式BB(ねじ切りタイプ)に同時に変更してきました。
長らく軽量化と剛性UPの双方を狙って採用されてきたPF規格。
レースに出る為の機材としては正しい判断だったのですけれど、一台を長く乗りたい人にとって常に頭を悩ませる「音鳴り問題」という問題がつきまといました。(根本的な解決は場合によっては難しいものの、解決策は長い歴史とともにいくつか発見されました)
それを解決する為に、ネジ切りタイプのBBを採用。
g単位での軽量化に勤しむロードバイク業界で、重くなってしまうネジ切りスリーブを打込む納まりに回帰したにも関わらず、OCLV800化に伴ってフレーム全体で80gの軽量化に成功。
…と、涙ぐましい努力をされています。
そこまでやっても「モデルチェンジ」しなかった。
という事実が大事なのですが、これの意味するところは…

「Aethos」の話題に戻るのですけれど、UCI規定を守ってUCI規定で戦う為の開発がそろそろ限界に到達していまっているのです。
耐久性他を犠牲にすれば可能な一面もあるやも知れませんが、一般ユーザーにも販売する以上はそうはいってられません。
ブランドに対する信頼性が損なわれてしまうからです。

ここがクルマ業界とロードバイク業界の違いで、本物のレースを走るレース車両そのものを一般に広く販売しているからこそのジレンマです。

なのでSpecializedはUCI規定を見切って、「Aethos」という新たなジャンルを創生すべく販売開始しました。
恐らく、他のメーカーも追従するというかSpecializedがイチ早く販売しましたが、他メーカーも戦略として開発はしているでしょう。
続々とそういうロードバイクが販売される時代が訪れると想像します。

ロードバイクという言葉が一般に浸透していますが、昔はロードレーサーと言われていました。
正に言葉通り、ロードレーサーだったモデルたち。

それがレースの世界で戦う機種とそうじゃない機種にロードバイクの世界も分かれようとしている時期に差し掛かりました。

そういう意味ではこの2021年が分水嶺かも知れません。
今から20年後くらいに「当時のロードバイクはまだ世界選手権を戦っていたモデルが市販されていたんだよ…」と語られる日が訪れるやも知れませんw

わたしのような貧脚でさえ、「ホンモノ」たるUCI規定を守ったレーシングモデルに試乗させてもらうと試乗レベルでも「おぉ…すげぇw」と感動できます。
そういう「戦う雰囲気」を感じられます。
わたしが買ったMadone SLRも、OCLV700時代の個体しか試乗した事がありませんが、OCLV700時代のフレームでも「踏めば進む」もの凄いフレームでした。
文字にするとそのまんまwで伝わりにくいのがネックですが、その「踏めば進む」の進み方が異常。
また、その時に足を全身を通じて感じるフィーリングがこれまた気持ちいい。

TREKの旗艦モデルとして最後のエアロロード。
そして、世界選手権を戦っている最後のロードレーサーになる可能性が非常に高いモデル。
Vengeも同じくまさしくそうです。
他メーカーのモデルはまだ販売しています。

シマノが100周年を記念して(コロナでその時期にズレただけですけれど)いよいよ今年の3月頃に新しい「デュラエース」が発表される、微妙かつ難しい時期ではありますが使いこなせる・使いこなせない関係なく「ホンモノ」をどう定義するかは難しいところがありますが「ロードレーサー」と言って良いモデルを買えるチャンスはなんとなくですけれど、刻一刻と減っていってるんじゃないだろうか…と感じています。

使いこなせなくとも、めいっぱい踏んで行った先に感じる「凄さ」
それは「ホンモノ」だからこそ持っているモノだと私は思っています。
この先、メーカーのさじ加減で「UCI規定のレースに出れないモデルだから、多くのユーザーが「過剛性」だと感じないように…」と足当たりの良い、そういう製品で満たされた頃に過去のモデルと乗り比べて「やっぱ鋭いのは…」という世界がやってくるんじゃないだろうか?
と想像しています。

知らなければどうという事はないのも事実ですが、趣味として乗る以上はそういう世界を垣間見たい。っていうのもあるじゃないですか。

自動車だけでなく、ロードバイクもそういう状況に変わっていくんじゃないだろうか…なんて思うワケです。
ただ、クルマの世界は電動化の波が押し寄せてきて、既存のメーカーが「出せるウチに…」と、かなり凄いクルマを一部販売しています。
また、バイクの世界もアツいですよね。
本当にレースしている人からすれば、「ツルシのまんまじゃ…」という面はあるにせよCBR1000RR-Rなどすんごいバイクがいまだに出ています。
しかし、これもいつまで続くやら…

とは言っても、完全に途絶える事は無いのではとも思っています。
だってみなさん好きでしょ?w
好きならば、探してでも買うでしょ?w
メーカーもそういう人たちを放ってはおかないだろうと思います。

クルマの方はお先真っ暗ですけれど…。
ロードバイクくらいは、純然たるレーシングモデルを一般に販売している現状のような状況が最後まで残って欲しいものです。
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Posted at 2021/01/25 10:42:46

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