2021年06月12日
シミー現象
私がとてもお世話になっているライド仲間かつ先輩である方の新しい相棒がシミー現象に悩まされていました。
TREK DOMANE SLRを購入されたのですが、納車後から約1000kmほど走ったうち四回もシミー現象が現れ、危機回避はできたものの安心して乗れない…。
というお悩みを持たれていました。
ロードバイクでは、稀とはいえシミー現象を経験される方は割とな確率で経験されます。
40km/h~80km/hで走行する際が最もシミー現象にあう確率が高いらしく、それを低速シミーというそうです。
100km/h以上の速度で発現する現象を高速シミーというそうです。
ロードバイクで走っている時、特にダウンヒル時はこの40km/h~80km/hというスピードレンジに合致しやすい。(スピードレンジに合致しやすいだけで、制限速度は守っていますよw←コレ書いておかないと変なヤツ現れる事があるからなぁ。)
なので私の周りでもシミー現象について見聞きするのは、やはりダウンヒル時の体験談です。
これは他人事ではありません。
明日は我が身におこる事は十分にあり得ます。
シミー現象について調べてみました。
たくさんの記事や体験談がヒットしますが、どれも経験からくる予測などで書かれている記事が多い為に、とにかく数を読んで「多い事例」を結び付けて私自身も素人ながらに考えてみました。
まずはシミー現象がおこる原因に繋がっているだろう内容を列記します。
(固有振動数がなんちゃらかんちゃら…というシミー現象そのものの説明は省きます。他でとても詳しく解説されている記事もあるので、興味のある方は調べてみてください。
ちなみに、自動車でもバイクでもおこりうる現象です。)
①剛性不足からくる振動が原因。
②重量が重いのが原因。
(とは言ってもロードバイクの世界なので数百g単位でのお話しですw)
③慣性が働く部位を見直す。(二つ目の原因とも重なります。)
①に繋がる原因は、ホイールの剛性、フレーム剛性、ハンドルやステムの剛性なども絡みます。
ホイール剛性ですが、これを短絡的に捉えるとリム単体での剛性や、スポークを張りなおす事で上がる剛性や、スポークテンションなどの目立つ部位に目がいきがちですが…
単純に空気圧が問題の時もあります。
これは後述します。(今回の問題解決にあたるひとつの要因でした。)
フレーム剛性は、フレーム単体での剛性も絡みますが、各ボルトの緩みチェック+増し締め(規定トルクを超えてはいけません)で解決する事も多いです。
ハンドルやステムの剛性に関しても、各ボルトの緩み点検と増し締め(規定トルクを超えてはいけませんw←大事なことなので二回…)で解決する事が多いですが、シミー現象は「振動」が問題の発端になっているので、アルミ製ステムやハンドルは価格も安く、高価なカーボンハンドルとさほど重量が変わらない事もあり、そして強度と剛性と耐久性に優れてる為に好んで使われる方もいらっしゃいますが、カーボンハンドルにする事でカーボンの特性として「振動を減衰する」能力を持っている為、ここを見直す事で解決する事もあります。
②③重量が起因する際は、主に高速で回転する部位の部品や、自転車全体を見渡して地面より高い位置に付いている部品を軽量化する事で解決に向かう事が多いそうです。(ex.ステムやハンドルやサドル。そしてリム重量)
慣性が増す事で振動が増幅され、それが各固有振動数に合致してしまう「可能性が高まる」そうです。
確率自体はむちゃくちゃ低い。
チューブやタイヤを少しでも軽量なモデルへ変更するのも手段のひとつです。
※後述
最近の「転がり抵抗を少しでも落とす」「インピーダンスロスを減らす」「空力性能をより改善する」という流行りの為、ここ数年で急速にロードバイク用ホイールの「ワイドリム化」が進んでおります。
その為、My MAVICなどの空気圧計算アプリなどで条件入力して算出すると…
「おぉ…w ここまで空気圧落としても良いんか!」
と驚くべき数値が表示される事があります。
これが盲点だったのです。
空気圧計算アプリの多くは、「最近のワイドリム化による適正空気圧を表示する」能力に欠陥がある場合が多いのです。
装着するタイヤ銘柄の「推奨空気圧」を確認してください。
その推奨空気圧のうち、最低値を低く超える数値をアプリが表示している事が多いのです。
これに気付かずに「インピーダンス損失を抑える」「乗り心地の改善」という気持ちが勝ってしまって空気圧を下げてしまうと、ホイール全体の剛性も落ちますし、顕著に落ちるのがタイヤ自身の剛性です。
これが原因となってシミー現象が出てしまっていたようなのです。(先輩のロード)
先輩のケースは、体重とバイクシステム全体の重量とリム内幅、タイヤの幅など条件入力をすると、アプリによる適正空気圧は「5.5Bar」と表示されました。
その通りの空気圧で走っておられましたが、先輩の装着するタイヤの推奨空気圧は「5.5~7.9Bar」でした。
5.5ならセーフやん?と思われるかも知れませんが、空気を入れてバルブをしっかりと絞めてもその瞬間からじんわりと空気が抜けていってるのが現実なのですね。
特に高圧になりがちなロードバイクのタイヤは、空気が抜けるのが早いです。
0.1Barなんて3時間程度走っていれば減っていますし、そもそも空気入れに付いている圧力計にも誤差があるのが考えられます。
先輩の場合、5.5スタート
走行中に空気圧が少し落ちている。
ヒルクライム終了→ダウンヒル時に推奨空気圧を下回るタイヤでダウンヒルを始める→剛性不足からくる振動が各所の振動を増幅させる→フレームの固有振動数に不運にも合致してしまい、シミー現象が出てしまった。
リム内幅が拡大され、装着タイヤが25cでも。
リム内幅が21cの場合はタイヤ幅が27.6㎜ほどになります(個体差はありますし、タイヤ銘柄にもよりますが多くの場合は一致します。)
例えナローリムの場合と同じ空気圧で走っても、エアボリュームが増えている為に劇的に乗り心地が改善されるまでいかずとも、エアボリュームが小さい場合と比較して有利なのです。
なので、空気圧計算アプリで表示された数字を元に、装着しているタイヤの最低空気圧を調べた上で適正な空気圧を入れる事でシミー現象の原因のひとつは潰せます。
ロードバイクにお乗りのみなさん、お気を付けください。
例>
ウチの場合、妻のドグマを導入した際に「何故か下りで少し不安を覚える」というのがファーストインプレッションでした。
それを聞いた私は「おかしいな。スペックで言えば安定性に優れるのがドグマというフレームだし、ワイドリム化されたROVALの良いところなのに。」と考えましたが、調べると空気圧に辿りつきました。
それと、ブログ記事でも書きましたがホイールの回転バランスも取りました。
妻の体重は軽いので、ドグマの重量とROVALのリム内幅を入力すると推奨空気圧は4.7Barと表示されるのです。
これはいくらなんでも低いやろーwと当時の私は考えて5.7Bar入れていたんですが、装着タイヤはP-zero Veloです。
P-zero Veloの推奨空気圧を調べると「6.0~」となっています!
これに驚いて、妻のドグマには6.1~6.2Barの空気を入れています。
ホイールバランスの改善と空気圧を推奨空気圧より少し高めた事で、私が時々記事にしている妻のドグマに対する感想が
・楽しい!
・むちゃ安定している。
と変わったのです。
また、妻は速度を出すのを非常に怖がるのですが、ドグマの問題が改善された事で本来の性能が発揮され、あの怖がりの妻がブルぺ先輩の頭のネジが一本飛んでんのか?と思えるダウンヒルの速度にひょいひょいとついていくようになったんですね(これには心底驚きましたw)
この体験談を思い出して、先輩に伝えたところ。
先輩は前輪の空気圧を6.5Bar、後輪の空気圧を6.7Barまで上げて走りました。
あと何度か走ってみないと完全に問題が解決したとは言えないにしても、走行中にシミー現象まで繋がらなくとも不安を覚える事があったのに対して、全く怖くなくなった!
シミー現象が出た路面とコースも走ったけれど、一度も出なかった!
とおっしゃってました。
なので、空気圧は非常に大きな問題。
みなさんもお気を付けて。
…?
わたし?
私は重い体重が幸いして推奨空気圧を下回るなんて事は一度たりともありませんでしたw
なので、私は常に最高のパフォーマンスを偶然体験できていましたw
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Posted at
2021/06/12 10:21:49
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