2021年10月28日
100万円を超える機材ってどうなの?
けんたさんというYoutuberの方が面白い動画を上げておられました。
VIDEO
いろいろぶっちゃけておられて視ていて楽しかったです。
けんたさんはかなり特徴のあるモディファイを加えられているのですが、ニュートラルな意見を言われていると私は思います。
普通の方には参考になる面とそうでない面がはっきりとしているような気がしますw
私なりに今回入手したMadone SLRについて書こうと思いました。
Madone SLRで試したホイールは
①Bontrager Aeolus RSL37
②Bontrager Aeolus RSL62
の二種類です。
それ以外ではフレームも違いますが
・ROVAL Rapide CL50 disc(ノーマル)
・ROVAL Rapide CL50 disc(カスタム:主にスポーク)
・Fulcrum Racing ZERO(C17)
・Bontrager Aeolus comp5(カスタムとノーマル)
こちらの経験上も踏まえて話していく流れになると思います。
TREK Madone SLRについて
昨年、年末に発注。
納車は4月末になっちゃいましたが、OCLV800という新しいカーボン構成にブラッシュアップされたマイナーチェンジ後のMadone SLRになります。
OCLV700版で試乗した事があるのですが、そちらでも十分以上に驚いたのですがOCLV800に変わってより正統進化したというのが感想です。
単身赴任していてコロナの影響もあって納車後半年以上経過しているのにまだ9~10回しかMadoneに乗れてないですけれどねw
①Bontrager Aeolus RSL37を組み合わせた場合
他社の一世代前のリムハイト50㎜のホイールを組み合わせたくらい空力が良い気がします。
(具体的にはROVAL Rapide CL50 discのカスタム版。スポークをカスタムした事でホイールの剛性が高まり、別の方向でCLX化したと言っても良いんじゃないだろうか?(出典元はのむラボさんのありがたいブログ記事を参考にカスタムさせていただきました)そのCLX化したCL50と比較しても…という意味です。)
セミディープに属するリムハイト37㎜のホイールですが、懸念事項だった巡航においてさほどしんどくなかったのが大きな驚きでした。
下りもグングン加速します。
回転性能も悪くないです。
新たに開発されたDT SWISSのラチェットEXPというハブ機構がこの驚きの回転性能を実現しているんだと思います。
また、スポーク構成とリム剛性などのバランスも良いんでしょうね。
最も驚くべき美点は、私のような重量級の体重を持つ人間が乗っても登りで脚が残せるという驚くべき特筆点。
軽さは正義!を地でいく体感と性能です。
エアロロードなのにMadoneがまるでEmondaの様な軽量オールラウンダーのようにヒラヒラと駆け抜けるのには舌を巻きました。
※ホイール評価みたいになっていますが、これこそが後で述べますがMadoneのフレーム性能の確かさの証にもなっています。
まずはホイール比較で読んでください。
②Bontrager Aeolus RSL62
RSL37の時にあまりに楽だったので見逃しがちだったんですが、やはりMadone SLRのフレームは剛性が高い。
RSL37もホイール全体の剛性が高いんでしょう。
若干、踏み負けている時特有の疲れ方というか、筋肉痛の出方をしてましたがRSL37の時はその症状が軽かったので「慣れたらシマイだな」と軽くみてましたw
それがRSL62になって顕著になりますw
と言ってもライド後に身体が動かなくなる・動き辛くなるほどではないのがMadone SLRの美点でしょうか。
前置きが長くなりましたが、RSL62を装着してMadoneがよりMadoneらしくなりました。
平坦巡航がマジで凄い。
26km/hあたりからペダルが吸い込まれるように軽い力で回り出します。
30km/hを超えるとそこからスッと35km/hまでいっちゃいます。
一緒にライドしてくださっている方たちをガンガン引き離しちゃいます。
(=加速自体もかったるくない証です。RSL37程ではないにしても加速も鋭い)
RSL37の時でもコーナリングのヒラヒラ感含めて実際に速いんですが、RSL62はまた違った感触で速いのです。
RSL37はリム内幅が21cです。
これはROVAL Rapide CL50 discでも経験があったので、知った感触で曲がります。
使っているチューブ(Bontrager lightwait tube)も同じで、タイヤ(P-Zero Velo)も同じなのでフィーリングが非常に似通っています。
違う点は、RSL37はカスタムせずとも構成しているスポーク本数やリム剛性の差でCL50よりも最初からとても頼もしいフィーリングでこれならカスタムせんでも十分だな。という感触でした。
RSL62はもう一段違います。
リム内幅が23cとよりワイドなのです。
リム内幅が23cなのは初体験。
それもそうです。
ロードバイク用ホイールとしては、業界初のリム内幅なのです。
リム内幅がより拡がってどうなるんだろう?
と期待半分、不安半分だったのですが杞憂に終わりました。
装着タイヤは購入時期のズレにより同じP-zero Velo(25c)を用意できませんでした。
装着タイヤはP-zero Road(26c)というモデルチェンジ後のタイヤなので、単純に平等な評価にはならないのかも知れません。
使っているチューブは同じです(Bontrager lightwait tube)
タイヤもモデルチェンジに伴って、25c→26cと1cサイズだけワイドに。
この相性が抜群なんでしょうね。
リム内幅が拡がった+タイヤが1cワイドになった事により、インピーダンスロスとヒステリシスロスが減るそうです。
文章や記事などで読んで知ってましたが、体感すると随分と大きい差に感じます。
本当に抵抗少なく転がります。
なのにグリップは頼もしいという矛盾w
初めて乗った時は「何だコレ!?」でした。
ダウンヒル時とコーナリング時は正に驚愕の一言でした。
RSL37と違って、下りと平坦で周りのペースに合わせて走ると随分と休めます。
その代わり、登りは普通。
52-36Tに11-28Tを組んでCL50で走るAllez sprint comp discのような感触で登ります。(つまり登りも遅くはない)
リム内幅がよりワイドになった。
などのファクターはありますが、RSL62自体が今回のマイナー後のMadone SLRに合わせ込んで専用開発…というと言い過ぎかも知れませんが、かなりMadone SLRに合わせて設計されたらしいのです。
それは、加速時やコーナリング時などの挙動含めてフィーリングの良さから「つまり、そういう事なんだな…」と素人ながらに感じ取れるくらいにとても良いのです。
清滝峠をむちゃくちゃ速く走れるし、清滝峠ふもとのファミマまでの第二京阪下の一般道がメインになりますが、平坦部の走りも速い方と清滝峠を登ったあと、TOJに向かう方向に下ったあと、167号線を一緒に下って第二京阪下経由で大阪市内へ帰った事があるのですが、その剛脚の方を引っ張りながら下ったんですがむっちゃくちゃチギらない程度に抑えて走ったのですが(失礼w)その剛脚の方が見えなくなるほどチギってしまいました。
信号待ちの時に停まって待っていると、追いついてきたその先輩の方が
「踏み込んでない、軽く踏んでるRadiさんに追いつけない。」
「30後半から40くらいですよね?」
「コーナー進入はまだ常識的な速度ですが、クリッピングから先の立上りでべた漕ぎしても全然追いつけなかったけど、そんな踏んでないですよね。」
私「38~48くらいで抑えて走りました。少しは踏んでますけど、安全の為に速度は抑えて走りました。」
「そら追いつけないわw」
この時、ドグマに乗る妻に対しては「奥さん速いですね~!」なんですが、私に対しては「最新のテクノロジーって凄いですね!」
…なんでやねんw
私もある程度頑張ってるよwwww
それはさておき、普段のグループライドでは登り以外では実は私はちょいちょいブレーキ掛けながら走っているのです。
追いつくだけならまだしも、追い抜いてしまいそうになるからです。
それほど、エアロロードって凄い。
マジ凄い。
最新のテクノロジーって凄いw
RSL37の時でも空気抵抗少なく、横風にも強くて驚きました。
本物のエアロってすげぇな!…と。
RSL62を装着してもっと驚きました。
こんなにリムハイトあるのに横風ふいた時に発生するステアリングモーメントがまず「皆無」と言えば言い過ぎですが、ほぼ無いんですね。
それどころか、フッと車体含めて私自身も「軽くなる」んです。
向かい風気味の時もそうです。フッと軽くなる。
ヨットの帆と同じ原理で「セーリング効果」が現れて風が抵抗を生むのではなくて「推進力」に変えるんです。
推進力までいかずとも無風状態に近いくらいまで近づける効果が発揮されているんでしょう。
それで風の抵抗に慣れた(今までのロードバイクでの経験で)身体が「フッと軽くなる」と感じるんでしょう。
元実業団選手の店員さんにお話しは聞いていましたが、ある程度は信じていましたが実体験をするまでは「まぁ、そこまでセーリング効果は出ないんちゃうかなw」なんて思っているフシがありました。
だってエアロフレームと言っても、ヨットの帆ほど面積でかくないですしw
そんな空気抵抗の少なさ+私の体重w(重い程下りでの加速と平坦での巡航は有利なのです)+新型ハブの回転性能が合わさってコーナー立上りでの差に繋がっているんでしょう。たぶん。
RSL62で随分長くなりましたが、まとめると「マジ感動」の一言に尽きます。
・SRAM RED eTAP AXISについて
Madoneに搭載しているコンポについて書きます。
スラム製コンポでまず感動したのがブレーキ。
ブレーキディスクです。
シマノ製コンポも性能が確かで価格も安く、多くの方の信頼を得ています。
ただ、ディスクローターが弱いんです。
スラムを経験したから言える事ですが、ロード用ディスクローターはデュラエースでも弱いと感じます。
私のような体重の人間が長時間のダウンヒルを行った場合。
さらに一緒に走っている方に追いついたり追い抜き掛けるとブレーキを掛けるので普通に走っているより負担が大きい。
すると、ディスクローターが反ってシャリシャリいったりする場合があります。
スラム製のローターはそれが皆無と言っても過言ではないほど熱による反りに対して耐性が高いですね!
Madone SLRに変わって、今までのロードバイクよりも前を走る方を追い抜きそうになってブレーキを掛ける頻度が高まっているにも関わらずシマノ製ディスクローターより反りません。
これは単純にすげぇ。
シマノ製の油圧ディスクのシステムはパッドもディスクローターもほどよく減ります。
減っても安いので気にせずバンバン走れます。
スラム製はパッドがガンガン減ります。
その代わり、ローターの摩耗進捗はかなり遅い気がします。
※まだ走行回数が少ないので結論は出せません。
同じスラム製コンポを選んだ先輩の方の個体は、既にパッド二回交換されていますがディスクローターの摩耗は目立って進行してません。
これがシマノ製ならローターを一回交換していてもおかしくない走行頻度と走行距離です。
この結果も踏まえて予測で書いております。
あくまで私個人での結果を書かないと公正な比較にはならないんですが、経験も踏まえてまわりの様子を観察して書いております。
スラム製のコンポは変速速度が遅い。
と言われますが、これは事実です。
事実ですが、こなれてきたのか私のRED eTAPは気になるほど変速遅くないです。
私自身も慣れてきたのかな?
RSL37からRSL62に組み替える時に発注していたREDのスプロケが間に合わなかったのでRSL37に装着していたスプロケをRSL62に移植して使用しているのですが、その取り外した時にスプロケを持たせてもらいましたが驚くほど「軽い」
まるでそこにスプロケが無いみたいに軽いw
デュラエースのスプロケも同じくらいかもうちょい軽いんでしょうね。
ハイエンドコンポずるいw
けんたさんが動画内でもおっしゃってますが、コンポをハイグレードなモノへ変えたからと言って劇的に走力が上がるワケではないとおっしゃっています。
それはディレイラーやスプロケ、チェーンリングなどに関してはそうでしょう。
ただ、クランクやBBなどは違います。
もうひとつ言えばペダルも違います。
劇的な走力の変化には繋がりませんが、小さな積み重ねで結果的にパワーロスが減ります。
これは距離が伸びれば伸びるほど削られる体力の差となって現れるでしょう。
またシューズも差が生まれます。
今回、Bontragerのxxxを買いましたがxxxはむっちゃ良いですw
この辺、軽視していると無理して力込めて漕ぐ・漕ぎ続ける分だけ身体へのダメージの差となって現れると思います。
主にホイール比較となりましたが、ここらで統括します。
Madone SLR(OCLV800)というフレームは、ミドルグレード以下のホイールでもそこそこなホイールを履いているミドルグレードなロードバイクかそれ以上の走りを引き出すほどのフレーム性能を持ちます。
単にエアロとか空力という枠を超えて、TREKのフラッグシップモデルらしく単純に力学的にもフレームとしての性能が優れています。
その証拠にAeolus comp5という重いので有名なホイールを履いた試乗車に乗せてもらって、さらに言えばフラットペダルだったのに「なんじゃこれ!?」と試乗で驚くくらい軽く走ってくれました。
そして、MadoneはフロントセクションにISO Speedを持っていませんが、常識的な悪い舗装路を走る上では(日本の道で)ハンドルを持っている手に疲れが残る程の酷い振動は来ません。
来ない事はないですが(路面状況を伝える為)上手く減衰してくれて、長距離走っても疲れません。
Madone SLR用に開発された専用ハンドルは後発のエアロハンドルと比較して重量面で不利ですが、このままでいいんじゃないだろうか?
と私は思ったのでRSLハンドルを購入していましたがMadoneへの装着は見送りました。
それほどバランスが良いと感じました。
そして、シートポストに仕込まれた「ISO Speed」
これは快適性を上げるという評判の方が有名ですが、これは速く走る為の武器です。
他のエアロロードが持っていない特色のひとつです。
路面のアンジュレーションを受けてリアタイヤが跳ねてしまうと跳ねた時点で駆動力は「ゼロ」です。
Madone SLRのISO Speedは、それを機構的にマージンを拡げて極力発生を抑えます。
なので荒れた路面に差し掛かるとMadoneは軽く速く走れます。
こういった面でもロスが少ないんですね。
それをサポートするべく生まれたのがRSLシリーズ(ホイール)
ISO Speedに頼り切りじゃなく、ホイール側でも今までにないリム内幅をもってエアボリュームを確保し(装着タイヤの重量は変更せずに実現する)機械的にインピーダンスロスを抑える。
装着タイヤが実測値で外幅30㎜になる事で接地面の改善も狙ってヒステリシスロスを抑える。
これは体感できるレベルで本当に抵抗少ないです。
プロや実業団レースに出てるような剛脚の方じゃなくても、むしろそういった人の方が発揮できる力の上限が知れているので(特に私のような人間の場合)
こういうエアロ性能やインピーダンスロス・ヒステリシスロスを機械的に抑える機構を体験されると感動が大きいと思います。
むしろ、パワーがあって体力もある人だとあまり体感できない可能性があります。
元気な時は機材に致命的な問題がない限りは何に乗っても速いですからねw
最初に貼ったけんたさんの動画のようなまとめに私なりに入りますと…。
・興味持って予算が許すなら、目立った軽量性よりも空力
・コンポもアルテグラ以上で組むのが望ましい
・ホイールはハイエンドを一度は体験して欲しい
・接地面から高い位置にあるパーツは妥協せずに軽い機材
目からウロコ間違いなしです。
自転車の概念が覆されますよ!
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Posted at
2021/10/28 02:28:09
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