2022年02月26日
BORA Ultra WTOについて考える
いやー…
評判のむちゃくちゃ良いですし、実際に速いホイールみたいですし…
意匠の綺麗さで言えば比肩するホイールが他に思いつかないくらい素晴らしいホイール。
さすがイタリアンデザイン。
いつか欲しいわー。
私は体重があるのでCampagnolo製ホイール向きではないのですよ。
なので買ったとしても、妻のDOGMAにセットしよう。
妻のDOGMAのカラーリングだったら、BORA Ultra WTOの意匠は映えるでぇ~
なんて考えていたんですけど、リムのクラック報告を見ると購入意欲が削がれますね。
同じG3スポークパターンで構成されたWTOの前身のBORA ONEでは、リム破損のお話しを聞きません。
無い事は無かったのかも知れませんが、WTOほど報告を見かけません。
BORA ONEでその問題が起こらずに、なぜBORA Ultra WTOではおこったのか。
また、BORA Ultra WTOの前身の通常のBORA WTOでもおこらなかったのか。
(私が知らないだけで通常のBORA WTOでも同じ様な問題があったのかまでは知り得ませんでしたが、私がお世話になっているショップの時々走る方が通常のWTOを所有されているのですが、かなりの距離を走りこまれているのに問題がおこってないので、恐らくBORA Ultra WTO固有の問題かなと思います)
BORA ONEで何故おこらなかったのか。
素人なりに想像で書きます。
BORA ONEに試乗させてもらった時の感触も考慮に入れて想像しています。
BORA ONE
①リムブレーキモデル兼用の為、ブレーキ熱による変形などに備えてリムプロファイル自体が少し分厚い(=頑丈)
②前時代のホイールなので、剛性がイマドキのホイールより柔め
③またその柔めな乗り味が売りで、独特のバネ感がある
(その微妙な撓りで破損に繋がる負荷の蓄積に至ってないと思われる)
④ニップルホールがあるので、その孔まわりは補強が入ってるとは言え絶対的には閉断面ではないので、その孔によって応力が多少分散および逃げていると思われる。
BORA WTO
①剛性感はイマドキのホイールのソレなので剛性は高いが、リムブレーキモデルもラインナップし、リムは併用していると思われるのでリムブレーキによる熱対策で補強が入ったリムプロファイルが功を奏していると思われる。
②ニップルホールがあるので、BORA ONEでの予測と同様の理由で微妙に応力分散を促している可能性
上記の点を踏まえて、リムクラック現象が報告されつつあるBORA Ultra WTOについて考察します。
BORA Ultra WTO
①極限まで軽量化をしている為(ディスクブレーキモデル限定)リムブレーキによる熱の影響を考慮しなくても良い為、今まで分厚かった箇所の断面も薄くなっている
②ニップルホールを持たない構造+インナーニップルの為にリム断面形状が複雑かつ、ニップルホールが無い為に応力分散はできているだろうと思われますが(孔周りに集中しないという意味では)逆にインナーニップル形状とする為に新たに設けた部品を納めるポケットが応力加わった時に力を逃がしきれずに応力集中する状況を生んでしまっている可能性。
※クラックはスポーク取合い付近でおこっている個体がほとんど
G3スポークパターンの為、三本揃って配置されているその際でクラック発生
③リム設計が非常に攻めた設計の為(剛性出しつつも軽量化)重量/剛性比を攻めすぎた結果、カンパニョーロをカンパニョーロたらしめているG3スポークパターンというスポーク配置がアダとなって、スポーク間隔が飛んでいる箇所で変形が大きいと思われる。
※車でも実際にある話しですが、軽量化の為に薄く作る。
しかし近年発達著しいタイヤのグリップ性能に応える為に剛性が高まるように設計されている=靭性が足りない結果、剛性の初期性能がすぐ落ちたり変形してしまって鈑金もできねぇwなんて例を思い出します。
私の予想を要約すると
BORA ONEとBORA WTOまでは、古き佳き時代のクルマのボディに例えられると思います。
その時代では攻めた設計ではありますが、良い意味で余裕が残ってる。
旧車の方がかえって長年乗っても、錆びても、鈑金して復活が容易…みたいな感覚です。ちょっと違うけどw
ニュアンス的な感じで説明してます。
BORA Ultra WTOは、モロに最近のクルマです。
一応、測定とかすると剛性値は高い。
けど実際に乗るとどこか頼りない。
前時代の「剛性が高い」と言われるモデルに乗った方がガッシリ感とドッシリ感があって最近のクルマって本当に剛性高いの?
という体験、みなさんもあると思います。
実際には剛性高いんでしょうけど、昨今の環境性能対策によって
とにかく軽量化。
とにかく剛性はできるだけ高める。
その結果、歪な超薄い鉄板を使って剛性は実際高いのかもしれないけど…ってヤツです。
BORA Ultra WTOに関しては乗った感じ、剛性も優れていて良い感じですけれど。
ニュアンス的な感じで説明しておりますw
要は、その「軽量性と剛性を攻めすぎた結果」かなと思います。
そして、生産時の個体差(クラック入っちゃった個体は、偶然そのクラック入った部位が強度弱かった、もしくは、逆にそこだけ強かった為に応力が集中してクラックに至った。
そして最も考えられる原因として、偶然の一致でクラック入った箇所というのが普通に運行していたら問題ないけど、横断側溝などで少し段差のある下り路面などを下っている時に、段差に差し掛かる時に制動してしまい、そのかなりな応力がその弱い部位に集中しちゃってクラック…など。
ホイール内周側なので、何かの突起物に当たって一点集中の力が加わり(カーボンの弱点)クラックに至ったとは思えない箇所から割れているので、上記の予測をしました。
完成度の高いホイールを出す事で有名なCampagnolo(とFulcrum)
今回の事例は非常に珍しいなと感じています。
恐らく、一般ユーザーでも問題が出だしている+レースの世界でも練習走行時などで恐らく問題が出ている個体もあるだろうと思われるのでメーカーには報告が上がっていると思われます。
早かったら今年くらいにブラッシュアップするんじゃないでしょうかね。
あと、そういう攻めすぎた設計の為、BORA Ultra WTOで私がMadone SLRでやったようにちょっとしたグラベル路面を走行して楽しんだりすると、その走行時に木の根の段差や石の段差、岩の段差など拾ってしまったり
それを繰り返すと…ごくあっさりと破断するみたいです。
この辺、スポーク本数をいたずらに減らしたりせず(と言っても一輪あたり24本設定は手組ホイールで言えば割と攻めている構成ですけどねw
他メーカーがやりすぎやんよwww)
バランス良く配置している関係と、Bontrager Aeolus RSL62のリムを触るとわかりますが、ディープリムなのに弱い側面から指で押してもなかなか凹まないほどにガッシリとリムを作ってます。
そういうのもあってBontrager製ホイールはタフなんじゃないかなーと今は思っています。
そういう意味ではROVALも割とタフですw
問題出た事がありません(特にリムは)
同じ事がロードバイクのフレームにも言えまして、TREKのハイエンド機種であるSLR系は、そのモデルの中で最も軽量かつ剛性が高いモデルなんですが、他社の本気でそういうハイエンドモデルの一部は、本当に一年か乗れても二年しか乗れないモデルがあります
軽量化攻めすぎてホイール装着するエンド部分にアルミ合金を配置せず、カーボンそのままで成形してまで軽量化しているモデルなどが一部にあるのです。
ホイール脱着したり、走行中に加わる振動や衝撃の繰り返し応力でフレームのその部分が潰れて走行もできなくなるというモデルがあったりするんですよ…
極端な例を挙げましたが、TREKのSLR各種モデルは割と長寿で大事に使われているケースをよく見かけます。
速い!というのも大事ですけど、安くない買い物なので色々な方面まで考えた時にやっぱTREKって良いなぁ…
としみじみと思う最近です。
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Posted at
2022/02/26 09:24:45
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