一言で「カーボン」と言ってもさまざま。
スバルがGRB型インプレッサSTIの限定車に、「あの価格帯で!」コスト的に難しいカーボンルーフを採用した事で一時話題になりました。
あの工法はRTM工法と言われる製造方法で、フランスの老舗メーカーである「TIME」がロードバイクのフレームを製造するのに用いる工法と同じだったりします。
他メーカーのカーボンフレームは?
ウェットカーボンと俗に言われる製造方法なのか、それともドライカーボンと俗に言われる製造方法なのか。
近々で話題になったGRヤリスのカーボンルーフに用いられた細かいカーボン繊維の布を効率的に並べてコストを抑えながら目的の軽量性と強度を狙う…というSCM工法なのか。
細かいパーツが多いので、SCM工法を採用しているような雰囲気もありますが、ロードバイクのフレームの製造方法は一言で「カーボン」と言っても様々なんです。
まず、ラグ構造という製造方法があります。
コルナゴとかで有名なC64とかに代表されるモデルの作り方ですね。
カーボンパイプ同士をラグと言われる接続構造体を用いて繋いでいき、フレームの形を成すという製造方法です。
次にその製法の発展形でインナーラグというのがあります。
パッと見は後述するモノコック構造に見えるんですけど、パイプの中にラグを仕込むという製造方法です。
最後に、現代のフレームで最も見かける構造であるモノコック構造です。
ラグなどの接続体を用いずに一体成型する構造を採用します。
一体成型とする事で、必要な部位には必要な厚みとレイアップを。
不必要な部位にはできる限り薄く、最低限のレイアップを。
正に自転車に向いた構造であります。
ただ、完全にあの形で一体成型は難しいのでパーツ毎に成形してから、モノコック同士を特殊な糊を使って接続するという製造方法で、悪い言い方すれば最初からニコイチとかサンコイチって事ですねw
敢えて繋ぐ場所は事故った時にそこから断裂する事で身体剥き出しで乗る乗り物だから限界は低いですけど、フレーム側でもできるだけライダーを傷つけない場所かつ、衝撃を吸収できる箇所で断裂するように狙って効率的な場所でモノコックフレーム同士を繋いでいます。
ラグ製法にしろ、インナーラグ製法にしろカーボンパイプはドライカーボン製です。
じゃあ、モノコック構造は!?
TIMEのフレームはRTM工法になるので、厳密にいうとドライカーボンではないです。
ドライカーボンに近しい性能は発揮されますけれど。
それ以外のメーカーのカーボンモノコックフレームはどちらなのか?
LOOK、MERIDA、TIME、GIANT、TREKなどのカーボンフレーム製造工程を探る
代表的なメーカーの製造工程を紹介した動画などをまとめた
ありがたい記事がありますので貼ります。
ロードバイクのモノコックフレームも、ドライカーボンです。
バルーン(内型)にプリプレグを設計図通りに重ねて貼り込み(レイアップと使う素材の強度などは極秘)金型にセットして釜へ入れて真空引きしながら熱を加えている様子が動画で見れます。
TREKは、OCLVカーボンとメーカーが謳う「なんで輸出できんのwいいの?」と思わず考えちゃうアメリカ軍にも納めている軍事技術を応用して、気泡を極限まで除いた製法をTREKの特徴として謳っている為、その辺りの微妙な工程は動画では大きく割愛されているので熱入れの様子とかがあまり見れませんが、GIANTなどの動画を視るとその辺を少し見れます。
どのメーカーもその辺りはトップシークレットなので肝心なところは映ってませんが貴重な動画ではあります。
カーボンシートがもうちょっと小ぶりなシートを重ねて狙った剛性や弾性を導き出しているのかな?と勝手に想像していたんですけど、結構豪快に一枚もののプリプレグをザッザと敷きこんでいってますねw
かなり古いモデル(TREKのMADONEは3世代か4世代前のモデルです)なので、今はまた違うかも知れませんけれど。
ぶっちゃけ、大人が乗れてシステム荷重120kgまでメーカーが「なんともありませんよ」と保証するだけの強度と剛性と耐久性を持たせた上で、そんなフレームが塗装前で640gとかなんですから、そう考えたらそりゃドライカーボンだよなw
と思いました。
これだけ手間掛かってますが、製造と材料にかかるコストは製品一本あたりで換算すると恐ろしいほど安いらしいですw
我々が一本のフレームを60万円も100万円も払って買っているのは、ほとんど開発費やプロモーション代や、メーカーが提供しているプロチームへの提供品などのコストですね。
フェラーリ買ってフェラーリのF1活動支えるような感じですw
最近、どんどこ値上げ攻勢がエグイですけど
そろそろ頭打ちか…?
って流れが世界ではきてます。
日本市場はまだイケイケですけどw
日本でも一部では既に安売りが始まってます。
私もちょっとだけその恩恵に授かりましたw
そりゃそうですよね~。
トライアンフのスピードツイン900ってモデルが最近やたらとTLとかに広告出てきますけれど、115万円くらいでしたよ?
結構魅力的なモデルじゃないでしょうか。(バイク詳しくないのでアレですけどw)
今のロードバイクで115万円って言ったら、105Di2積んだフレームはハイエンドだけど構成はミドルグレードってモデルになっちゃいます。
老舗ブランドの高級ロードになったら買えませんw
フレームだけで200万円オーバーしているモデルもあります…
ホンマに価格なりに性能もスーパーなの?ってロード好きな人間からしても、思わず疑っちゃう価格ですわ…w
こんな異常な相場で売り手市場していたら、業界自体が衰退していきまっせ
ロードのコンポも精密な機械で、製造にも開発にもコストが掛かるのはわかるんですけど、最高峰の電動コンポになるとシマノさんでも55万円オーバーな世界に。
私が愛用するSRAMになると75万円というバカげた世界に…
ガイツーなどで世界の相場調べたら、普通に35万円前後の価格帯で流通しているんですよ?
SRAMのお膝元のアメリカでその相場ならまだ納得ですけど、欧州のショップでその値段ですからね!
日本の正規輸入元が儲けすぎでっせ!
知れば知るほどアホらしくなりますわw
まぁ、保証やなんやらと上乗せしないと代理店として成立しないのは理解できますが、ボり過ぎですってw
という愚痴で締めますw