2023年04月21日
鉄下駄
ロードバイクの純正アッセンブルでついてくるホイールの事を通称「鉄下駄」と言います。
とても重くて、走らないホイールだから「鉄下駄」と言われるんですよね。
それでも、ママチャリに付属してくるホイールよりかはまだ走る…とは思いますw
綿密に比較した事がないのでその程はわからないんですけど。
一言でママチャリと言ってもピンキリなので、ワンチャンあり得るんですよね。
ママチャリ純正アッセンブルなホイールの方が通称「鉄下駄」より走る可能性。
なんでこんな冒頭の説明文になったかというと、一言で「鉄下駄」と言っても様々なのです。
私が体験した「鉄下駄」は主に2種類です。
TREK Emonda SL5(2018)と妻が買ったTREK Emonda ALR5(2017)に付属してきた「鉄下駄」
これは恐らく同じ仕様の「鉄下駄」です。
可もなく不可もなくって感じで、割と普通に走ります。
普通に走りますが、今乗るとはっきりとわかるんですけど恐らく緩くて重いホイールだと思います。
もう一種類はSpecialized Allez sprint comp disc(2019)に付属してきた鉄下駄です。
こちらは、Emonda SL5(2018)と同じ価格帯のモデルなんですけど、鉄下駄なのに割と良い素性を持ってまして、DT SWISSのR440だったっけな?R460か。
レーシングスペックを持つ「RR」よりもひとつ廉価版ですが、リム重量が450g(公表値)でして価格の割には割と悪くないリムを採用。
※RとRRの違い
リム重量が違うってのもありますが、最大の要素違いがスポークを張れるテンションの許容応力度が違います。
RRを買えば、アルミリムでも結構良いセンいくホイールが組めます
ハブはもうワンランク上のモデルになると、似た鉄下駄でもDT SWISSのDT350と言われる手組ホイールでも使う事がある良いハブが付いてきて、正にスポークを上位モデルに張り替えたら化けるホイールなんですけど、Allez sprint comp discに付いてきた鉄下駄のハブはどこのハブだったか忘れましたが、もうワンランク下の汎用ハブがついてきてました。
それでも、まぁ悪くないかな?というくらいには回転するハブがついてきてました。
ディスクロード用のホイールは、初めてのカーボンリムを体験したかったので、妥協したホイールを買わないと決めていたのと、鉄下駄と一言で言っても割と走るホイールではあったので、結構な距離を鉄下駄で走りました。
そういう事もあって、Allez sprint comp discに付属してきた鉄下駄で様々な事を経験しました。
恐らく、Emonda SL5に付属してきた鉄下駄でも似た距離を走破していたら、同じような経験をした可能性は大いにあり得ます。
Allez sprint comp disc(2019)純正アッセンブルの鉄下駄で経験したこと。
・走行中に若干ヨレを感じたのでスポークテンションをリムやスポークが許容する範囲で張りなおしてもらった。
→これでかなりマシになりました。
・増し締めが効いたのもありますが、元々のスポークが汎用廉価品なので一本スポークが切れ飛びました。
→そこはやはり鉄下駄…しゃーないですよね。
こういう経験は、完組や手組ホイールではありません。
なんでこういう話題を書いたかというと、ツイッターのフォロワーさんが鉄下駄とカーボンリムのホイールの違いが重量の差以外にあるのがわからん。
鉄下駄でも結構良い走りをする!
と書かれていたんですよ。
よく見ると、Pinarelloなどの欧州車の完成車によく採用されるFulcrumの廉価ホイールが組まれていました。
レーシング10…くらいのクラスになるんでしょうかw
レーシング13くらいかなw
※Fulcrumのアルミリムホイールは、市販モデルはレーシング〇←数字が小さいほど上位グレードという法則で販売しています。
日本には正規品で入ってきてませんが、レーシング6とかレーシング8とかあるみたいです。
日本では現在はレーシング5、レーシング3、レーシングゼロの三種類だけだったと思います。
それらも、ディスコンが近いと言われています。
ちょっと前まではレーシング1も売られてました。
Fulcrumの鉄下駄は経験ないんですけど、恐らくですけど結構良いホイールだと思うんですよ。多分ですけど。
Specializedで言えば、アレスプより上位のTARMAC COMPくらいの50万円くらいするモデルに付いてくるような、R460リムを使っていても、ハブはDT350でスポークはDTコンペくらいのしっかりとしたスポークで組まれているような、重いけれど素性は良いホイールの可能性が高いんだと思います。
シマノで言えば、前後輪合わせて15000円くらいで買えるRS010という鉄下駄だけど後輪のみ左右非対称リムを採用して、左右差をなくして重いけど安いホイールにありがちな嫌なところをコストの許す限りでできるだけ無くしているホイールがあります。練習輪にぴったりなホイールなんですけど、そういうのに近いかひょっとするとシマノRS010よりもさらにこましなホイールの可能性があります。
それだったら、鈍感な人だった場合。
タイヤと使用チューブも一緒で、空気圧も同じだったら違いがわかりにくい可能性はあります。
それと、普段使ってるカーボンリムの完組ホイールがいわゆる「緩いホイール」を愛用されていたら、それこそ重量差以外で違いがわからない可能性が大いにあります。
人間とは絶対的な評価ができない・できにくい感性を持ちます。
自分が思っているよりも敏感なのが人間ではありますが、いわゆる相対的な感覚は非常に敏感なれど、絶対的な領域で敏感な人は稀です。
ベテランのレースドライバーが「このクルマはダメだ。剛性がない。使っている純正タイヤもサイドウォール剛性が…」と発言される事がありますが、これは膨大な経験からくる過去の事例との相対的な比較が主です。
説明が長ったらしくなりましたが、いわゆる「モノサシ」として良いモノを知っておく…というのは大事だよなぁって再認識できたツイートでした。
私もレーシングゼロや、店長に手組してもらったAeolus comp5リムを使った手組ホイールを経験していたにも関わらず、初めてのカーボンリムホイールであるROVAL Rapide CL50 discを初体験した時は、その速さにまず驚きました。
ただ、ダウンヒル時に違和感は感じました。
まぁでも軽くなって速いホイールだから、その軽さがこういうフィーリングに繋がってんのかな?と、自分の中でそう結論付けちゃって本質に気付けなかった。
でも、ダウンヒルしているとやはり不安感を感じるのでロード用のホイールとしては初めて回転バランスを取ってもらった。
それで随分と不安感は減ったけれど、まだ一抹の不安感は感じていた。
(Emonda用に組んでもらった手組ホイールやレーゼロと比較して)
それが何が原因なのかは、ロードバイクの経験自体が浅かったのとまわりに相談しても的確に答えを言ってくれる方がいらっしゃらなかったので、まぁこんなモンなのかな?なんて思いつつ「慣れたらシマイだわ」と割り切って乗っていた。
それでも速くは走れていたからです。
んで、のむラボさんの記事に突き当たります。
そこでショックを受けたものの(あかんホイール掴んでもたwと)
光明を感じたのも事実です。
そうか、そうだったのか!と。
感じていた不安感は確かだったんだ。
でも、ROVALのホイールは好評だし、みんな使ってるし…で、自分の感覚にフタをしてしまってたんですね。
のむラボさんの記事を読んで、スポーク交換を実行。
のむラボさんのありがたい記事のおかげです、ホント。
そして、結線まではしてないんですけど。
明らかに化けたホイールのフィーリングを感じて、「正にコレじゃないか」
それからは、ダウンヒルのコーナリング限界(精神的な恐怖を感じない限界)がかなり引き上げられて、怖くないと感じる速度域自体の底上げが異常にあがりまして、優れたカーボンリムを持つホイールってなんて良い走りをするんだ!
という素晴らしい体験に繋がりました。
元々の状態でもそんなに悪くはないです。
でも、正しい状態になった時の化けた感じは凄かったです。
そのような体験をしてから、Bontrager Aeolus RSL37を経験しました。
そこでまた良い体験を。
ROVALよりもワイドリム…というのが効いているんでしょうね。きっと。
今までは「慣れていたから、疑問も不安も感じなかった」んですけど、直進時でも微妙に路面の影響を受けて修正舵あてながら走っていたんですね。
それでも頻繁に当てていたわけではないんですけれど。
RSL37だと、もう本当によっぽどなワンダリングでもない限りはハンドルに何もしなくても真っすぐ走るんですよ。
そしてダウンヒル。
さらに「怖くない」と感じる速度域が底上げされて、まわりから「そんなに飛ばすと危ないよ!?」とアドバイスを受けるくらい速度を上げても全然怖くないほど限界が底上げされました。
のむラボさんに言わせたら、恐らくRSL37やRSL62でもまだ改善できる点はあるんでしょうけれど、私の体験した中では一番真っ当なホイールなのかも知れません。
路面のアンジュレーションのいなし方や、そもそもそういう所を通らないライン取り…と言っても公道走る限りは、理想的なラインなんて到底無理なんですけどねw(交通マナー的にも、ルール的にも)
なので、そんな限られたシチュエーションで乗るならば、レーシングゼロの本当に良いところばかりを引き出して走るのは無理があります。
要するに、堅いホイールだからこそ…なんですけどね。
そういうところも含めてトータルバランスが高いのはRSL系のホイールでした。
剛性はあるけれど、堅さ一辺倒ではない乗り味がそういう路面を走る上での限界も引き上げてた。
話しが随分と逸れましたが、そういう要素もあるのでフォロワーさんが鉄下駄で感じた「カーボンリムを使ったホイールと鉄下駄の差をあまり感じなかった」
というのは、現代のロードバイク機材で言うと「あり得る」んですよ。
それだけ、「軽さ」だの「空力」だのホイールに求められる性能が以前よりもシビアになっちゃって、のむラボさんも時々ブログで嘆いておられますけれどホイールとして求められる性能の大小をはき違えて誤った組み方をしているホイールがあると情報を発信されています。
機材をどんどこ試せれたら私もより正解に近づいていけるんでしょうけれど、私の許される範囲ではそれは敵わないので難しい話しになっちゃいますが、今のところ手組ホイールと完組ではAeolus RSL系を経験できた事でどこまでちゃんと理解できているのか怪しいモンですが、フォロワーさんが発言された内容の推察ができる程度にはなっていたのがちょっと嬉しかったです。
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Posted at
2023/04/21 09:16:37
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