2023年08月07日
S-Works Tarmac SL8デビュー
Specializedから、Tarmac SL8がリリースされました。
今回のSpecializedは凄いぞぉ!!
まず、SL7の時にライバルメーカー(TREK)との比較を露骨に行っていたんですけれど、それを今回は自社モデルとの比較のみへ変わりました!!
凄い!!
凄いぞSpecialized!!
実に漢らしい。
この時点で既にTarmac SL8を買いそうになる私。
そうなんですよ。
普通に(普通じゃないけど)素晴らしいロードバイクを作るメーカーなんだから、変にライバルメーカーとの比較をしなくても良いんですよ。
この時点で、以前は不満を持ちましたがライバルメーカーとしてTREKのモデルと比較してもらっていたって事は、TREKのモデルは凄かったんだなと逆に感心。
しかし、その逆をかえせば空力含めて今のTREKのバイクは「取るに足らない」と思われてんのかもな…とも思いましたがw
TREKのバイクはそういうのと違った価値観も持ち合わせているので、速さを追求するメーカー姿勢として自社の新しいモデルを正しく表現するという方法としては清々しい!と好感を持ちました。
(速いにこしたことはないんですけれどね)
そして、今までの「ロードバイクにおける空力性能を高めるには」というわかりやすい文法があったんですけれど、今作のTarmac SL8はその文法通りに設計されていないっていうのも大きなトピックス。
実は、乗り比べると確かに差はあるんですけれど
単独で乗ると「そんなに空力悪いかな?」と思わなくもない。
というフィーリングが「エアロ形状ではないロードバイク」にはあるんです。
私の場合でわかりやすい例としてはEmonda SL5(2018)に乗っている時ですね。
その後にMadone SLRに乗ると「確かに違うw」とは感じるんですけど、その主な差って実はどこで生まれているんだろう?と疑問を持つのも確かだったんですよ。
それを地で行くように、証明するかのように新たなチャレンジに満ちたTarmac SL8
ダウンチューブなどはわかりやすいカムテール形状を取りやめ、円形状に近しい断面形状に。
恐らく、前輪で整流もしくは乱れた空気の後で当たるダウンチューブで空力的に優れた形状に「拘らなくても」空力的損失は少ない。
そう考えたのかも知れません。
その上で、最優先事項は空力ではなくて「構造的剛性と強度」を実現しやすい断面形状とし、強度上有利な形状として必要な能力を確保した上で「軽量化に務めている」んではないかと推察。
さらに、強度・剛性的に有利な形状としつつも微妙な端部処理などで今まで培った空力的損失を抑える形状としているんじゃないだろうか?と素人ながらに予想。
後ろ三角は完全に空力重視形状じゃなく、強度と剛性のバランスを取った上で軽量性に全振りした形状、わかりやすく例えると細部は違うにしても同社の軽量モデル「エートス」に似た後ろ三角形状になっているのが印象的。
ライダーがペダルを踏みこむ為に回している両足の間を通ったあとの乱れた空気を整流する意味はあるのかもしれないけれど、そこで空力を頑張りすぎるがあまり剛性バランス(どうしてもエアロ形状とすると縦方向に強くなる)で歪になったり、それを補おうとして重量面で不利になるくらいなら潔く剛性バランスや重量面で有利になるように「割り切った」のかなと思います。
空力性能は小さな積み重ねの上で成り立つので、その小さな積み重ねを定義つける定義そのものが変わった瞬間に達成できる空力性能というのも変わるのが事実です。(計測上の問題)
ならば、労多く功が少ない箇所で頑張らずに効率良いところで空力性能を大きく補う。
そういう設計思想なのかな?と素人ながらに予想。
この予想する時間が楽しいんですけれどねw
そうやってデビューしてきたSL8は、ステム直下のヘッド形状をエアロ形状に隆起させて他は意外とオーソドックスな形状で出てきました。
ただし、トップチューブは水平に近いほど空力性能に優れるというのが定番だそうで、トップチューブは若干スローピング形状ですけれどほぼ真っすぐ。
シートステーはトップチューブとそのまま繋ぐと乗り心地と剛性バランスを取りやすくシートチューブの重量を稼ぐ事ができるらしいんですが空力性能はイマイチになるので(トレードオフ)最近の流行らしく、トップチューブとシートチューブの交点から割と下に下がったところから発生する小さな後ろ三角。
エアロ形状(カムテールに近いD形状)のシートポストを採用しているのにも関わらず、乗り心地に留意した。
と発表されている事から、敢えてシートチューブで剛性を出し過ぎずに出力損失を抑えながら、しなる構造とした事で軽量性も同時に実現してんのかなぁ?
と予想。
全て文字にすると簡単ですけれど、これを実際の性能面で実現するには並大抵の開発じゃ得られないと思います。
前置きが長くなりましたが、こんなにも普通に見える形状から想像できないくらい空力性能で優れ、軽量性でも優れたTarmac SL8は、エアロロードのVengeも超え、トータル性能ではTarmac SL7をも超え、同社最強のロードレーサーへと昇華したそうです。
まぁこれは本当だろうなぁ…。
Specializedだから。
形状的にもなんか説得力がありますよ。
これは売れるだろうなぁ。
とても売れそうな、実に熟した良い形状しています。
それでいて先を行き過ぎていない。
良く売れるプロダクトとしては、人々の認識の先を行き過ぎないというのが大事だそうで、そういう意味では本当に良く出来た良いデザインをしていると思います。
そして、これが個人的にはとても大事なんですけれど、どこからどう見ても「Specializedのバイク」なんですよ。
私がTREKのバイクが好きなように、TREKのバイクもEmondaだろうがDomaneだろうがMadoneだろうが遠くから見るシルエットが「TREKのバイク」なんですよ。
Specializedも、今まではアメリカンメーカーとして「性能重視でデザインはイタリアンメーカーなどの欧州勢には敵わない」という認識だったんですけど、ここに来て一気に「Specialized」とわかりやすい、良い雰囲気にまとまってきましたね!
こりゃ、逆に欧州勢がうかうかしてられないッスよ。マジに。
割とマジに。
ピナレロも最新型のDOGMA Fになってからは、DOGMAらしさは残しつつ
空力のトレンドを取り入れ過ぎたが故に(勝つためにしょうがないところはあるんですけど…)遠くからシルエットを見ると「Venge」っぽさが漂っているっていう…※個人的な感想です。
でも、まだピナレロはピナレロしているから良いんですよ。
他メーカーのバイクは、なんかちょっとずつ「どこのバイクか遠目にわかり辛い」ように変わってきてるんですよね。
それぞれのメーカーのファンの方からしたら「何いってんだボケ!」と言われるかもですけれどw
(ちなみに、Cinelliは遠目に見てもCinelliですw
あそこは速さ追求型じゃないんで、ある程度自由にデザインされてるっぽいんでw)
Tarmac SL8
これは売れるんじゃないでしょうか。
お値段も決して安くはない。
安くはないんですけど、現地価格でフレームセットが$5500らしいんですよね。
先程調べた時点で為替レートは0.007円=約142.857円
5500×142.857=785714.29円(税抜き)となります。
それが正規輸入価格は、消費税込みで737000円!!
円高が進まない限りは、個人輸入した場合正規品買うより遥かに高くつく!!
という良心的なお値段設定なんですよ。
Specializedの良心を感じると同時に「野望」も感じますw
こりゃ、TREK人気を駆逐する為に野心的な価格設定で殴り込みにきましたよ。
・SワークスターマックSL8 (シマノ・デュラエースDi2完成車)価格/179万3000円
・SワークスターマックSL8 スラム・レッドeタップAXS完成車価格/173万8000円
しかも、通常ならSRAM RED eTAP AXS組みの方が高くなるのが通例なんですけれど、本国で買うならシマノ製グループセットを買う方が高いんでしょうね。
SRAMはアメリカメーカーだから、向こうではSRAMが国産メーカーです。
素直に現地での購入価格を反映した完成車価格設定になっているのが好感度大です。
しかも、1$=142.8円という円安レートでもここまで頑張った。
売れる予感しかしません。
そして、RED eTAP AXS組みモデルの魅力度が半端ないですw
うちはSRAM eTAP AXSとDi2を実際に使って、eTAP AXSの方が好きになりDi2をわざわざ外してeTAP AXSで組みなおす…という事をやってるほどなので。
フレームセット購入してバラ完で組むより遥かに安いですよ。
安くないですけれど。
正規代理店通して、SRAMグループセットを正規価格で買うのが馬鹿らしくなるお値段設定ですw
フレームセットが737000円
SRAM RED eTAP AXSグループセットを真面目に全部揃えるとざっくり790880円必要です。
この時点で既に1527880円
完成車との価格差がもう210120円しかありません。
こうなると、ホイールもタイヤもハンドルもステムも…同じ装備品は買えません。
完成車付属のホイールは正規価格で前後輪セットで352000円です。
ハイエンドにしちゃ安い。(安くないけどw)
この時点でもうマイナス141880円…
ステムとハンドルの価格は割愛して良いですかw
きっと、20万円分くらいお得なんですよ。
ん?
コンポ価格が約80万円のSRAMで通例通り完成車価格ならではのお得感がありますが、シマノ製コンポで組まれた完成車価格はそうでもないですね?
日本国内で買うなら、フルセットでだいたい45万円ちょいです。
ジャンクションAやら、エレクトリックワイヤーと呼ばれる部品を搭載するモデルに合わせて買い替えたりするか最初からちゃんと合わせて発注すれば、まぁそのお値段に納まるはずです。
それでTarmac SL8の完成車価格を計算すると…
あら?
シマノDi2搭載モデルに関して言えば、グループセットを持ってない人がイチから買うならまぁ完成車で買っても良いかな?って感じですが、持ってるホイールなどの資産に合わせて買うならシマノDi2搭載完成車で買うのではなく、バラ完で買った方が安そうですね?
なんかいろいろ
ややこしい時代になってきましたなぁw
それにしてもTarmac SL8を世に出した、こういうカタチで出したSpecializedは凄いな!と感心しました。
買えないけどw
もうバイクを置く場所がないですw
そして、今持っているどのバイクも売りに出せないです(思い入れがあって…)
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2023/08/07 15:29:36
今、あなたにおすすめ