TREK Madone (Gen6)
エアロロードらしいエアロロードです。
エアロロードとはこうあるべき、という概念に基づいて設計されたロードバイクです。
この手のエアロロードで市民権を最初に得たのはスコットのモデルだったかと思います。
エアロロードはそのフレーム形状故に、操作性に癖がありました。
スコットのモデルは、エアロでありながら普通のロードバイクのように乗れる操縦性を初めて実現したそうで、そこから昨今のエアロブーム(?)が定着した。
というネット記事を見た事がありますw
TREK Madone (Gen8)
既存のエアロロードの空力性能が、その時点のレギュレーションで定められたルールを守る限り、どんなに無駄を削ぎ落しても得られる性能アドバンテージは僅かでしかない時代へと突入。
Pinarelloはずっとその路線でしたが、Specializedがそんなエアロロード路線にメスを入れました。
エアロ性能と軽量性や他とのバランスをより高次元でまとめる。
そう、よりオールマイティにロードバイクとしてレース車両として進化させるムーブメントをおこしたのは、Specializedでした。
Pinarello DOGMAは、その時に気付かされましたが延々とその流れでPinarelloはロードバイク(DOGMA)を設計していました。
そんな流れに乗って、生まれたのが最新モデルであるGen8(ジェネレーション8)のMadone
ただ、Madoneは後発なだけあってより進んだ空力理論で設計されています。
構成されているチューブなどディテールを見ていくと、どう見てもエアロロードに見えないw
それは、各チューブ毎に最適形状にしながら集合部でさらに最適形状に…
という風に従来の考え方でまとめられているのではなく、ホイール(前輪)からフレーム、そしてホイール(後輪)へと流れる一連の空気の流れをロードバイク全体で考える「フルフォイルシステム」で設計されたので、各チューブはその空力設計を妨げない形状を守りつつ、最大限運動性や軽量性に振った形状で設計されたのがGen8 Madoneというモデルです。
この二台のMadoneを乗り比べて、実際の空力性能はどうなのか?
というのをまとめたいと思います。
※あくまで素人が乗った印象なので、感想文程度だと思って読んでください。
◎Gen6 Madone
エアロロードらしいエアロ性能。
つい数日前に、向かい風が強い中延々と走って再確認しました。
乗り慣れたモデル…というのも大いにありますが、乗っていて非常にわかりやすい空力性能。
安心して、空気抵抗の少なさを享受できます。
人間が乗ってわかりやすい、直感的に理解しやすい空気抵抗の少なさ。
斜め前などから風が吹いた時に、ヨットの帆のセーリング効果に近しい空気抵抗の減り方は、Gen6の方が体感しやすいです。
風を切り裂いて疾走する。
そんな表現がぴったりのエアロロードです。
非常に乗りやすく速い。
そんなモデルです。
◎Gen8 Madone
まず、普通に乗りやすく優れています。
そして、つい数日前に乗った時と同じか、それ以上に風が強い日に同じように淀川河川敷を延々走った事があります。
その時に感じた事を思い返しながら、Gen6との違いを書きます。
空気を切り裂くように走る、従来のエアロロードのような空気の壁を突き抜けていくような感覚は意外と薄いんです。
そういう感覚ではなくて、走っていて向かい風の中でも非常に楽に巡航速度を伸ばしていけるので、明らかに空力性能は優れている。
優れているんですけど、空気抵抗の少なさを従来のエアロロードのように「空気が足元をスカッ!と抜けていくぅ~!!」という感覚は薄いんです。
そのような感覚は薄いんですけど、明らかに空気抵抗は少ないんです。
だって、Gen6と同じように巡航速度をスルスルと上げていく事ができるので。
その様子を端的に言語化するにはどう表現したら良いのか…。
誤解を恐れずに書くと、風との親和性が高いと言えばぴったりくるでしょうか。
斜め前から風が吹いた時に、Gen6のようにわかりやすくフッと車体が軽くなって前に出るような感覚はないですけれど、それでも斜め前からだろうが横からだろうがどこから風が吹いても、軽く前に前に進みます。
空気を切り裂きながら、抵抗を減らして突き進む印象ではなく。
スマートに空気に逆らわずに走るというと通じやすいでしょうか。
そんな印象です。
※まとめ
Gen6は今乗っても非常に優れたエアロロード。
エアロロードでありながら、普遍的なロードバイクのように操れるし乗れる。
そういう意味ではオールラウンドなモデルで、これが6年も前にリリースされたのかと思うとTREKの先見の明に舌を巻きます。
Gen8買うからと言って、Gen6を売らなくて良かった…!
そう思えるバイクです。
そして、先ほども書きましたが非常にわかりやすいエアロロード。
Gen8は、そんな6年分の歳月を感じる、優れたロードバイク。
Gen6よりも更なる普通じゃない普遍性に満たされたモデルだと乗っていて思います。
そして、見た目の印象はどちらかと言えばMadoneよりEmonda寄りですが、乗ると不思議なんですけど、とてもしっかりとMadoneの乗り味。
Madoneらしく重心の低さまで感じます。
下りのコーナリングはEmondaも優れていますが、そのコーナリングする際に感じるフィーリングは、正にMadone(もしくは、限りなくMadone)
Gen8は、従来のエアロロードに親しんだ人は乗ると「アレッ!?」と思われる可能性が高いですが、乗り込んでいくと確かな空力性能を実感できて満足度が高いです。
ただ、従来の優れたエアロロードのように空気を切り裂いて抵抗を減らし、突き進むという感覚ではなく、馴染むかのように無駄なく速く走り抜ける。
そんな印象を持てるエアロロードです。
セミエアロではないです。
エアロロードです。
Gen6とGen8を持つ事で、私は逆により一層Gen7への興味が尽きません。
程度の良い中古が出てくるまで、Gen7を探そうかなと今は考えています。
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Posted at
2025/05/08 14:19:33