2025年06月20日
事実上、SRAM潰しが始まるとか…?
世界選手権のレギュレーションを決めたりする機関として、UCIがあります。
そこが新たに発足させる技術制限として、クランク一回転あたり自転車が進む距離を10.46mまでに制限する。
という規則を発足させるみたいです。
まだ決定ではないのかな。
これが決定したら、大打撃を受けるのはSRAMです。
それは何故かというと、eTAP AXSがデビューした当時。
以前ブログでも書きましたけど、大抵の人はSRAMがまたアホな事をやりだしたw
とか言って、本当に凄いその真意に気付けず
トップに近い方のギア比でクロスしてない
とかなんとか、軽視されていた程の変更。
それは従来のトップギアは11Tという常識から、トップギア10Tを主軸に構成されたドライブトレインに大打撃を与える新ルールとなるんです。
それは、トップ10Tを採用する事で従来のドライブトレインより小さなチェーンリングで最高速を担保する。
ドライブトレイン全体のギアを小さく構成できる事で、軽量化と剛性アップが狙える。
と、こんな紹介文で新製品は発表されました。
この時、SRAMの真意に気付けた人は少数派だったのではないでしょうか。
そして、変速速度は他メーカーが有利!ってモンで、SRAMをハナから馬鹿にする人が多数派でした。
実は、このトップギアの「10T」がキモ。
実際に乗ってみたらわかりますが、意外とトップギアでも踏めるんですよね。
何度かブログ記事で書いてますが、私のような趣味で乗る貧脚でも踏めない事がないんですよ。
プロ選手になればその差はより明確になります。
そして、従来のドライブトレインだとトップギアが11Tなので、54Tなる巨大なチェーンリングを搭載しても、トップギアでのギア比は4.90909090…止まり。
一方、SRAM側は50Tでも5.0となり、54-11Tのギア比を超えます。
そして、eTAP AXSの初代モデルRED D1で時期が遅れて登場したプロからの要求によってより大きなチェーンリングがリリースされた…
という、半分本当で半分は元から出す予定だっただろう52Tや54Tという大きなチェーンリングを搭載できるアップデートキットを販売しだします。
これにより、レースシーンで徐々に変わりだします。
そして、その真価が発揮されやすい1x(ワンバイ)と言われるフロントシングルによって他メーカーとの差異がより明確に際立ちます。
TREKのレースチームが、新たに発表されて13速化されたSRAM RED XPLRをフラッグシップモデルのMadone SLRに搭載します。
これにより、チェーンリングをシングルの54Tにしても。
13速化された10-46Tなるスプロケットにより、洗練されたドライブトレインによる「デメリット」が減らされて、トップギア側でもより整ったチェーンラインを実現する事で、チェーンが斜めになってロスする要素を従来より排除して、踏めるライダーにはより踏めるように進化した…
らしいんですよねw
54Tで計算してみても、トップは5.4で54T×11Tの4.9090…の比ではない進み具合。
それでいて、ロー側は54T×46Tで1.173913…というギア比になり
某メーカーの54/40Tのチェーンリングのインナー側で発揮される40T×34Tで実現される1.1764705…というギア比と遜色ないギア比を実現。
つまり、これによるメリットは。
先程も書きましたがフロントダブル(2x…ツーバイとも言われる)よりも改善されたチェーンラインを構築できるフロントシングル化をしても、確保されるギア比によってデメリットが生じない事がひとつと、さらにチェーンラインが改善される事でチェーンが斜めに掛かっちゃうロスを減らせて極限の中で競うライダーの消耗を抑える事ができる。
さらに、フロントの変速機を取り除くことができるとロードレースの世界においては無視できない数値で空気抵抗が減ると様々な記事でも散見できます。
つまり、SRAMが2019年に発表したeTAP AXSにより基礎的な技術から改善し、ようやく華開いた1xシステム、グラベルロード向けという名目で発売された13速化されてギア比的な穴がとてつもなく少なくなった新型XPLRで実現したドライブトレインが、「レースの高速化を防ぎ、安全性を担保する」という中立の立場にいるような表現で、実質SRAMのドライブトレインのみ競争力を激しく削ぐルールが追加される…という発表です。
TREKのレースチームが現行Madone SLRに新型XPLRを組んだ。
マッヅピーダスン選手が乗るそのマシンには、フロント1xシステムで54Tのチェーンリング。
リアには13速化された10-46Tスプロケを組み、華やかに優勝したレースがあったのは記憶に新しいです。
以前から規制しようという動きがあったのかどうかまでは知りませんが、グラベルロード向けという名目でデビューしたXPLRを積んだロードバイクが、世界選手権で優勝したら…
そして、それがとても優位性を持つドライブトレインだったら。
そりゃ脅威を感じますよね、たぶん。
素人だからわからんけど。
で、最初の説明に戻るんですけど。
クランク一回転で自転車が進む距離が10.46mというのは、54Tのチェーンリングにトップ11Tだったら引っかかりません。
SRAMが既にリリースしている50Tでもトップが10Tだと、この新ルールに抵触してアウトです。
SRAMはトップ10Tを辞めない限りは、新たに49Tというチェーンリングをリリースしなければなりません。
数あるレースチームの、より多数のロードバイクのパーツを交換しなくてはレースに出れないとなると、参加するレースチームへの負担は半端ありません。
また、49Tのチェーンリングを出すとクランク一回転で進む距離10.46mは下回れますが、トップレーサーが出すであろう60km/hの世界でケイデンス(クランクを回す一分間あたりの回転数)を計算すると
54T×11Tだと、約100rpm
49T×10Tだと、約109rpm
となり、10%近くSRAM側がより高いケイデンスを維持できないと同じ速度を保てません。
これは、乗る選手の得意とするライドスタイルにもよりますが
一般的にはとてつもなく不利です。
そして、この話題をそのまま逆手に考えてみてください。
従来のままだったら、実は高速側もSRAMの方が圧倒的に有利だったんですよ。
私のMadoneの場合、52T相当に準ずるとeTAP AXSがデビューして間もない頃にSRAMが発表していた「48T」という小さなチェーンリング。
しかし、トップ10Tなのでギア比4.8
ちなみにトップ11Tに52Tだと、そのギア比は4.727…
となりまして、先ほどの最高速付近でのケイデンス数でSRAMの方が逆転して有利なんですよ。
さらに、プロ選手が好んで使う52Tや54Tという大きなチェーンリングになると。
もはやトップ11Tのギア比では到底まかなえない高いギア比となり、単に高いギア比となるわけでもなく…
というくらいアドバンテージがあるんでしょう。たぶん。
素人なんで読んだ記事に類推を重ねてかいてますので、ご容赦を。
素人の類推込みなので怪しいモンですけれどw(今更)
それでも、特定のドライブトレインのメリットを奪う目的としか思えないルール変更を施すというのは…やっぱり脅威なんでしょうね。きっと。
いっときのWRカー選手権で、名だたる名門チームやブランドがこぞって研究してもスバルほど優位性を持たせることができなかった「ウォーターインジェクション」という技術がレギュレーションで禁止されて以降、スバルのWRカーは得意の武器を失って、徐々にレースで勝てなくなっていき…
ラリーから撤退したのはいまでもはっきりと覚えています。
オリンピックでもそうですが、なんで有利になったらそれを奪うルール改変するの?というのは、意外と多くの事例があります。
今回は珍しく、日本のメーカーではなくアメリカメーカーSRAMのドライブトレイン直撃になる規制です。
本当にこれが実施されるんだろうか?
それとも、もう既に実施されているんだろうか?
世界選手権をあまり見ない、ロードバイクが好きなくせにあまり見ない私はそれをまだ知りませんw
車もそうなんです。
レース見るよりも、実際にやる方が好きな性質なんですw
ネット記事で散見しただけなので、どこまで本当なのかわかりませんが…
この規制が実施されたら…
せっかくSRAMが築き上げてきた技術が根底から覆されます。
そして、せっかくロードバイクの世界に新たな新技術による旋風がおこるかもしれない「芽を摘む」行為は、技術発展の面ではどうなんだ?
今後、使い古された洗練されていないギア比を延々とひっぱるのはどうなんだ?
ただでさえ、自転車ブームは鎮火して停滞期に入ろうとしているのに、さらに業界全体を停滞させるような動きって、メリットあんのかな…
と、いち素人が単なる妄想でしかないですけど、想いを馳せました…
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Posted at
2025/06/20 19:46:22
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